①菖蒲池北崖面の植生管理の現地協議
②下の田圃の草刈り
①菖蒲池北崖面の植生管理の現地協議
日時：2024/12/24(火) 9:0～9:20
活動参加：
共同事業体（三門、髙木）
自然環境保全会議（岩田臣生）
種子植物班（佐藤）
シダ植物班（大貫、田村）
場所：菖蒲池北中央園路
対象：中央園路北側崖面
生田緑地東口を入って、左側に、生田緑地東口ビジターセンターを見て、中央園路を進むと直ぐに、右側に、日本民家園入口があります。
そこからクスノキの辻（三叉路）までの間の中央園路右側は、崖になっています。
この崖面には、コモチシダ、ホラシノブなどのシダ植物、マルバウツギ、リュウノウギクなどが分布しています。
ホラシノブは、シダ植物班では、研究調査を行いながら、保護のための植生管理を継続してきました。
東口から中央広場に至る中央園路は、散歩を楽しくする要素が少ないため、５月に咲くマルバウツギ、10～11月に咲くリュウノウギクなどの花は、貴重な存在だと思います。
また、コモチシダは、余程、環境が適合していたのか、勢力を拡大して、リュウノウギクなどの生育、開花を阻害するようになっているようです。
指定管理者から連絡があり、調査団の種子植物班、シダ植物班と当該地区の植生管理についての現地協議を行うので、参加してほしいとのことでした。
水田ビオトープ班として、行わなければならない活動がありましたが、朝の短時間、寄るだけで良いとのことであり、
生田緑地自然環境保全管理会議会長としての同席を求められたのだと受け止めて、参加しました。
2007年に始めた生田緑地植生管理計画では、調査団の活動を前提として、管理区分を(A21)として、この崖面下部についての植生管理計画を考えました。
この崖面端部では、大きくなった樹木によって、崖面が崩れることがありました。
この経験から、生育する樹木を大きくしないことを基本にしていたと思います。
この観点から、数年前に、大きくなった樹木の伐採が実施されています。
ただ、クスノキの辻に近い方にあった、サクラの仲間と思われる株立ちの樹木については、東口周辺の景観要素として重要な樹木だと思うので、
残してほしいとお願いして、残していただきました。
現状の植生、樹木についての調査は行っていませんが、ヤマグワの仲間やヌルデなど、伐採地に、競って生育してくる樹木が、ここでも競って育っているように思いました。
提案したのは、今冬の植生管理です。
マルバウツギは根元から 30cm、それ以外の植物は皆伐することを提案しました。
その上で、来年６月頃に、現地の状態を確認して、シダ植物の生育を保護する範囲を話し合って、決めることです。
年末の今、植物の縄張りを決めるのは、夏期の状態を観ていない者には無理です。
マルバウツギの来年の開花はなくなっても、草本やシダ植物が消えることは無いと思います。
シダ植物は根際で刈られたら消えてしまうとの意見がありましたが、この提案は、今回予定している植生管理についての提案です。
来夏、縄張りを決める時には、その後の植生管理についても話し合って、計画すれば良いと思います。
皆伐後は多様な植物が発芽してきて、植生管理は大変かも知れませんが、その時こそ、協力して植生調査を行って、10年後を目標とする植生管理計画を、
両班が中心になって立案してほしいと思います。
崖の上の方には、アズマネザサが繁茂していましたが、ナラ枯れを免れたコナラ大木は黄葉を輝かせていました。
現地協議では、崖の上の方は、１月に予定している植生管理には含めないで良いが、園路に向かって傾いているナラ枯れ木は伐採しておいた方がよいと発言しました。
今、地形図を見ていると、この島状の林地については、日本民家園に隣接していることもあるので、近い将来、皆伐更新など、長期的視点に立った植生管理を考える必要があると思いました。
   
②下の田圃の草刈り
日時：2024/12/24(火) 9:20～12:00
活動参加：岩田臣生
場所：生田緑地 下の田圃地区
中央園路北側崖面の植生管理についての現地協議を終えてから、倉庫に寄って支度をして、谷戸に降りました。
気温は一段と低下したようです。
数羽のキジバトが、静まり返った樹林で観察されました。
上の田圃の水は涸れて、一部に枯れ残った水が凍っていました。
田圃への導水路の途中で水漏れを起こしているのだろうと推測しましたが、この日は、下の田圃に直行しました。
田圃を覆っていたミゾソバやチョウジタデなどは枯れて、小さくちじれて、水面は殆ど見えないものの、堰からは水が流れていました。
背負い籠に入れて、持って来たウエイダーに履き替えて、先ずは、右側（隣地境界側）の畦沿いに、田圃の中の枯草と畦上の枯草を、合わせて、
田圃の泥の中に埋め込みながら進み、奥のヨシの茂みまで、水面を広げました。
それから、一旦、木道に戻って、一休みしてから、今度は、また堰から入って、畦沿いに左端に向かって、枯草を泥に押し込みながら進みました。
すると、厚さ 7～8mmの氷が張っていました。
今度は田圃の南側の畦沿いに、体で氷を砕きながら、枯草の上に載ったり、枯草を泥の中に押し込んだりしながら進み、中程まで辿り着きました。
木道から向かって、右側と左側の畦沿いに、枯れ草刈り（枯草を泥の中に鋤き込むこと）を進めました。
次は、田圃の中央部の枯草です。
ここには、空籾だけになって、枯れている稲もありました。
田圃の中で転げないようにと神経を使いましたが、下の田圃は二つに区切っていますが、そのうちの木道側の水域の枯草刈りは、何とか終えました。
ウエイダーの泥汚れは酷かったので、洗える場所が無く、そのまま、履き替えずに帰りました。
帰り道の萌芽更新地区は、落葉して、園路から冬木立が眺められるようになっていました。
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