萌芽更新地区を観察して、目標植生について考える
日時 令和元年(2019) 5月 18日(土) 10:00〜13:00 場所 生田緑地萌芽更新地区、市民活動室 参加者 東 陽一、加登勇司、北川英樹、清田陽助、藤間X子、矢口菊子、吉澤正一、山本栄行 (かわさき自然調査団市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美 合計 10 名 最近の里山倶楽部Bは、モウソウチク除伐、大径木伐採とか、危険も伴う重労働ボランティアというイメージができてしまいましたが、そんな活動ばかりではなく、多様な活動の選択肢を用意したいと思っています。 今回の里山倶楽部Bは、萌芽更新地区の植生管理について振り返り、今後の植生管理を考えてみることにしました。 市民活動室に集合して、先ず、次の@、Aについて、できるだけ共通認識を得ることを試みました。 @萌芽更新地区の管理経過の確認 A植生変化の概要 ●1998年の伐採後 10 年間(前期という。)の植生調査結果と最近数年間(今期という。)の植生調査結果を比較してみると、 前期では 18% が帰化植物であったのに対して、今期では 3% が帰化植物だった。 帰化植物が少ないということは、雑木林としての更新・再生が進んでいると考えられる。 ●今期については 2 年間調査したが、前期では 4 年間かかった更新が、今期では 2 年間で起こっている。 ●この違いは、前期が 1 度に 1,200平方メートルを伐採したために広い裸地が生じたが、 今期は 10 年間かけて少しずつ伐採してきたので裸地が生じなかったためではないかと思う。 ●また、前期では 50 本もの苗木を持ち込んだが、今期は持ち込みが無かった。 それから、萌芽更新地区に移動して、B、Cを行いました。 B現況植生、高木層、萌芽株、低木層などの観察 C皆さんが樹種不明とした樹木には名札をつけること その後、市民活動室に戻って、休憩し、D、Eについて意見交換を行いました。 D現況観察で感じたこと、手を入れるべきと思ったことなど ●オカタツナミソウが沢山咲いていた。 ●現況植生は良好な状態にあると思う。 ●萌芽株の周りのアズマネザサ刈りを行ってきた。 ●低木層が繁り過ぎてきたと感じている。林内に入りたいという気にはさせてくれないが、萌芽再生には良いのかも知れない。 ●植物、樹木についての知識が全くなかったので、今日の活動は良かった。 ●まだまだヤブじゃないかという人に対して、こんなに生きものが沢山棲んでいるということを発信すると良い。 ●生物多様性を考えると理想的な良い状態だと思う。 (上)オカタツナミソウが多数咲いていました。 (上)ハンショウズルが咲いていました。(事務局も初めて知りました。) (上)アカサシガメがいました。 (上)マイマイガ幼虫をはじめ、数種の毛虫がいました。 (上)ヤマトシリアゲがいました。 (上)ヒラタアブの仲間の幼虫がいました。 (上)ジョウカイボンもいました。 (上)伐採してきたクヌギの萌芽は順調に成長しています。 E今後の目標植生 ●生田緑地では薪や炭の材が必要なのではないので、伝統的里山管理といっても、材の生産性を問題にする必要はない。 ●生物多様性を重視して、高木以外の植物、更には動物も大事にする管理が良い。 ●棲息している生きもの情報を適切に発信していくべき。 |