地質 生田緑地は多摩丘陵東端部に位置し、急崖によって、多摩川沖積地に接しています。 基底部は上総層群飯室層、その上に押沼砂礫層、その上に何層にも重なる火山灰による関東ローム層という地層になっています。 更に、昭和33年(1958)の狩野川台風によって、生田緑地の各所で土砂崩れが起こり、その土砂が堆積土として大量に残っています。 湧水 生田緑地の湧水は、関東ロームに貯留された雨水が押沼砂礫層を通過して、不透水層である飯室層の表面で周囲に広がり、集まって地上に出てきたものです。 地形は細かく、急斜面である所が大部分なため、貯留量は少なく、雨の降らない期間が長くなると水量が少なくなり、植物からの蒸散量の多い夏期には涸れる水流も出てきます。 しかし、この水流が残されていることは、非常に重要なことです。 生田緑地が公園としての整備工事を経験しながらも、かつての多摩丘陵の自然を残すことができたのは、湧水の自然の水流が残ったことによります。 魚類など水域の生物 <生田緑地の水域の生物 図鑑> (未着工) 植生 △生田緑地中央地区の植生図 2012年 面積表 (pdf) 植物(木本) 地質年代のような長期的なスパンで考えると、温暖な時代には南方からの樹林が優先し、寒冷な時代には北方から樹林が優先していたと思われ、 原植生は常緑樹のカシ類だと言われています。 江戸時代から昭和にかけては、薪炭づくりが産業として行われていた時代があり、コナラ、クヌギによる薪炭林がつくられていました。 関東地方西南部では、この歴史のために、薪炭林が価値を持たなくなった現在も、雑木林の主要樹がコナラ、クヌギになっています。 このことは、この辺りの昆虫相に影響していると考えられます。 生田緑地は、昭和16年(1941) に川崎市第 1 号の都市計画緑地として 165haが計画決定されました。 その後、少しずつ、用地買収が進められ、公園整備も行われ、様々な樹木が植栽されてきました。 従って、明らかな外来種も、国内外来種も、公園整備される前からあったものも、周囲の市街地から半ば自然にもたらされたものなど様々です。 <生田緑地の植物(木本)図鑑>(工事中) 植物(草本) <生田緑地の植物(草本)図鑑>(工事中) シダ植物 <生田緑地の植物(シダ)図鑑>(未着工) 昆虫などの小動物 生田緑地には、ゲンジボタルが棲息し、ホタルの季節には、市民公募によるホタル・ガイド・ボランティアの活動によって、 生田緑地ホタルの国を開国し、市民が川崎市内で、川崎の遺伝子を継承するホタルの光の舞を楽しむことができます。 生田緑地には老熟した樹木が生存していることで、毎夏、園路を歩いていてヤマトタマムシに出会うことができます。 神奈川県東部では急激に減少しているシオヤトンボ(神奈川県 要注意種)や、マユタテアカネ(神奈川県 要注意種)、ヤマサナエ(神奈川県 要注意種)などが普通に棲息しています。 また、サラサヤンマ(神奈川県 絶滅危惧IB類)、ホソミイトトンボ(神奈川県 情報不足)などの棲息記録もあります。 チョウでは、ミドリシジミ(神奈川県 準絶滅危惧種)、アオバセセリ(神奈川県 要注意種)などが棲息しています。 南方系のチョウでは、ナガサキアゲハ、クロコノマチョウ、ツマグロヒョウモンなどが普通に見られるようになっています。 外来のチョウでは、アカボシゴマダラが普通に見られるようになっています。 <生田緑地の昆虫図鑑>(工事中) <生田緑地のクモ図鑑>(未着工) <生田緑地の陸生貝類図鑑>(未着工) 両生類 <生田緑地の両生類図鑑> 爬虫類 <生田緑地の爬虫類図鑑>(工事中) 野鳥 <生田緑地の野鳥 図鑑>(未着工) 哺乳類 <生田緑地の哺乳類 図鑑>(未着工) |