生田緑地の生物多様性保全活動

田圃の水漏れ補修など
日時:2021/8/26(木) 9:50〜11:20
場所 生田緑地 上の田圃地区
参加者 岩田臣生、鈴木潤三、田村成美、上路ナオ子

この日は、猛暑との天気予報であったので、休もうと思っていたのですが、木曜日を活動日にしている班員から、久し振りに活動するというメールをもらっていたので、 1 時間以内の活動にすれば何とかなるかと思って、活動することにしました。
このところ湧水の流量が多かったので、少しぐらいの水漏れは、対応を先延ばししていましたから、その中から短時間で実施できることをお願いすることにしました。

谷戸に降りて、ハンノキ林内の水辺は、問題無いと判断しました。
湿地地区を木道から覗くと、区域に入る水路の流れが、途中で、消えているのが見えました。
そこで、水路の流れを辿って調べたら、水路に置いた土嚢の下に流れ込んで、消えていました。
その土嚢を持ち上げると、下に大きな穴が開いていましたので、その穴をイネワラで塞いでおいてから、土嚢を置きました。
サワガニの活動が活発になっていることと、置いておいた土嚢が軽かったのかも知れません。

止まっていた水が流れ始めたのを確認したので、予定していた上の田圃に向かいました。
上の田圃の周囲には夏草が繁茂していて、知らない人には、田圃だとは思えない状態になっています。
元の地主さんが存命であれば、「そんなに草を生えさせたら、米なんかできないぞ!」と注意されたことと思います。
田圃に面する雑木林の樹木の枝が張り出していて、田圃は暗くなっていますので、この辺りのイネの穂はヒョロヒョロで充実していません。
それでも、私たちの田圃は生きもののための田圃なので、コメのために樹木を伐採するということはしません。
むしろ、畦から 2mぐらいは、苗を植えないで、水面を広げておく方向で考えています。
樹皮下に産卵するオオアオイトトンボや、 神奈川県準絶滅危惧種のオオアメンボのためには、良い環境になると思います。

上の田圃の上の段は、イネの根元に水面がありませんでしたが、水は土嚢堰の脇から流れ落ちていましたので、これを補修し、合わせて、数ヶ所の水漏れ補修を行いました。



次は、下の段の水漏れです。
一昨日の 8/24(火)に補修したので、水面は広がっていましたが、東角の畦の外側に、水が漏れ出して、流れていました。
これは、流れを辿るように、少しずつ、スコップで掘り進んで、田圃の中からの水漏れ穴を確認しておいて、イネワラで水漏れを止めてから、畦の外側に土嚢を詰めるように置きました。





もう一つ、気になったのは、沢に面した斜面の裾から、沢に流れ出している水があることでした。
田圃の何処かから漏れ出しているはずなのですが、その水漏れ箇所が分かりません。
猛暑のせいか、どのように対処すべきか、考えが纏まりませんでしたので、この水漏れを止める活動は次回以降にしました。

水漏れ 1ヶ所は止めましたが、土嚢堰がオーバーフローするところまでは湛水していません。
更に、畦の内側に水漏れ穴が無いかを調べてみましたが、見つけることはできませんでした。

田圃には、殆んど、水面が見えないほどに、イネが繁茂していましたが、シオオカラトンボが、水面を見つけて、飛んで来ました。

夏の田圃の周辺には、ホオズキの実が紅く熟し、ジュズダマが開花し、ノブドウが木道上に伸びて、蒸し暑い空気が淀んでいました。


帰りに、ハンノキ林南端部で倒れていたハンノキを立て直そうとしましたが、できませんでした。
このハンノキは、8/10(火) に見つけて、立て直そうとしましたが、できなかったものです。
面倒でも、ローププーラーを持ち出して、引っ張らないと駄目なようです。
湿地地区に生えた稚樹を移植して 15 年経っています。
普段は、大きくならないなあと思っていましたが、よく見ると、太くなっています。
粗末にはできませんので、少し気温が下がってから立て直そうと思います。

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