植生管理モニタリングなど
【2025/5/20 更新】

植生管理を考えるためのモニタリング
日 時)5月20日(火) 晴
活動者)岩田臣生、伊澤高行
@中央広場北雑木林
A萌芽更新地区
B谷戸の湿地、上の田圃、下の田圃
C谷戸の合流部〜苗木畑、
D生物保護区


@中央広場北雑木林
 9:00〜10:20 晴
生田緑地の来園者の大部分は中央広場まで来て、博物館施設を利用するだけで、雑木林を観察しようとする人は極めて少ないと思います。
その来園者が、何気なく、雑木林を眺めて、季節を感じたり、雑木林の魅力を感じたり、そんなことがあればいいと思って、 改修工事が始まる前の中央広場に面したヤブを伐開して、低木層にヤマツツジが咲き、草本層に野生ランが咲いてくれるような雑木林を目指して、 2011年からアズマネザサなどのヤブを刈って、手入れをしてきたのが、中央広場北雑木林です。
昨年(2024年)、5/11(土)の里山倶楽部で下草刈りを行ってから1年が経過しました。
今回は、1年経過した雑木林の状態をモニタリングして、次回の植生管理を考えることにしました。
また、1年前の里山倶楽部の時に、種子から育てていたヤマユリを、試しに、少し移植してみましたので、それがどうなったかも調べました。
林床のアズマネザサは殆ど気にならない程度でしたが、所々に大きく成長していたアズマネザサは刈りました。






気になっていたヤマユリは、プランターにあるものと同じ程度の大きさで残っていました。
適度にアズマネザサ刈りを行えば、この雑木林の草本層に加えることができそうです。

枝を落としたナラ枯れコナラが1本ありましたが、これは、来園者の少ない平日に伐採しておけば良いと思います。
高木層のコナラは元気なので、区域全体の伐採更新を急ぐ必要はなさそうです。

ガマズミが咲いていました。
ガマズミ
陽当たりが良くて、乾いているのか、モリチャバネゴキブリがいました。
モリチャバネゴキブリ
タマノカンアオイの花がまだ咲いていました。
タマノカンアオイ
中央園路の上に枝葉を広げていた樹木は、昨年、かなり伐ったつもりでしたが、今冬は、もっと伐った方が良さそうです。



A萌芽更新地区
 10:25〜11:00 晴
萌芽更新地区には、南東の角から入って、何年も前に植えたヤマザクラを探しました。
生田緑地で拾って、発芽させたヤマザクラですが、アズマネザサが繁茂する急斜面で生き残るか疑問です。
湿地地区の苗木畑に植えたものは、高さ2mを超えています。
この辺りは陽当たりも良いので、アズマネザサ刈りは行った方が良さそうです。

萌芽更新地区なので、萌芽更新の進行具合を見ました。
萌芽枝が大きくなって、元の切り株が腐り始めて、萌芽更新の進行が感じられます。








オオスズメバチ(女王蜂)が、コナラの樹液に飛来していました。
樹林からハンノキ林東尾根に出る辺りは明るくなって、クロヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、ヨツボシケシキスイ、コクワガタなどが見られるようになりました。
林縁に、クロヒカゲや、サトキマダラヒカゲがいました。
クロヒカゲ
サトキマダラヒカゲ
園路柵近くに、大きなナルコユリがありました。
ナルコユリ
ヒヨドリバナ?の葉上に、トホシオサゾウムシがいました。
トホシオサゾウムシ

ハンノキ林東尾根を歩いて、ハンノキ林林床を観察しました。


B谷戸の湿地、上の田圃、下の田圃
 11:05〜11:30 晴
湿地地区に入って、水涸れ補修を行いました。


上の田圃は、水が少なくなっていて、田圃上の水路の水が止まっていました。
導水路が水漏れを起こしていましたので、穴を潰して補修しました。

下の田圃も観察しましたが、水は問題ありませんでした。
シオヤトンボ、ヤマサナエを確認しました。

シオヤトンボ
ヤマサナエ


C城山下谷戸合流部〜城山下谷戸分岐点
 11:30〜11:40 晴
城山下谷戸合流部の状態観察を行いました。
昨年つくって、スジグロボタルの観察ができた水溜まりは水涸れとなっていました。
水路を調整して、水溜まりづくりを行う必要があります。

水路沿いにつくった管理通路を通って、城山下谷戸分岐点に出ました。
3月に伐採した苗木畑のクヌギからは萌芽が見られました。


D城山下谷戸生物保護区
 11:40〜12:00 晴
生物保護区の状態観察も行うことにしました。
ここに入っていたアズマヒキガエルのオタマジャクシは、上陸し始めた段階のようでした。
シラコスゲは元気ですが、手前の岸辺近くにはミゾソバが繁茂していました。



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