第 15 回里山倶楽部 <萌芽更新地区(A06-1b)のアズマネザサ刈りなど> 日時 2020年 12月12日(土) 10:00〜13:00 場所 生田緑地 萌芽更新地区 A06-1b 参加者 6 年目 東 陽一、岩渕裕輝 4 年目 北川英樹、吉澤正一、新井みどり、康介(小5) 2 年目 中村瑞希、さち(幼児) 1 年目 伊澤高行、佐藤優子、功一(中2) 高橋秀成(初参加) (かわさき自然調査団市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美 14 名 今回の活動場所である萌芽更新地区には、萌芽更新地区という標柱が出ています。 この雑木林は、伝統的な里山管理である萌芽更新を繰り返す樹林を観察できる場所にすることを整備目的として、1998年末に、コナラ林の伐採・補植を行った、1200uの区域です。 ただ、伐採はしたけれども、伐採後の更新管理は行っていなかったために、成長の速い樹木が優先し、萌芽更新は達成できず、暗い樹林となり、補植したクヌギなどは成長できず、 10 年が経とうとする2008年1月の市民部会で、この状態を確認し、その後の植生管理について話し合いを行い、 当初の目的であった萌芽更新を繰り返す雑木林を目標にすることを合議しました。 翌年から、第1段階として、大木化したムクノキ、アカメガシワ、キリ、シデなどの高木層の樹木を伐採する活動を始めたら、林内が明るくなり、 補植されていたクヌギなどが息を吹き返し、急に成長を始めました。 補植クヌギが大木化したところで、第 2 段階として、これらのクヌギなど、萌芽更新地区内の主要な大木を萌芽更新目的で伐採する活動を始めました。 この 10 年間の新たな伐採更新のための高木伐採の活動は、2019年3月に終えました。 そして、現在、更新管理としては、萌芽株保護のためのアズマネザサ刈りを行っています。また、種子から育てたヤマザクラ稚樹を試しに植樹してもいます。 生田緑地においては、皆伐更新地区における伐採更新の経験から、市民が実践する伐採更新の更新管理においては、アズマネザサだけを選択して刈るアズマネザサ刈りの仕組みが、 非常に重要だと考えています。 今回の里山倶楽部は、萌芽更新地区の南側半分、(A06-1b) のアズマネザサ刈りを行い、この範囲の殆んどの範囲を刈り終えることができました。 いつものように生田緑地整備事務所裏の倉庫前に集合してから、萌芽更新地区に向かいました。 萌芽更新地区のうち南側の(A06-1b)は、谷戸に降りて、ピクニック広場を過ぎると、正面に現れる斜面です。 参加者の荷物は、区域の中に置いておいて、斜面の下の方から刈り上がることにしました。 生田緑地の雑木林の斜面は急勾配の所が多いのですが、ここの裾部は園路もあって、小さな子どもたちも活動し易い場所だと思います。 周辺の雑木林の黄葉も陽光を受けて輝いていて、ジャノヒゲの青い実、ヤブコウジの赤い実などが足元に見られました。 途中で集合写真を撮って、一度、休憩しました。 活動を再開しました。 斜面の上の方には、細いガマズミが真赤な実をつけていたり、ヒヨドリジョウゴの朱い実も見られました。 (上)ガマズミの実 (上)ヒヨドリジョウゴの実 梅雨期に植樹したヤマザクラが活着していたことも確認できました。 アズマネザサを刈りながら見て回った萌芽更新中の伐り株は、順調に育っているようでした。 もや分けと改まるほどの活動ではありませんが、混みあったり、弱っていた萌芽枝などは、伐り落としておきました。 活動を終えて帰ろうとしたら、置いてあったエコバッグの上に、トホシテントウ幼虫がいました。 ナナホシテントウなどの幼虫は、知っている人も多いのですが、それとは似ても似つかない形をしています。 参加者は、沢山の枝分かれした棘に驚いていましたが、形は恐ろしいものの、カラスウリなどの葉を食べる昆虫で、幼虫の状態で越冬します。 この雑木林には、カラスウリの赤い実が沢山ありましたので、草食性のトホシテントウには棲みやすい環境だと思います。 (上)トホシテントウの幼虫 活動を終了したところで思わぬ昆虫を観察しましたが、整備事務所裏に戻って、解散しました。 萌芽更新地区南側のエリア(A06-1b) は、活動回数が少なかったのですが、今回、萌芽の様子や、補植したヤマザクラ稚樹の状態を確認しながら、楽しくアズマネザサ刈りを行うことができました。 |