生田緑地の生物多様性保全活動


谷戸の水辺保全など  
日時:2023/5/16(火) 9:30〜12:30 晴
場所 生田緑地 湿地地区(B05)、上の田圃地区(B06)、下の田圃地区(B07)、ヨシ原地区(B08)
参加者 岩田臣生、伊澤高行、冨田健斗

この日は新人もいたので、谷戸の水辺の大部分の状態観察から活動開始することにして、園路からの観察を行いながら、先ず谷戸末端のヨシ原地区まで行き、池の状態を観察しました。

(ヨシ原地区)
ヨシ原地区は、2007年に、川崎市北部公園事務所から相談されて、保全管理を始めた場所で、池は水辺の生物の観察用に掘ったものです。
この日は、ほぼ完全に湛水していて、孵化後間もないと思われるシュレーゲルアオガエルのオタマジャクシが数匹、大小混在したホトケドジョウが10数匹、観察できました。
ヨシはだいぶ茂ってきていましたが、夏期の水温上昇は避けられないと思いますので、ホトケドジョウがどうするか、観察していきたいと思います。


(下の田圃地区)
次は、少し戻って、下の田圃ですが、水の状態は良好で、今回は手入れの必要は無さそうでした。
周囲のミゾソバなどが育っていました。

(上の田圃地区)
上の田圃も湛水していて、手入れをするとすれば、上の段の排水堰の土嚢を追加して、少し堰高を上げるくらいと思いましたので、これは木曜日に行うことにしました。
ここは、シオカラトンボが縄張りを守っていました。

(湿地地区)
次は、湿地地区に入って、水面を広げる活動を行いました。
湿地地区1段目では、チダケサシ、ヒメシロネを教えて、ここに入る時は、これらを踏まないように頼みました。
これらの植物のために、1段目の水面も広げたいけれども、それは冬の活動にしたいと伝えました。
(湿地地区3段目)
そして、3段目の水面を広げることにしました。





水面が広がり始めたら、クロスジギンヤンマが飛んで来て、新たな水域を偵察するように、 暫く、目の前で飛んでくれましたので、3人とも手を休めて見惚れてしまいました。

(湿地地区の2段目)
次に、湿地地区2段目について、既に少し手をいれていたことですが、竹林側から入る水を受け止める池をつくる活動を行いました。



木陰につくりつつある水面には、繁殖行動を行うアメンボの仲間がいました。

ミヤマシラスゲやオニスゲなどの茂みには、トゲヒシバッタが観察できました。

オニスゲが繁茂する辺りに、スジグロボタルを観察できました。
湿地地区での観察は初めてです。
湿地地区の活動を始めてから 18年経ちましたが、スジグロボタルがスゲ植物が繁茂する湿地と認めてくれたようです。

更に、近くに、アカスジキンカメムシがいました。
続けてのことなので、作業は中断して、観察会になってしまいました。

陽当たりの明るい場所には、ヤマサナエが観察できました。


(帰り道)
咲き始めたかに見えるアワブキを観察していたら、葉裏に羽化途中のテングチョウがいました。
この日の天気は昆虫観察日和で、生きもの好きの私たちを楽しませてくれました。c031126



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