川崎の野生生物
スジグロボタル

甲虫目 ホタル科 Pristolycus sagulatus Gorham(1883)
北海道および本州に分布する寒冷地の生物である。
林長閑氏(現在、特定非営利活動法人かわさき自然調査団理事)によると、スジグロボタルは半水生のホタルで、 成虫になるまでに1年以上を要するとのことである。
5月頃に蛹化し、5月下旬〜6月に成虫が見られるが、成虫の寿命は2週間程度のようである。
20年程前には生田緑地には多産していた。このことを、林先生が雑誌に書かれた記事が今もインターネット上に掲載されているため 研究材料として採集しに来る研究者がいるが、今の生田緑地では非常に珍しい存在になってしまっている。
陸生ホタル生態研究会事務局長の小俣軍平氏によると多摩丘陵での生息地は30ヶ所(2011/1末現在)あるとのことである。
大場先生(横須賀市自然人文博物館)によると、一生の間の行動範囲が極めて狭いとのことであるので、 生田緑地から消えてしまうことの無いように生田緑地の棲息環境を保全したいと考えている。
2011年の成虫調査では、生田緑地内の7ヶ所で、合計90個体を観察した。
撮影/ 2009/5/25 生田緑地にて、岩田臣生
撮影/ 2011/6/3 生田緑地にて、岩田臣生


特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation