第 3 回里山倶楽部 B (東生田 2 丁目地区を歩く) 日時 2019年 6月 8日(土) 10:00〜13:00 場所 生田緑地 参加者 東 陽一、岩渕裕輝 (かわさき自然調査団市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美 4 名 今回の里山倶楽部Bは、生田緑地東生田 2 丁目地区の自然観察(宝探し)を行いました。 生田緑地の中央地区と東地区は、都市計画街路で隔てられているばかりでなく、元々、東生田 2 丁目地区は住宅地として造成された地区ですから、 植生管理を考えると言っても、いきなり中央地区と同じように考えていくことは問題があるかも知れません。 求められている課題は回遊性の向上であり、その解決策の一つが中央地区とバラ苑を結ぶフートパスの構築だろうと考えています。 快適で、歩きたくなるようなフートパスをつくっていくことが、具体的な解決策であり、課題解決の一歩になるだろうと思います。 将来的には、それを検討することになるだろうと考えながら、今回は、地域を観察して歩き、取り扱いに注意すべき宝を探すことにしました。 生田緑地ビジターセンター前に集合してから出発しました。 ウメの実がたわわに実っていました。 上総層群飯室層の露頭がありましたが、風化が進んでいるように感じました。 庭に植えられていたと思われるヒバに実が着いていました。 道路は狭いのですが、中央地区側の雑木林が良く見えます。 「生田緑地飯室西地区急傾斜地崩壊危険区域」の案内がありました。 ヤブの中で、ユスラウメの実が熟していました。 住宅跡地に、ムラサキツユクサが咲いていました。 いきなり舗装路が終わって、街の景色が広がりました。 更に、一際狭い未舗装の道が方向を変えて一区画分続いていましたが、 その突き当りで、道路は通行止めになっていました。 2014 年 11 月からモウソウチクの除伐を行っている飯室山南地区を眺めました。 道路上に、タカチホヘビ幼蛇の死骸がありました。 庭に植えられたベニバナチャが咲いていました。 垣根に植えられたウキツリボクの葉に、ラミーカミキリがいました。 ウキツリボクは、チロリアンランプとも呼ばれる、ブラジル原産のアオイ科の植物です。 ラミーカミキリは、イラクサ科のカラムシ、ヤブマオ、アオイ科のムクゲなどを食草とするカミキリムシです。 原産地はインドシナ半島、中国、台湾で、国内では西日本では普通に見られるようになっていましたが、生田緑地でも少ないながら毎年見られるようになっています。 ばら苑に向かう道は整然として良好に見えますが、歩いている時の景観として歩行者を楽しませる設えになっているかは疑問です。 一休みして情報を記録し、樹林の道を歩く準備をしました。 雑木林の中では、アオゲラが鳴いていました。 昨年秋の台風によって折られたコナラが無残な姿を見せていました。 先ほど、通行止め措置がされていた場所まで、ヤブ状態の尾根路を降りて行こうとしましたが、昨夜の雨に濡れたアズマネザサの茂みのヤブ漕ぎであったため、 途中で断念して、整備された道まで引き返しました。 この尾根道は、片側が踏み跡の際まで崩れている区域がありました。 また、分岐点付近のヤブの中には、ホームレスの小屋がありました。 分岐点にもどってから、整備された道からの自然観察を続けました。 相変わらず、アオゲラの声が続いていました。 雑木林の遷移は進んで、繁みも濃くなっているように思いました。 また、この辺りの林床は裸地が多くなっていました。 林縁は明るくなり、道路脇に、ヤマシロオニグモが大きな円網を張り、カタハリウズグモが葉陰の水平網にウズ状に隠れ帯をつけ、オジロアシナガゾウムシがクズのツルの先に止まっていました。 道路に面した崖面にコマツナギが広がって咲いていました。その辺りを、ルリシジミが数頭、飛んでいました。 「生田飯室東地区急傾斜崩壊危険区域」の案内がありました。 たった 4 人の里山倶楽部B(東生田 2 丁目地区中央部の自然観察)を終えて、ビジターセンターに移動し、休憩、意見交換を行いました。 地形的にも、中央地区同様に急峻であるばかりでなく、住宅地と樹林が接していることを考えると、例えば、大木化した樹木の伐採だけ考えても、容易ではないと推察されます。 残念ながら、今回は、宝物と言えるようなものは見つからなかったという評価となりました。 改めて、タカチホヘビ幼蛇の死骸の写真を撮って解散しました。 |