里山倶楽部
【2025/4/12 更新】

令和 7 年度第 2 回里山倶楽部
芝生広場のフデリンドウ、キクザキイチゲ保護のためのアズマネザサ刈り

日 時)2025年4月12日(土) 9:00〜12:00 晴
場 所)生田緑地 芝生広場
参加者)東 陽一、加登勇司、北川英樹、廣瀬朗子、政野祐一、吉澤正一
事務局)岩田臣生           計 7名

活動場所図
(上図)活動場所図

芝生広場は、昔は畑として利用されていたようですが、用地購入に合わせて、公園樹を植栽して、芝生広場として整備されたもので、年1回の草刈りが行われていました。
その頃は、広場の縁辺部には、かつての多摩丘陵に普通にあった在来種のフデリンドウなどが生育していました。
ところが、指定管理者制度が導入されたことで、縁辺部まで、徹底して草刈りがされるようになり、このような里山の植物の生育が危ぶまれるようになりました。
そこで、縁辺部にロープ柵を張って、そこは草刈りの対象から外してもらいました。
代わりに、私たちがアズマネザサ刈りを行わなければならないのですが、ここ数年、このアズマネザサ刈りを怠ってしまい、フデリンドウの生存が心配される状態になってしまいました。
これは拙い事態ですので、今回は里山倶楽部の活動として、芝生広場の縁辺部のアズマネザサ刈りを行うことにしました。
週末は樵という生活を楽しむようになっていた里山倶楽部のメンバーには物足りない活動だと思われたので、参加してくれるメンバーは少ないだろうと思いましたが、 常連になっていたメンバーが快く参加してくれて、パワフルな活動を展開してくれました。
お蔭で、縁辺部全域のアズマネザサ刈りは、余裕を持って、終えることができました。
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
フデリンドウはアズマネザサが繁茂していない場所に、少しながら残って、開花し始めていました。
ロープ柵の外側(広場側)でも、咲いているフデリンドウがありましたので、その周りには、目印のアズマネザサを立てました。
保護するなら、年1回のアズマネザサ刈りは継続することが必要だと思いました。
フデリンドウ
この日は、ロープ柵の中のアズマネザサは全て刈りました。
ナラ枯れなどで倒れていた樹木や落枝などについては、動かせる大きさのものは、アズマネザサなどの材と一緒に、別の場所に集めました。
ただ、流石に、倒れていたナラ枯れ大径木は動かせませんでした。
ハリギリ、モミジ、ヒメコウゾ、イヌシデ?などの実生は伐採するようにしましたが、コナラは残しました。
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
ロープ柵の外側(広場側)に生えて、咲き始めていたフデリンドウには、取り囲むように、50〜60cmのアズマネザサを踏みつけられないための目印に立てました。
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
木蔭は良いのですが、日向になると、暑さが厳しく、辛い作業になりました。
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部

暑くて辛くなってきたので、休憩して、記念の集合写真を撮りました。
里山倶楽部

丁度、ヤマルリソウが開花盛期でしたので、皆で観察しました。
ヤマルリソウは、日本固有種で、福島県以西の本州、四国、九州に分布する植物です。
多摩丘陵は 200〜70万年前の上総層群と呼ばれる砂や粘土が海に堆積してできた地層ですが、相模原台地は 10万年前以降という新しい地層なので、 相模原台地では見られない植物だと聞いたことがあります。
大都市の市街地の中にある都市公園の生田緑地には、山地生の植物が多く残っていることは、生物多様性の観点から重要なことだと思いますが、 更に、ヤマルリソウの県内分布が示す、地質年代の違いなどは、興味深いことだと思います。
ヤマルリソウ
厳しい日向での活動を続けて、芝生広場下方縁辺部のロープ柵の中のアズマネザサ刈りを済ませてしまいました。
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
ロープ柵の中でも、コナラの実生は雑木林の補植に必要になるかも知れないと思い、コナラの実生は残しておいた辺りのアズマネザサ刈りも終わりました。

時間的には、まだ余裕がありましたので、キクザキイチゲの生育地辺りのアズマネザサ刈りも行うことにしました。
キクザキイチゲの花は観察できませんが、独特の葉を観察してもらい、これを保護したいことを伝え、周辺のアズマネザサ刈りをお願いしました。
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
里山倶楽部
芝生広場上雑木林は、新緑に包まれていました。
里山倶楽部

ここまで活動しても、少し時間に余裕がありましたが、整備事務所裏に戻って、道具の手入れを済ませて、解散しました。
帰り道の園路脇には、ヤマツツジが咲き始めていました。
ヤマツツジ

かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for nature Research and Conservation

/