スミレ類の保護のための草刈りなど 日時 2014/7/8(火) 10:00〜12:00 晴 場所 生田緑地 伝統工芸館付近、ピクニック広場〜ピクニック広場下 参加者 岩田臣生、鈴木潤三、細川洋子 伝統工芸館付近のケマルバスミレの状態は最近衰退しているように思っていました。 スミレ類の群生を楽しむためには、秋のうちにアズマネザサや実生を刈り取っておくことが必要だと思いますが、 昨秋は調査団の活動30周年を記念するシンポジウム(12月1日開催)のために手がまわらず、年が明けた1月9日に、地表を覆っていた枯草や実生を刈り取りました。 (参照:1月9日の活動) この時は、枯草や落葉に埋もれて沢山の実生がありました。 その後、3月28日にスミレ類の開花の様子を見ましたが、その時にケマルバスミレの開花株が非常に少なくなっていたのでがっかりしました。 (参照:3月28日の活動) 根に栄養を蓄える時期に夏草に覆われて、十分な日照を得られないのだろうと考えました。 そこで今回、地表を覆ってしまったシダ類、ヘクソカズラなどのつる草、無数のセンダンの実生などを刈り取りました。 覆っていた植物を取り除くと沢山のスミレ類が現れましたが、思っていた通り、日照不足の様子でした。 次にピクニック広場に移動しました。 ここは、タケニグサが増えてしまって、斜面側を占有する勢いになってきました。 これでは、チョウが集まる草地にはならないでしょう。 そこで、タケニグサ、ヤマグワ、アズマネザサなど高さが50cmを超えるようなものを除伐してみることにしました。 6月には斜面の裾の方に一面に広がっていたドクダミの間から、ツリフネソウが現れ始めています。 谷頭斜面の裾の部分は湿潤な状態にあるようです。 これら大きな植物を取り除くと、下から種子をいっぱいつけたタチツボスミレが現れました。 斜面の草陰にアズマヒキガエル♀がいました。 大量に捕食したのか、腹が大きく膨らんでいました。 次に園路沿いに発芽し、勢いよく伸び出したアズマネザサを刈り取りました。 川崎市みどりの協働推進課へ挿し木用のウツギの挿し穂提供と谷戸の自然観察など 日時 2014/7/8(火) 12:10〜14:30 晴 場所 生田緑地 谷戸 参加者 岩田臣生 今日は暑いこともあり、早目に活動を終えましたので、みどりの協働推進課との約束の時間まで間がありました。 萌芽更新地区を見ましたが、今年はヤマユリが出ていません。 ハンノキ林を出たところで、チダケサシの写真を撮ろうとしているご婦人2人に会いました。 チダケサシの話から始まって、盗掘の話になりましたが、「ピンク色のスミレを採っていたので注意したら、名札を見せて、許可をとっているからいいんだと言われた。」という趣旨の話を始めました。 また、「あと数日で開花すると思って楽しみにしていたランが、見に行ったら無くなっていた。」という話もありました。 見せて戴いた手帳には、稀少な植物について、生田緑地の何処に何があるか、どこが見分けのポイントなのかなど、事細かくメモがしてありました。 生田緑地の何処に、いつ、どんな花が咲くかをメモしておいて、その季節に、生田緑地を歩いて、植物を観察して楽しんでいるようです。 今度、盗掘の現場を見つけたら、生田緑地整備事務所か、調査団に電話してくれるようにお願いしました。 その後、湿地の状態を見ました。 先日、漏水の補修をしたので、水は入るようになっていましたが、水流の元々の流量自体が少なくなっています。 ハンノキの葉にミドリシジミ♀がいました。 後翅をゆっくりと摺りあわせるように動かしていましたが、何をしているのかは分かりませんでした。 ただ、何故か、数センチの所まで近づいても逃げようとはしませんでした。 キバラガガンボと思われるガガンボも現れました。 田圃の水も確認しましたが、周辺の水流の流量が少なくなっていることが気になります。 13:00〜13:30 一旦、整備事務所に戻ってジョレンを片付け、みどりの協働推進課の2人を案内して、ウツギの新梢を採取しました。 ゴマダラカミキリが飛んで来て、ヤマグワに止まりました。 13:30〜14:00 先程の女性から戴いた情報の確認を行い、また指定管理者から芝生広場の草刈りをしたいと言われましたので芝生広場の状態を確認しました。 ここの一部について、一様な草刈りをしない管理を行っています。 これによって、里山らしい植物が見られるようになりましたのでは、保護的な管理は継続したいと思っています。 沢山のコナラの実生が生えていますが、これは自然に消えるでしょう。 やはり、この部分は水田ビオトープ班で活動した方が良さそうです。 14:00〜14:30 指定管理者からクスノキの辻の草刈りをしたいとの話がありましたので、一緒に、現地で協議しました。 ここはメリケンカルカヤが出て来るので、9〜10月に伸びてきたところで除草してもらう必要があります。 また、草地の状態であれば、6〜8月にはバッタの幼虫が見られ、子どもたちが楽しめる場所になることを説明しました。 都会の公園では雑草の無い状態が良い状態と考えている公園管理者が普通かも知れません。 生田緑地では、こんな場所にも、雑草に混じって絶滅危惧種があったりしますし、在来の普通種も大切にしています。 園路沿いの管理についても、生物多様性を大切にする気持ちが求められるべきと考えています。 |
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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation