萌芽更新地区のアズマネザサ刈り
日時 平成29年(2017) 9月 2日(土) 10:00〜14:00 直前まで小雨、昼から晴 参加者 7年目 工藤真貴子(午前) 6年目 山下淳也(大1) 5年目 山下佳保里、真奈実(中1)(午後) 4年目 山下まい、ねのは(小4)(午前) 2年目 池上幸一、陽子、豪一郎(小1) 藤村望美、渓(小1)、花(幼児) 1年目 杉本貴子、孝、大知(小4)(午前) (生田緑地運営共同事業体)額谷悠夏 (かわさき自然調査団市民部会事務局) 岩田臣生、岩田芳美 18名 台風15号の影響で降雨が続き、生田緑地は活動直前まで小雨が降っていて、集まった参加者に活動中止を説明すべきか迷っていました。 ただ、折角、生田緑地にきたのであれば、傘を差しての自然観察に終わってもいいと考えました。 皆伐更新地区は、年 1〜2 回の活動で十分な状態になりました。 そこで、今年から、里山倶楽部Aの主要な活動対象は萌芽更新地区にしました。 萌芽更新地区 A06-1a 区は、2007年の市民部会での話し合いに基づいて、「萌芽更新地区」と呼べる樹林を目指して樹林をつくり直すために、 ムクノキ、キリ、アカシデ、アカメガシワ、ヤマグワ・ヒメコウゾなどの伐採を行って、林床を明るくする活動を行った結果、 1998年末の伐採時に捕植したクヌギが元気に成長し始め、直径が 30cm 程になったので、改めて萌芽更新を目指して、今年 1〜2 月に、A06-1a 地区の大径木の伐採を行いました。 A06-1b には伐採していない捕植クヌギがありますが、これらは、今年 10 月〜来年 2 月までに伐採したいと考えています。 これらの伐り株の大部分からは 5〜6 月に萌芽が見られ、沢山のアブラムシの攻撃を受けましたが、この猛攻を乗り越えた萌芽枝の保護、それから実生コナラの保護のために A06-1a のアズマネザサ刈りを行うことにしました。 併せて、9月であることから、特別な植物の花を見られるようにできるかも知れないと思い、A06-1b のアズマネザサ刈りも一部は実施しておくことにしました。 一旦、A06-1a 区の上側の木道に集合して、この日の活動について説明しました。 当然のことながら、辺りはしっかり濡れていましたし、殆どの参加者はレインコートを脱ごうとはしませんでしたが、活動を開始することにしました。 オトコエシが咲いていました。 A06-1a の下側の園路沿いも、アズマネザサ、ヤマグワなどを刈りました。 A06-1b 地区の一部の希少種保護のためのアズマネザサ刈りは、頼りになる 3 人にお願いしました。 雨で濡れているので、子どもたちには不向きです。 お昼に集合し、集合写真を撮りました。 午前だけ活動の参加者は帰って、残る人はお弁当を食べました。 ビロードハマキの幼虫が、いつの間にか、手袋についていました。 午後から参加の二人が合流しました。 コブシの実生に、大きな緑色の昆虫を見つけて大騒ぎになりました。 見つかっているのに逃げようとしないので、小さな子どもが恐る恐る手を伸ばして触れることができました。 サトクダマキモドキだと思ったのですが、後で写真を見たら前脚腿節が赤いので、ヤマクダマキモドキ♀だったようです。 生田緑地では山地の植物が多く見られますが、山地の種とされる昆虫もいます。 しかし、萌芽更新地区の小さな実生で出会うとは思いませんでした。 神奈川県昆虫誌2004には、ヤマクダマキモドキは、麻生区黒川(1982, 神部) の記録があるものの、生田緑地の記録はありませんでした。 更に、サトクダマキモドキについても、多摩区登戸新町(1994, 神部) の記録があるのみであり、アシグロツユムシ、セスジツユムシなど、 ツユムシ科の昆虫の川崎の記録は殆ど無いことが分かりました。 萌芽更新地区下側の園路沿いの部分の草刈りも行いました。 アズマネザサや、ヤマグワ(またはヒメコウゾ)、オニグルミなどの実生を刈りました。 枯れかけたタケニグサ、青い実をつけたカラスウリ、花盛りのオニドコロなども適度に刈りました。 保護したいのですが、ツルニンジンの一部も、仕方なく刈りました。 何やら、小さなボール状のものが見つかったので、何だろうと割ってみました。 晴れてきたら、日向は暑くて、作業は辛くなりましたので、早目に活動を終わりにしました。 ・萌芽更新地区 A06-1a 区では、今冬、直径 20〜30cm の樹木を伐採しました。 その殆どは、1998年に捕植されたもので、概ね、20齢でしたので、大部分の伐り株から萌芽して、その萌芽枝が大きく茂っていました。 萌芽しないだろうと思っていた 47齢の伐り株からも萌芽していました。 ・里山倶楽部Aの皆さんはアズマネザサだけを刈ってくれるので、活動した後を見ると、ヤマグワなどの実生が残されていたり、ダンドボロギク(外来種)が大きく立ち上がって、 花を咲かせていたりしました。 でも、これは有難いことで、除伐すべきものでも、生えていたことを把握して、考えて、除伐することができます。 ・シデ類、ケヤキ、ムクノキなどの実生を見分けるのは容易ではないので、刈らずに残して、育ててから判断したいと思います。 ・アズマネザサに隠れて、沢山のホウチャクソウが実をつけていました。これは、できるだけ刈らないように注意しました。 伝統的里山管理としては、これらは全て刈り取っていたと思いますが、私たちは、そこまでシビアに萌芽枝の成長のためを考える必要は無いと思います。 それよりも、林床植生の多様性にも配慮することが、植生管理を楽しくすることになると思いますし、 伝統的里山管理を行っている樹林を観察できる場所にするという 2008 年 1 月合議を考えれば、林床に咲く野草はあった方がいいものだと思います。 ・活動中に、ナガサキアゲハ♂、カラスアゲハ♀などが現れて、萌芽の周りを確かめるように飛んでいました。 なんとなく大きく見えたのは、夏型だったからでしょうか。 |