生田緑地の生物多様性保全活動


ヨシ原地区の枯れヨシ刈り  
日時:2025/4/15(火) 9:00〜12:00
活動参加:岩田臣生
場所:生田緑地 ヨシ原地区(B08)

谷戸の末端には、ヨシが茂っている場所があります。
ここは、2007年に、北部公園事務所から相談されて、植生管理を始めた場所です。
当時は、枯れたヨシの上を、フジ、カナムグラ、カラスウリなどのツルが覆っていて、気持ち悪いだけでなく、タバコの吸い殻などによる火事が起こる危険性があるということで、 町内会から北部公園事務所に対して、草刈りの要望がなされたようでした。
北部公園事務所では、ホタルの里整備工事後の管理については、草刈り程度を考えていたようですが、1回目の草刈り後に、開花を楽しみにしていたのに、 刈られてしまったという苦情が来園者から出されたり、ホタルが消えないようにしなければならないという課題もあり、調査団が保全管理を行うことになりました。
谷戸の末端地区は、ホタルの里整備計画では、集会施設やトイレ、駐車場などが計画されていましたが、用地購入ができなくなって、計画変更され、 工事の対象にはならずに、放置されていました。
谷戸に再生した田圃の周辺については、調査団水田ビオトープ班が保全管理に当たっていましたので、相談があったのですが、 この場所については、足を踏み入れたこともありませんでしたので、調査団として、問題の枯草を刈り払って、現状を確認し、どのように保全するかを考えることにしました。
その後、毎春1回、ヨシが芽吹く前に、ヨシ刈りを行ってきました。
冬期は、小さな冬鳥が安心して過ごせる場として、昆虫にとっては越冬の場として、利用してもらえれば良いと考えています。

谷戸を歩いていたら、ハンノキ林には、中国原産の外来種であるシラユキゲシが7本、木道沿いに白い花を咲かせていましたので、除草しました。
地下茎までは、掘り取ることはできませんでしたので、これは見つけたら採るを繰り返すしかないと考えています。

ハンノキ林の低木層〜草本層は、しっかり刈っていたと思いますが、すっかり緑葉の世界になっていました。


上の田圃の下、木道が大きく左に曲がる辺りに、中国原産の外来種であるセリバヒエンソウが咲いていました。


ヨシ原地区に到着しました。
木道から降りた所に、昨年倒れたナラ枯れ大木が通路を塞いでいました。

ヨシ原地区は、奥のヨシが繁茂する場所と手前のカサスゲが繁茂する場所に植生が分かれています。
カサスゲが繁茂する側には、北部公園事務所が植えたハンノキが、数回の萌芽更新を経て、残っています。
外来種のハナニラが白い花を咲かせているのが、木道からも見えます。


当該地区のヨシ刈りは、一人で済ませられる広さではないので、真っ直ぐ、住宅地に隣接している側に入って、そこからヨシ刈りを始めました。
住宅に隣接している部分だけでも、早く刈ってあげたいと思いました。








今回、枯れヨシを刈っていて、下に敷かれた枯れヨシが余り腐植していないことが気になりました。
雨が少なかったのか、思っていた程には湿地になっていないようです。
毎回、刈ったヨシが同じ場所に積み重なって、腐植してくれないとなると問題です。
ある程度綺麗に束ねられる部分については、現地から取り出して、有効利用を考えなければならないのかも知れません。

木蔭で一休みしたら、日陰をつくってくれていた樹木に花?が咲いていました。


ヤトセスジジョウカイがヨシに止まっていました。


消えたと思っていたニリンソウが生きていました。


カサスゲの花は盛期を過ぎたようで、鮮やかな黄色の花粉は数本に見られただけでした。


帰り道の上の田圃では、アズマヒキガエル幼生が元気に動き回っていました。


かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation