生田緑地観察会
主催 青少年科学館

生田緑地観察会“里山の自然”

日時 2018/4/8(日) 10:00〜12:00 晴
ガイド講師 特定非営利活動法人かわさき自然調査団 水田ビオトープ班班長 岩田臣生
サポート  特定非営利活動法人かわさき自然調査団 事務局長 岩田芳美
観察会参加者 40人(大人 33人、子ども 7人)
       麻生区 4人、多摩区 8人、宮前区 6人、高津区 2人、中原区 2人、幸区 5人、川崎区 3人
       相模原市 2人、東京都世田谷区 2人、杉並区 1人、狛江市 1人、稲城市 2人、多摩市 2人

観察コース:青少年科学館前(集合)〜中央広場北雑木林〜奥の池〜西口園路〜谷戸の降り口〜ピクニック広場東斜面〜萌芽更新地区上の自然探勝路〜 ハンノキ林上のデッキ〜谷間の探勝路〜梅畑〜上の田圃〜下の田圃(解散)

水田ビオトープ班の岩田が生田緑地観察会のガイドを初めて担当させていただいたのが、観察対象の少ない季節の試みとしての 2008年1月の観察会でした。
それから 10 年にもなりますが、勉強不足のためか、話下手なためか、参加者に教えてもらいながらの観察会になっています。
2014年にはタイトルを「里山の自然」に変えて、生田緑地の自然の現況を知ること、都会の市街地の中に生き残っている自然と、それをどのように保全しているのかを理解してもらうことを 本目的としながら、様々な動植物との出会いを楽しむ観察会にしたいと考えて、ガイドをさせていただいています。
しかし、いつもは 20 人程度の参加者なのに、今回は 2倍の 40 人もの参加者を迎えてしまい、狭い探勝路を歩きながらガイドをするという困難さを初めて体験しました。
50人、60人を相手にしている他班の観察会の進め方を学ばせてもらう必要がありそうです。

早くもヤマツツジが咲き始めましたので、第一ポイントは中央広場北の雑木林としました。
ここは、中央広場の改修に合わせて、中央広場までしか来ない生田緑地来園者に、ヤマツツジが咲く管理された雑木林を見せるために、2011年に管理を始めた雑木林です。
この辺りの雑木林の主要な構成樹木であるコナラを観察しました。
丁度、コナラの雄花序が沢山、枝先から垂れていましたので、コナラの花を観察しましたが、雌花は教えることができませんでした。
こんな時は、「詳しく知りたい人は、第一日曜日の植物の観察会に参加してください」と言って済ませています。
「里山の自然」観察会としては、雑木林の主要な構成種がコナラであり、どの木がコナラなのかを判断できるようになることを目的として考えていました。

メタセコイアの芽吹きの季節で柔らかな緑が美しく、参加者からの質問があって、予定していなかったメタセコイア、ラクウショウについてもガイドを行いました。

造成工事後の西口園路地区は外来種だらけでしたが、前の指定管理者の努力があって、春の野原というイメージの雑草が見られる程度になりました。

今年はスミレの花が既に殆ど終わっていましたが、好天に恵まれたことで、フデリンドウの花が開いていて、春の里山らしい花を観察することができました。

北側の谷戸へ降りる階段の山側では、開花しているタマノカンアオイを観察しました。
川崎市が標本原産地である絶滅危惧種であることを考えれば、生田緑地は勿論、川崎を代表する植物です。

ピクニック広場地区にはクサイチゴが咲き、スジグロシロチョウが吸蜜していました。

園路沿いに咲くツボスミレ(ニョイスミレ)の白い花を観察しながら、昨日、里山倶楽部Aで活動した萌芽更新地区の下まで降りてきました。
生田緑地の湧水が染み出してくる標高にあって、ミヤマシラスゲが分布し、ハンノキ林が形成されていることの説明も行いました。
また、沢山のホウチャクソウが開花し始めていました。

オタマジャクシを見たいと騒ぐ子どもに急かされて田圃まできました。
既にシュレーゲルアオガエルが鳴き始めていて、ここは私たちの縄張りだと叫んでいるようにも聞こえました。
上の田圃の上の段には、大雨によって運び込まれた土砂が溜まり、ヒタヒタ状態になっていたため、チョウたちにとっては吸水に適した状態になっていて、キタテハ、キアゲハが降りていました。
オタマジャクシは活発に動いていましたが、いくつもの集団ができています。 何故、集まって塊ができるのかという質問が出て当然なのですが、皆で意見を出し合うという考える観察会になりました。

更に、ヨシ原まで歩き、咲き始めたカサスゲを観察してから解散しました。


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Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation