生田緑地の生物多様性保全活動

城山下谷戸の自然探勝路分岐点付近(B10-1)のアズマネザサ刈り、アオキ除伐
日時 2019/12/12(木) 10:00〜12:00 
場所 城山下谷戸 B10-1
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美

城山下谷戸の(B10-1)を含む周辺地区については、 2010/10/23(土) の市民部会で、 立教大学の佐久間講師が引率する同大学学生等の参加を得て、現地で、植生管理計画についての話し合いを行いました。
そして、その植生管理計画に沿って、2010/12/11(土) の市民部会で植生管理(アズマネザサ刈り、アオキ等除伐)を行いました。
また、水田ビオトープ班として、2013/2/5(木) 2014/3/18(火)2014/11/27(木) にアズマネザサ刈り、アオキ実生の除伐などを行っています。
その後は隣接地で活動した時に、木道沿いのアブラチャンの保護のためのアズマネザサ刈りなどを行っていましたが、 地区全体のアズマネザサの繁茂が気になるようになりましたので、今回、アブラチャンの保護のためのアズマネザサ刈り、アオキ除伐を行いました。
アズマネザサの茂みの下には、大きな倒木や、多数の落枝が転がっていました。
また、モミジの実生が多数生えていて、大きく育っているものもありました。
今回の第一の目的は、アブラチャンの実生を保護することだったのですが、アズマネザサ刈りに夢中になって、刈られてしまったアブラチャンもあったようです。
アブラチャンの枝は細く、成長も遅いので、今後は、目印を工夫して管理し、アブラチャンを育てたいと思います。
アブラチャンは、県内の山地や丘陵地の谷部林内には普通に見られる落葉低木であると、県植物誌2018 にあります。
普段は目立たない樹木ですが、3〜4 月の開花期には、辺りをうっすらと黄色に霞ませてくれ、季節の景観を演出してくれる要素になります。
山地の自然の息吹を感じさせてくれる植物が、川崎でも見られるということは、川崎の生物多様性の観点からも大事なことだと考えます。











今回、斜面 (A25-2) 裾部にモミがあることを、改めて確認しました。
生田緑地では、モミに出会うことは少ないので、大事に育てたいと思います。
このモミは、所謂「谷戸のモミ」ですが、これに寄り添うように並んで育っているスギは伐採して、このモミが元気に成長するように手を貸してあげたいと思いました。

また、マンリョウが赤い実をつけていました。


城山下谷戸の苗木畑状態観察
日時 2019/12/12(木) 12:30〜13:00 
場所 城山下谷戸の苗木畑 C03
参加者 岩田臣生、岩田芳美

城山下谷戸の苗木畑 (C03) は、雑木林の保全管理を行っていれば苗木が必要になるだろうと考えていたのと、 里山の自然学校の子どもたちに、ドングリを植えて、樹木を育てるという体験をさせてあげたいという気持ちから、北部公園事務所に相談したら、 城山下谷戸のアパートを撤去した跡地を使うように指導されたことで、この場所に決めたものです。
しかし、住宅廃材が埋められていたことから、穴を掘ることができませんでしたので、保管してあったおし沼峠の道路工事による排土を 2007/3 に搬入してもらって、苗木畑をつくりました。
そして、2007/10/21(日) に、里山の自然学校の特別回を開催して、参加した子どもたちがクヌギやコナラのドングリを蒔きました。
ドングリは発芽して育ち始めていましたが、川崎市緑政課の依頼により、2009/5/15(金)に、殆んど全ての苗を供出しました。
その後は、土づくりと草刈り、残った苗の手入れ、追加の播種などを行って、2010 年末に伐採した皆伐更新地区の植生管理のために必要になるかも知れないと思い、育成管理していました。
しかし、皆伐更新地区の更新管理は、自然に発芽した多様な実生を育てることで進めることができそうだったので、皆伐更新 3 年目には、補植する必要はないと判断することができました。
そのため、育っていた苗を植える場所を探しましたが、特に見当たらなかったため、苗木畑の周囲に移植することも考えていました。
なかなか実施できないうちに、苗木は育って、移植は難しくなったので、そのまま樹林にしてしまおうということになり、 時々、アズマネザサ刈りをする程度で、苗木についての択伐などは行っていません。
それにしても、ここをコナラ・クヌギ林にするには混みあっていますし、苗木畑から樹林へと、植生管理計画を変更しなければなりません。
2019/3/14(木)には、取り敢えず、アズマネザサ刈りをしておきました。
今回は状態観察と思いましたが、今年伸びたばかりの柔らかいアズマネザサが 60〜120cm ほどの高さに生えていましたので、ザッと刈りました。
幼木は、太いものは直径 10cm 程もありましたが、細いものは直径 3cm 程で、全てを合わせれば合計 30 本程度ありました。
細くても、10 年程度経っていますから、樹林に変更するにしても、一旦、皆伐して萌芽更新を行い、適当な本数に減らして、樹林に育てる方法もありそうです。
この苗木畑は立地が不便なので、補植用苗木を育てるためには手間がかかりますが、現在始めているように、整備事務所裏で、植木鉢で育てる方法なら手軽に頻繁に手入れができます。
苗木畑として利用しない場合の植生管理計画を検討する活動を始めた方が良さそうです。
幹の途中に、ハラビロカマキリの卵鞘がありました。






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