生田緑地の生物多様性保全活動

ハンノキ林西の池の保全と生きもの調査
日時 2020/3/21(土) 11:30〜14:30 晴
場所 ハンノキ林西の池
参加者 岩田臣生

生田緑地整備事務所裏に置いたプランター 3 つ(トモエソウ、コマツカサススキ、ウバユリ)に、水をやるために生田緑地に来ました。
この日の生田緑地は、新型コロナの危機は屋外なら大丈夫と考えた家族連れが押しかけて、花見がてらの散策を楽しんでいるようでした。
生田緑地整備事務所に着いて、水やりを済ませてから、ウエイダーを履いて、スコップ、手網、バケツ、イネワラ 2 束を持って、谷戸に降りました。
目的は、ハンノキ林西の池の土嚢堰をつくり直して水漏れを止めること、そして、カワニナなどの棲息状態を調べることでした。
ハンノキ林西の池は、昔、北部公園事務所の職員さんがトンボ池として掘ったと聞いています。
私たちがハンノキ林の保全活動を始めた 2007 年の頃、ここには水面は見られず、池があると思える状態ではありませんでした。
2011 年、2013 年に、ハンノキ林内を流れる水流の保全活動を行った時に、その最上流部ということで、少し手を入れていました。
2015〜2018 年には、年 1 回の泥上げ、落枝ダムづくりなどを行うようになり、谷戸の最奥部ということで、数個のカワニナを放して、繁殖してほしいと思っていたところ、数十個に増えていました。
今年になって、木道を通る度に見ていると、少しずつ水が干上がっていくように見えたので、水漏れを止めておかなければいけないと思っていました。
先ず、堰の土嚢を全て外して、漏水場所を確認し、イネワラを用いて、水漏れを起こしていた大きな穴を埋めてから、土嚢を積み直し、漏水が無いことを確認して、堰の補修を終わりにしました。
次に、手網を用いて、生きものを調べました。
水漏れを止めたので水位は少しずつ上昇してきますが、それは気にせず(長靴ではなく、ウエイダーを履いていましたから)、 水底の落葉や泥を手網で掬っては、岸辺の 1ヶ所に取り出して、そこから生きものを見つけ取りして、バケツに入れていきました。
カワニナは動かないものの、水をかけて泥を落とすと、落葉とは明らかに異なる生きているものの色になって、5mm 程の小さな貝でも直ぐに目に飛び込んで来ました。
オニヤンマや、ヤマサナエのヤゴが見つかった時は、トンボ池になってると感じて、嬉しくなりました。
池の底に積もった落葉は、ホトケドジョウの越冬場所になっていたらしいと思いました。
2m四方程度の小さな浅い池なのに、予想外に多くの生きものが見つかりました。
生きものは採集よりも、個体数を調べるのに時間がかかります。
木道上から、「何をしているんだろう?」、「調査をしているんだよ。」、「ふーん。」と親子の声が聞こえてきました。
生田緑地は園路外を立入禁止にしていますので、そこに降りていたためだと思いますが、調査をしていると見てくれたようです。
この日は、泥上げは諦めて帰りました。

 カワニナ       5〜30mm 192
 オニヤンマ(ヤゴ)  4〜5cm 3
 ヤマサナエ(ヤゴ)  3cm 8
 ホトケドジョウ    4〜5cm 8、2〜3cm 21
 アメリカザリガニ   4cm 1
 ミズムシ 
 ユスリカ幼虫など   少々






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