伐採更新地区の観察、上の田圃地区下の池の水漏れ補修、湿地地区の水辺保全、竹林下水流の保全、セリバヒエンソウ駆除 日時 2020/5/5(火) 9:40〜13:30 晴 場所 生田緑地 芝生広場上雑木林、上の田圃地区、湿地地区、竹林下谷戸、ハンノキ林 参加者 岩田臣生 生田緑地のニガナが開花期を迎えていました。 チョウの道に、黒いアゲハチョウがよく見られるようになりました。 伐採更新を始めようとしている芝生広場上雑木林の状態を観察しましたが、林床はアズマネザサ刈り後の 4〜5cm の高さの伐り残しが気になって、歩き辛くなっていました。 3 月にはツノハシバミ、4 月はガマズミの仲間が白い花を咲かせていましたが、5 月はヤマツツジが残っている程度で、特に楽しませてくれる低木は無さそうでした。 中央部にあった 20m程の高さのキリに花が咲いていて、林床に花が落ちていました。 キリは、萌芽更新地区でも、皆伐更新地区でも、埋土種子から発芽、成長しているものが見られました。 伐採対象となる高木のコナラの幹に、シダ植物のマメヅタが、近縁のノキシノブの仲間と一緒にありました。 上の田圃地区に移動しました。 田圃には、カルガモのペアが昼寝していました。 来園者が多いため、猛禽類の飛翔が少なくなっているのかも知れません。 アズマヒキガエルのオタマジャクシは脚が出ていました。 田圃の北東の角からの水漏れをイネワラと土で塞ぎましたが、田圃の内側の穴と外側の穴は 1 mも離れていました。 また、押し込んであったイネワラが抜け出ている箇所が多く、何か、動物の活動によって、塞いだ穴が開けられているようです。 何度も繰り返さなければならないのですが、今日は、田圃下の池を湛水しようと思って、丹念に水漏れ穴を探して、一つ一つ塞いでいきました。 水漏れ穴の数は、ここだけで、実に 10 を超え、しかも、その殆どが直径 3cm 超の穴でした? 水漏れを一通り塞いだところで、田圃の畔にシートを敷いて休憩しました。 ウシハコベが咲いていました。 引っ切り無しに木道を通る来園者は、「カモだ!」、「オタマジャクシだ!」、「今度は双眼鏡を持ってこよう」などと騒いでいるというのに、カルガモは、まだ寝ていました。 ヒメシモフリコメツキ?が草の上を飛んでいて、時折、10 頭ぐらいが集まって、オヤブジラミなどの葉上に群れていました。 湿地のコメツキムシの仲間の繁殖行動のようです。 草の間を見ていたら、クロハネシロヒゲナガ(メス)が飛んでいました。 その先、2 m程離れた所に眼をやったら、ヤマサナエがオヤブジラミ?の葉に止まっていました。 湿地地区に移動しようとしたら、大きな水用の網と大きな虫取り網を持ったお父さんが、シオヤトンボを捕ろうとしていましたので、 「生田緑地は生物の採集は禁止です」と注意しました。 小さな子が小さな網を振り回している時は、できるだけ注意しないように努力していますが、新型コロナ外出自粛を受けて?、生田緑地憲章では通じない家族連れが押しかけているので心配になります。 シオヤトンボは神奈川県の要注意種であり、生田緑地には辛うじて棲息しているものの、個体数は多くありません。 湿地地区には、4〜5 頭のシオヤトンボが飛んでいたので安心しました。 トウゴクヘラオモダカは育っていましたが、周囲のチゴザサなども育っているので、種子から発芽したものがもう少し大きくなったら、依怙贔屓な手入れをしようと思いました。 オニスゲが育ってきました。 ヒシバッタ、ヤブキリの幼虫などが草の上で活動するようになりました。 草陰に、羽化して間もないのか、シオカラトンボ(未熟)がジッと止まっていました。 チョウは、スジグロシロチョウ、キタキチョウ、イチモンジセセリ、アオスジアゲハなどが飛んでいました。 クロハネシロヒゲナガ(オス)がフワフワと飛んでいました。 ホホツ、ホホツ、ホホツ、・・・と不思議な声が聞こえていましたが、丁度、野鳥班の平賀さんが来たので、尋ねたら、ホトトギスの仲間のツツドリとのことでした。 ホウチャクソウ、ミヤマシラスゲが咲き、 ハルジオンにコアオハナムグリが来ていました。 次に、竹林下水流の状態確認をしたところ、水流につくった水溜まり部の落枝ダムが決壊していたので、この決壊した部分だけを補修しておきました。 帰り道、ハンノキ林のデッキ下にセリバヒエンソウが咲いているのを見つけてしまったので、ここだけと思って、抜き取りましたが、片手に余る一束ほどになりました。 こんな外来種でも、「どこかに移植するのですか?」などと尋ねてくる来園者には、一応、説明しましたが、接近されてしまうと怖くなります。
かわさき自然調査団の活動
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