生田緑地マネジメント会議自然環境保全管理会議市民部会
里山倶楽部B
萌芽更新地区の下草刈り



日時 2013/12/21(土) 10:00〜13:00 晴
場所 生田緑地 萌芽更新地区
参加 齋藤昭三、齊藤明朗、杉内夏彦
   (富士通)丹野光男
   (生田緑地の雑木林を育てる会)白澤光代
   (かわさき自然調査団水田ビオトープ班)小泉恵佑、下口達夫、政野祐一
   (生田緑地整備事務所)清田陽助
   (生田緑地運営共同事業体)額谷悠香
   (市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美                        12人
   
※ ( )内にに所属を記載しましたが、里山倶楽部への参加は個人的なボランティア活動です。

12月の里山倶楽部Bは萌芽更新地区の下草刈りです。
ホームページ記載の集合場所がビジターセンターと誤記載されていたため、2人がビジターセンターに行ってしまいました。 申し訳ありませんでした。

生田緑地整備事務所前に集合し、萌芽更新地区の概要を説明し、自己紹介を済ませてから現地に向かいました。
萌芽更新地区は、伝統的里山管理としての萌芽更新が行われている場所を目標にして、1998年にコナラ林1200平方メートルを伐採した区域のことです。
また伐採と同時にクヌギやムラサキシキブなどの苗木も植えられたようです。
翌年から当該区域の植生調査を藤間煕子が中心になって植物班が実施してきました。 調査報告は川崎市北部公園事務所になされていたものの、学術研究的な表現であったためモニタリングとしては機能せず、植物班は調査はしても保全活動はしなかったため、 萌芽更新を行っているコナラ林として育成することができませんでした。
このため落葉広葉樹林ではあってもコナラ林とは言えない雑木林になり、近隣から見学に来た団体をがっかりさせていました。
そこで、2008年1月に開催した生田緑地植生管理協議会市民部会(参加者17人)において、あらためて当該地区の目標植生について話し合い、 「萌芽更新地としての位置づけを継承し、管理された雑木林として観察会等に活用できる明るい雑木林にすること」と決めました。
翌月の市民部会では現地のアズマネザサ刈りを行い、状況を確認し、全体の3分の1程度の範囲、南側のヤマザクラの大木と北側のイヌシデの大木に挟まれた範囲を対象に 「やってみて考える」実験的な植生管理を進めることにしました。
具体的には、当該対象地区に生えているコナラ、クヌギ以外の樹木を少しずつ伐採すること、特に、高木層を構成している樹木を伐採してギャップをつくり、 林床を明るくすることを、2009〜2011年の活動で進めてきました。 この高木層を構成する樹木は、直径20cmを超えるムクノキ、ミズキ、キリ、イヌシデなどがありました。

萌芽更新地区における市民部会の活動経過
 2008年1月19日 目標植生を考える
 2008年2月17日 下草刈り
 2008年9月28日 植生管理計画を話し合う
 2009年1月18日 伐採更新の試み
 2009年2月8日 伐採更新の試み
 2009年11月1日 アズマネザサ刈り
 2009年11月15日 樹木伐採
 2010年12月23日 アズマネザサ刈り
 2011年1月22日 樹木伐採
 2011年7月16日 植生管理の評価をする
 2011年12月11日 植生の学習とアズマネザサ刈り
 2013年2月16日 アズマネザサ刈り
※この他、かわさき自然調査団水田ビオトープ班として、補足的にアズマネザサ刈りを実施している。

今年度は1月の活動でコナラ、クヌギの萌芽更新を目指した伐採を行いたいと考えていて、この日は、そのための準備としての下草刈りを行うことにしました。

現地に向かう途中の階段には霜が降りていました。

萌芽更新地区の下側のデッキに荷物を置いて、作業範囲を確認してから作業を開始しました。
今回用意した道具は桑切鎌と刈込鋏です。好きな方を使ってもらいました。


刈っていたアズマネザサの茂みの中で、細い葉の裏側に、ジッと動かない越冬中のウラギンシジミがいました。


中間で休憩しました。
2009〜2011年に行ってきた高木の伐採によってギャップが広がり、様々な実生木が生育してヤブができています。 アズマネザサは毎年刈っている効果か、鎌で簡単に草と同じように切れましたし、灌木の茂みの中では、小さく、疎らになっていました。


後半の作業開始です。
実生のゴンズイが人の背丈を超えていました。 里山の雑木林の指標種の一つであるが少なくなっていると以前に聞いた記憶がありますが、ここではギャップができて明るくなってから沢山発芽してきました。
また、ムラサキシキブ或いはヤブムラサキでしょうか、これも広がって高さ1mを超える茂みをつくっています。
モミジイチゴ、ハリギリなども刈り取っていましたが、棘が手に刺さって不快です。
所々に点々とタマノカンアオイが見つかったり、マンリョウが赤い実をつけていました。 今年は気候の影響か、ヤブコウジの仲間は実が良くついています。


今日の作業は終了です。
生田緑地米の玄米オニギリと豆大福などでお茶を飲んでから解散しました。


今回は頼りになる水田ビオトープ班のメンバーが3人参加してくれ、後片付けまでやってくれました。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation