生田緑地の生物多様性保全活動


夏の谷戸の水辺保全  
日時:2024/9/5(木) 9:00〜12:00
活動参加:岩田臣生、伊澤高行、田村成美、鈴木潤三(10:00〜)
場所:生田緑地 湿地地区、上の田圃地区など

この1週間の間にあった大雨は、谷戸の水辺には、大きな変化をもたらしていると予想して、谷戸に降りました。
そうは言っても、ピクニック広場からハンノキ林にかけては、草木が一段と育っていましたので、通行を遮るような枝葉を刈りながら降りました。
ハンノキ林の水流にも手を入れたいと思いましたが、ヤブ状態の所も多いので、ここは、次回以降としました。

先ずは、湿地地区から、点検・補修、カナムグラ刈りなどを始めました。
大雨のお蔭で、湧水量は増加し、流量は多くなっていました。
流量が多いので、水涸れは起こっていませんが、水漏れ穴になりそうな、小さな穴が多数ありましたので、泥上げを行いながら、塞ぐ活動を行いました。
湿地地区の水辺保全で注意しなければならないことは、泥上げなどを行う時に、一様に掘ってしまわないことです。
流れ易くすることではなく、流れ難くして、滞留時間を長くすることが大切です。
同時に、渇水期には、小さくても良いので、水溜まりが残っているようにすることです。
昔の失敗として覚えているのは、一様な水路にしてしまったために、降雨時に、軽い種子が全て流されてしまって、辺りから、その植物が消えてしまうということがありました。
幸い、種子を少し保存してあったので、何とかなりましたが、このようなことが無いように考えて、水路を保全しなければなりません。

一段目のノハラアザミの根元付近からの水漏れが大雨で復活していましたので、土嚢を置き直して、水漏れを止めました。

2段目の水路の泥上げも行いました。

3段目の2段目沿いの水路の泥上げも行いました。
ここは、水路というより、細長い水溜まりとして保全するのが良いと思います。
ここには、かつて、ヤマサナエのヤゴが棲息していたこともありました。
上の段から染み出してくる水もある水溜まりです。
2段目端部のウツギ、ヒメコウゾなどの低木は伐採する時期になっていると思います。



湿地地区の保全活動は完了していませんが、上の田圃地区も点検しなければなりませんので、上の田圃地区に移動しました。
大雨による洪水は、導水路ばかりか、上の田圃の上の段にも、新しい土砂を運び入れ、田圃には土砂が溜まっていました。
木道辺りの導水路の泥上げを行って、充分な導水を確保しました。
また、上の段の土嚢堰の前後に、大きな水漏れ穴が開いていましたので、これを塞ぎました。



上の田圃の上の草地も、下の草地も、ツリフネソウの開花時期になってきましたので、草地の植物を覆うように広がっているカナムグラや、 点々と生えていたヤマグワ、ヒメコウゾ、ヨシ、ススキなどを除伐、刈り取る活動を行いました。
この日の気温は 28℃くらいで、湿度は 80%弱でしたが、太陽光を受けての活動は辛く、やるべきと思った範囲の1割もできませんでした。
今夏のカナムグラなどの植物の繁茂は、想像以上に顕著でした。
一方、ツリフネソウなどは、暑過ぎるのか、他の植物に、棲息場所を奪われて、生育範囲が狭くなっていました。
この状況に対して、何ができるのかは、答えを出せませんでした。
体も疲れてしまい、活動を終えることにしました。
梅ノ木広場の柿の木の木蔭で、転がって、青空を眺めていたら、オニヤンマが数匹、飛んでいました。
この日は、カメラを忘れて来たので、生きものに出会っても、記憶に残すしかなく、楽しさ半減でした。



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