谷戸の水の管理など 日時 2014/7/2(水) 10:00〜13:10 晴 場所 生田緑地稲目谷戸 参加者 岩田臣生 ホタルの国の期間中はなかなか活動できませんでしたが、昨日のグループせっけんの家の自然観察会のガイドをしている時に、田圃への導水路に土砂が溜まっていて、田圃の水が少なくなっていることが分かりました。 そこで、水の流れを確認して、必要な手入れをしておくことにしました。 谷戸に降りたところで、野鳥班の平賀さんに会い、ソウシチョウが生田緑地に入って、ガビチョウと一緒に活動しているらしいという話を聞きました。 ソウシチョウは標高1000m程度のササの発達した落葉広葉樹林で繁殖し、越冬期には低標高地に移動する漂鳥で、竹林や笹やぶに棲息します。 また、越冬期には群れで行動することもあるようです。 ガビチョウは留鳥ですが、同じような環境を好むので一緒に観察されたものと思われます。 共に、特定外来生物に指定されています。 私たちは繁殖期には笹やぶには入らないようにしていましたが、明らかにガビチョウが営巣していると思われる笹やぶには積極的に立ち入ってしまうのも一つの対策になるかも知れないという話をしました。 途中の草地でササグモを見かけました。 何となく気になって撮影したのですが、帰宅後に見たら、捕食中であり、葉の裏側からは何者かの脚が出ていました。 上の田圃 上の田圃への導水路に泥が溜まっていて、水は少ししか流れていませんでした。 この水路の泥上げを行うことで、流量は増えましたが、雨の日が多かったのに流量が少なくなっていることに驚かされました。。 田圃の水が増えるのには時間がかかりますが、様子を見ると、田圃に張った鳥除けテープにオオシオカラトンボとは違うトンボがいました。 弱い風がテープを震わせているので、どのトンボも、飛んだり、止まったりを繰り返しています。 オナガサナエ♂でした。(茅ケ崎市の岸さんに写真を見ていただきました。多摩川で羽化した個体が生田緑地まで飛んできたのだろうとのことでした。) 多摩川なら兎も角、生田緑地では滅多に出会うことはありません。 2009年7月10日に、交尾している♂♀を見て以来だと思います。 田圃の周囲の草むらには、まだ尾の残るシュレーゲルアオガエルの幼体が見られました。 水域にはまだオタマジャクシが見られます。産卵期間が長いことが、このカエルの生きるための戦略なのでしょうか。 下の田圃 下の田圃への導水は問題ないようです。 アオミドロが繁茂していますが、時折、シュレーゲルアオガエルの幼生やホトケドジョウが泳ぐのが確認できます。 水面近くに倒れ掛かっていたヨシを刈って、下の田圃はよしとしました。 ヨシ原の池 谷戸の中央の水路の水は、流量計測用のパイプからは流れ出ていませんでした。 流量が非常に少なくなっていることを、改めて、知りました。 6月下旬は水環境調査を休みましたが、7月は実施しようと思います。 この池はすっかり草に埋まっていました。 ヨシは3m以上、カサスゲやオオミゾソバは1.5mにも育っていて、道は消えていました。 池の東面のヨシなどを刈って、水辺に行けるようにだけしました。 草陰にクロコノマチョウがいました。 湿地 湿地では、竹林側からの水流も、ハンノキ林側からの水流も、水路の途中に孔が開いて、水はそこに消えていましたので、これらを補修しました。 ここのチダケサシは保護対象にしていますが、少し増えたような気がします。 絡みついていたカナムグラも剥ぎ取りましたが、一度、カナムグラ刈りの活動をしないといけない季節になったようです。 チダケサシの花にクマバチが来ていました。 マユミの葉にキバラヘリカメムシがいて、交尾していました。 水辺にオオシロカネグモがいました。 萌芽更新地区 1月の里山倶楽部Bで伐採した4本の萌芽の状態を確認して、成長の邪魔になっている植物の除伐をしておくことにしました。 伐採したコナラ3本のうち、1本は全く萌芽していません。 ほかの2本は沢山の萌芽枝を出していますが、他の様々な生物と戦っています。 周囲のアズマネザサやタケニグサを刈りました。 伐採したクヌギは、コナラに比べて発芽は遅かったのですが、今ではコナラを追い越す勢いで沢山の萌芽枝を出しています。 周囲のムラサキシキブ、タケニグサ、アズマネザサなどを刈りました。 林縁のヤマグワの実生にキボシカミキリがいました。 この日は生き物との出会いが多かったのですが、何と言っても、ミズキの葉裏で休んでいるゲンジボタルとの出会いは嬉しいものでした。 10年間、ホタルの国を運営してきて、生きているゲンジボタルを撮影したのは初めてなのです。 こんな明るい場所にいてくれたことに感謝します。 自然探勝路の木部の腐りかけた所にコウガイビルがいました。 川崎市自然環境調査としては、コウガイビルについても標本を作製して、種同定をしなければならないかも知れません。 ピクニック広場東の階段では、コジュケイに出会いました。 コジュケイは外来種ですが、ノネコの多い生田緑地でよく生き残っていると思うし、親と一緒に歩いている雛たちを見ると可愛いと思ってしまいます。 |
生田緑地の谷戸の自然保全活動のメインページへ
特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation