令和 5 年度第 7 回里山倶楽部 <萌芽更新地区のアズマネザサ刈り> 日 時)2023年9月9(土) 9:00〜11:30 小雨 場 所)生田緑地 萌芽更新地区 参加者)伊澤高行、加登勇司、北川英樹、野下智洋、廣瀬朗子、政野祐一、吉澤正一 事務局)調査団水田ビオトープ班班長 岩田臣生 里山倶楽部は、生田緑地の自然を守る活動を、レクリエーションとして楽しみたいと考えている市民が行っている、生田緑地の生物多様性保全のための植生管理ボランティアです。 前回の里山倶楽部は 7/8(土) でしたから、2ヶ月の間、活動を休んでいました。 この日は、台風13号が通過後の晴天を期待していましたが、朝には止むという天気予報に反して、小雨ながら降り続けていました。 しかし、気温は下がって、気にならない程度の小雨でしたので、気持ち良く活動できました。 活動は、生田緑地整備事務所裏を出発してから、ピクニック広場〜萌芽更新地区下〜ハンノキ林の木道〜ハンノキ林東地区の尾根路〜萌芽更新地区上の木道と歩いて、 周辺を観察し、2021年12月〜2023年2月に大径木伐採を行なったハンノキ林東地区(伐採更新地区)の植生の状態などを観察し、 また、今秋から伐採更新に着手することを考えている地区のナラ枯れ大径木の伐採などについての意見交換を行ってから、萌芽更新地区上の木道に移動して、萌芽更新地区のアズマネザサ刈りを始めました。 萌芽更新地区は、1998年末に、伝統的な里山管理である萌芽更新を観察できる雑木林を整備する目的で、1200uのコナラ林を国庫補助事業で伐採、補植して、萌芽更新地区と名付けた地区です。 2008年1月に、萌芽更新地区を対象に市民部会を開催し、その時点の状態について意見交換を行い、萌芽更新が失敗したことを確認し、 その後の植生管理計画として、萌芽更新を観察できる雑木林をつくるための伐採更新を、改めて実施することを合議しました。 そして、伐採更新の経験が無い市民が、「やって、みて、考える」を基本に、ノコギリを使って、一本一本の大径木と向き合って、里山倶楽部の活動として伐採してきました。 萌芽更新地区では、伐採した樹木からは萌芽枝が成長し、明るくなった林床からは多様な樹木が発芽、成長し、新たな林相の雑木林が育っています。 雑木林の林床が暗くなることで、アズマネザサの勢いは弱ってきましたが、適度な頻度のアズマネザサ刈りは必要だと思います。 萌芽更新地区に繁茂していた大径木の伐採が進んで、林内が明るくなると、1998年末の萌芽更新地区整備事業によって補植されたクヌギが急に成長し始めて、胸高直径が 20cmを超えるようになりました。 クヌギは萌芽更新し易い樹木のはずですが、これ以上太くなってしまうと伐採するのが大変ですので、2017年1月から、萌芽更新目的の大径木伐採を始めました。 伐採したクヌギは殆ど萌芽し、萌芽枝が育っていますが、中でも、2017年2月に萌芽更新を目的に伐採したクヌギは、当該地区のシンボル的な存在になると思い、注目していました。 そのクヌギの伐り株には、キノコが観られるようになり、萌芽枝の成長に差が目立つようになっていました。 元々2本の株立ちだったので、株立ちで育てようと考えていましたが、これだけ差がついてきたら、元気な枝だけ残して、細い枝は伐った方が良さそうです。 萌芽更新の"もや分け"は、萌芽枝を間引いて、本数を減らして、残りを大きく育てることだと思いますが、無理やり間引くのではなく、その樹木自身が選ばなかった、育ちの悪い枝を伐れば良いと思います。 △10:30 WBGT 23.5、気温 24.4℃、湿度 90% 暑い夏は活動時間を短くして、9:00〜11:00 で計画することにしました。 この日は気温が下がっていましたが、11:00 を過ぎたので、集合写真を撮って、活動を終えることにしました。 出会えた生きものは少なく、雑木林の中では ジョロウグモ、萌芽更新地区上の木道沿いの明るい所で セスジツユムシ、オトコエシなどが観察できました。 数年隆盛を誇っていた萌芽更新地区上のオトコエシは衰退して、1株が開花しているだけになっていました。 |