令和 4 年度第 15 回里山倶楽部 <ハンノキ林東地区の伐採更新(アズマネザサ刈り)> 日時 2022年10月 8(土) 10:00〜13:00 曇 場所 生田緑地 ハンノキ林東地区 参加者 伊澤高行、加登勇司、北川英樹、吉澤正一 野下智弘(2回目)、中山正之(初)、中村康造(初) 事務局 岩田臣生、岩田芳美・・・9 名 ハンノキ林上のデッキで、生田緑地の湧水、ハンノキ林とコナラ林の関係などについて、説明しました。 ハンノキ林東側隣接地の雑木林は、かつては、生田緑地の雑木林を代表するコナラ林の一つとして評価されていましたが、急斜面だったため、特に保全のための植生管理はしていませんでした。 高さ3〜4m、径2cmものアズマネザサが密生して、ウグイスが営巣することもありました。 斜面にはコナラ、谷底にはハンノキという明確な棲み分けがなされていて、地形と植生の関係を研究している研究者はモデル的な場所として活用していたようです。 谷底には湧水が流れていて、ハンノキ林保全活動としては、浅い湿地として、ゲンジボタルを初め、多様な水辺の生物の棲息地として保全活動を行っています。 ハンノキ林の木道沿いのコナラ大径木に、カシノナガキクイムシの穿孔によるフラシを見つけた 2018年夏が、生田緑地にカシノナガキクイムシが初めて侵入した時だと思っています。 ハンノキ林に隣接する当該地区(A07-12)や、その南側のコナラ林(A07-11)では、少しずつ侵略されて、ナラ枯れコナラが増えてきました。 (A07-11)については、倒木が来園者に加害する可能性があることから、行政が、今冬、伐採してくれることになりましたが、 既に起こっている倒木のように、園路に倒れる危険は無いと思われる当該地区(A07-12)は、行政による伐採対象にはなりませんでした。 しかし、私たちは、遷移に任せてしまうのではなく、落葉広葉樹林として再生したいと考えて、昨年(2021) 12月〜今年3月にかけて、アズマネザサを刈り、常緑小径木を伐採してきました。 そして、これからナラ枯れ大径木の伐採を始めます。 林床は明るくなっていますが、アズマネザサの繁茂は著しいので、実生が育つためには、アズマネザサ刈りが欠かせません。 その間、いつ倒れるか分からないナラ枯れ大径木を放置しておくことは、余りに危険です。 大径木を伐倒して、この危険を排除して、7年間、新たな実生を育てるための活動を行うことを選択しました。 活動対象のハンノキ林東地区の上の園路で、当該地区の植生管理計画について、また次回以降、ナラ枯れ大径木を伐採することなどを説明しました。 そして、今回は、その大径木伐採の準備としてアズマネザサを刈るのだということを説明しました。 使用する用具は桑切鎌です。 これでアズマネザサを刈る時には、斜め切りをしないことが大切だと説明しました。 実際に始めてみると、直径1〜2cmのアズマネザサなどは、地際で水平に、鎌で伐ることが困難なものがありました。 新人の皆さんには、そのようなアズマネザサは残置しておいてよいと伝えました。 ベテランの皆さんは、ノコギリも携帯していたので、ノコギリなどを使っていました。 今回の活動で分かったのですが、ナラ枯れ大径木が2本倒れていました。 当然のことながら、ハンノキ林に倒れ込んでいました。 ナラ枯れ大径木の伐倒は、次の大径木から始めることになりそうです。 (地区南端部のナラ枯れコナラ) (地区西端部のナラ枯れコナラ) (地区中央部のナラ枯れコナラ) コナラやヤマザクラの実生がありました。 小さなヒヨドリバナが咲いていました。 園路沿いには、カシワバハグマが咲いていました。 今回、初めて参加した新人が、活動中に サワガニを見つけて、感動していました。 生田緑地の雑木林では、水辺から離れていても、サワガニが棲息しています。 園路端に置いたリュックの上に、ササキリが現れました。 園路柵の手摺に、セスジナガカメムシが現れました。 活動を終えて、記念の集合写真を撮りました。 生田緑地整備事務所裏に戻って、桑切鎌などの手入れを行って、解散しました。 当該地区は生田緑地の中でも一際急な斜面ですが、ベテランの域に達している参加者4人に、より若手の新人3人が加わって、短い時間で、無事に終了しました。 |