皆伐更新地区 8 年目の植生管理
日時 平成30年(2018) 11月 3日(土) 10:00〜15:00 快晴 場所 生田緑地飯室山南皆伐更新地区 参加者 6年目 額谷悠夏 4年目 鈴木麻美、眞之介(小4) 3年目 池上幸一、池上陽子、池上豪一郎(小2) 2年目 新井みどり、新井康介(小3)、杉本 孝、貴子、杉本大知(小5) 1年目 小野寺まなみ、柚月(小6)、花柑(小4)、佐藤奈緒、天音(小2) (かわさき自然調査団市民部会事務局)岩田臣生、岩田芳美 18名 東口付近のリュウノウギクが咲いていました。 この日の活動は、午前中だけの家族も、午後だけの家族も、一日参加の家族もありましたので、活動を始める前に集合写真を撮りました。 2006年頃の生田緑地ではウラナミアカシジミには出会えない状態になっていました。 これは雑木林が老熟し、若いコナラ・クヌギが減ってしまったためという認識からパッチワーク的に若齢林をつくる必要があると考えていました。 2008年10月の生田緑地植生管理協議会市民部会では飯室山南地区において現地会議を行い、この地区で皆伐更新を行うことを合議しました。 その目的はコナラを主体とする若齢林をつくることですが、同時に、生田緑地として伐採更新の技術を習得しておくべきと考えたからです。 当時、生田緑地における伐採更新の事例は 1998 年末に国庫補助事業として伐採した萌芽更新地区がありましたが、これを成功事例と評価する人を知りません。 このため、皆伐更新を進めることについては、行政(当時は北部公園事務所)としては難しい決断だったと思いますが、 「萌芽更新地区については更新管理を行う組織が無かったけれども、今は市民部会ができたから大丈夫」と担当職員は言って予算化を進めてくれました。 対象地区については、草本層に密生していたアズマネザサを刈り払い、毎木調査を行い、皆伐更新地区の範囲 400u を決め、また周辺地域の事例調査も行って、計画を進めました。 問題は伐採後の管理でした。 萌芽更新に頼ることなく、自然に発芽してくる実生を育てる更新を行うことについては、樹林と呼べる状態になるまでに 7 年を要するとの専門家の話を聞きましたので、 子どもたちを巻き込んで長期間、継続的に活動してもらうことを考えて里山倶楽部Aという仕組みを考案しました。 その結果、当該皆伐更新は自然発芽した多様な樹木を育てる方法で達成することができ、多様な構成種による若齢林を実現しました。 この若齢林の管理については、昨年は 6 月と 12 月の 2 回の里山倶楽部Aで管理しましたが、年 1 回の活動で可能と判断し、今年は今回のみで考えています。 活動内容は、里山倶楽部参加者にはアズマネザサ刈りをお願いし、 台風による落枝の片付け、混みあった枝の剪定、低木層(イヌザンショウ、ヤブムラサキなど)の剪定・伐採などは事務局が行いました。 林内の様子は、若齢林とはいえ、樹林内の夏草の繁茂は弱まっていることが感じられました。 まだ緑色のシオデの実、ヒヨドリジョウゴの実、ツルグミの白い花などが見られましたが、草本は枯れようとしていました。 子どもたちは、活動中、オオカマキリの卵鞘を数個見つけました。 里山倶楽部Aでは、子どもたちは自由に遊んでいても良いと考えていますが、女の子は母親と一緒にアズマネザサ刈りをしてくれました。 アズマネザサ刈りを進めると、シオデの緑色の実が目に飛び込んできました。 皆伐更新地区周囲のコナラ大木は、皆伐時は頂部にしか枝葉をつけていませんでしたが、今では幹の下の方にも枝葉をつけています。 これらのコナラは萌芽更新可能な状態になっているかも知れません。 お昼になって、午前中だけ活動の参加者は帰りました。 朽ちた伐り株の上に野鳥の羽が散乱していました。 オオタカの食痕でしょうか。この若齢林を猛禽類も利用していることが分かりました。 午後の活動を終える時にも集合写真を撮りました。 |