日時 2006年11月12日(日)10:00〜12:40 晴、強風
場所 生田緑地ピクニック広場南側斜面( 集合は北部公園事務所前 ) 講師 倉本 宣(明治大学農学部教授、生田緑地植生管理協議会会長) 参加 井口実、尾形達也、久保田浩二、佐藤利奈、篠 清治、白澤光代、雛倉正人、前田 宏、美馬咲子、 吉澤トヨ(10名) 北部公園事務所 井上久子、鈴木修司、堀江 洋 (3名) 事務局 岩田芳美、岩田臣生 合計16名 第2回市民部会は、ピクニック広場南側斜面に生えているアオキ、シュロ、ヤツデについて、 その位置、樹高、根元直径、葉張り、樹齢などを調べて、本来の雑木林には無かった、これらの樹木について考えることにした。 まず、生田緑地の西口から東口に至る幹線路のピクニック広場に面した肩の部分3ヶ所からロープを最大傾斜方向に垂らした。 ロープの間隔は10m。このロープには予め2m間隔で印をつけておいた。 次に、各ロープの4m毎に、水平方向左右2mの幅で白いスズランテープを張り、ペグで固定した。 このスズランテープを目印として4m四方の区画をピクニック広場まで帯状につくった。 3本の帯状区を西側からA、B、Cと名付けた。各帯状区は、各々7、7、8区画あった。 斜面は上端から3区画ぐらいまでが急勾配であった。 当日朝、ロープをセットした。 会長挨拶、自己紹介、作業説明を行った。 北部公園事務所2階に場所を移して、今日のデータを整理して、皆でデータを共有し、結果について考察した。 倉本先生から、今回の調査の様に帯状に区画を設定して調査する方法を「ベルトトランセクト」又は「帯状区」という話があった。 各区画毎に、何が、何本生えていたかを発表し、それに基づいて、ここの林について考えることにした。 この方法は、環境がある一つの方向に大きく変化している時にとる方法であるとの話があった。 ここは地形が急に変わっているところだ。 どんな環境がベルトトランセクト(帯状区)によって変わっているかというと、高さだけでなく、他のことも変わっている。 方形区はいくつか。 (Bは7つ、Cは8つ、Aは7つ。) (続いて、シュロが生えていなかったことを確認してから、アオキとヤツデについて、各方形区の数を確認し、黒板に書き出した。) (それが次の表である。)
(表の区画番号1が最上部、7が最下部のピクニック広場の位置です。また、●は最大の木があった方形区です。) 個体数の多い方形区と最大の個体があった方形区が一致する傾向が見られた。 このことに関して、個体数の多いところに大きな個体があるのはどうしてか、推測でいいので、仮説があったら発表する様に、倉本先生から提案があった。 (意見) 鳥が糞を落とす場所ではないか。 地形的には一番急な部分になっていた。 アズマネザサなど競争相手が少なかったのではないか。 下の方に無いのは草が密集していたためではないか。また、鳥の糞が落ちない場所ではないか。 腐葉土が溜まっていて、発芽しやすい環境だった。
(表の区画番号1が最上部、7が最下部のピクニック広場の位置です。また、●は最大の木があった方形区です。) ヤツデも斜面の上の方にあって、下の方には無いという傾向があった。少し違うのは、範囲が狭かったり、個体数が、アオキはA、Bが多かったのに、ヤツデはCが多くなっていた。 2つの種を重ね合わせてみると、片方だけでは分からなかったことが分かることがある。 ヤツデの場合も、個体数の多い方形区に大きな個体があるという傾向が見られた。 林の下にある木のことを考える時は、下の木だけで考えるのではなくて、上の方の木のことを考えると分かりやすい。 上に枝を張っている木があると、鳥が糞を落とす機会が高くなる。 こういうことを調査するためには今日の調査では不十分で、上の状態を調査する必要がある。 樹冠投影図というものを描くことが多い。 実際に木を上から見ることはできないが、木を上から見たとして、どの様に葉が分布していて、どこに根元があるかを描く。 これはまたいつか、やりたいと思うが、今日の作業より大変。 この調査区については1年間おいてどんな変化があるかを見たいと思う。それには今日ぐらいの作業量が適当と思う。 (意見) 1年経っても、余り変化する様には思えない。 B班の区域では、実生のシラカシなどが見られたので、これらの変化も楽しみ。この他の種も3番の方形区に集中していた。 シュロが無かったのは何故か。シュロも鳥で増えるのか。木道沿いにはシュロが生えている。 |