生田緑地の生物多様性保全 日時:2024/6/20(木) 9:00〜12:00 活動参加:岩田臣生、伊澤高行、鈴木潤三、田村成美 場所:生田緑地 稲目谷戸、芝生広場、芝生上雑木林、飯室山南地区 生田緑地整備事務所の外壁に、蛾が止まっていました。 上の方の蛾は、形からシャチホコガの仲間?のようでした。 下の方の蛾は、キノカワガ?のように思われました。 これらは、帰りにも、同じ状態で止まっていて、動いた様子がありませんでした。 ピクニック広場では、トモエソウが一輪咲き始めました。 ●9:00〜9:40 生田緑地ホタルの国のホタル・ランタン片付け ホタルの国のホタル・ガイド・ボランティアの活動が終了したので、少し休みたいと思っていましたが、 この日の活動について、水田ビオトープ班の木曜チームに意見を求めたところ、 ホタル・ランタンの片付けと谷戸の水辺の点検と保全を行いたいという答が返ってきました。 ホタル・ランタンの片付けは、今まで、誰もやってくれなくて、毎回の活動の後で1本ずつ持ち帰るといった方法で片づけることが殆どでした。 それを、進んで片づけると言い出してくれたのですから、喜んで、お願いすることにしました。 ホタル・ランタンは、太めのモウソウチクを選んで、1.0〜1.5mの長さで使っていますので、新しい材は、それなりに重いのです。 回収して、倉庫で乾燥させたら軽くなることが分ってからは、倉庫に置いておいて、修理しながら何回も使用するようになっていました。 しかし、昼間の景観としては、青々とした新しい材の方が良いと思います。 今年は、何とか間に合わせようと、当歳竹を使ったり、荒目鋸を使って、急いで作ったので、雑な仕上がりになりました。 何回も使用できるものではないので、廃棄することにしました。 立てたホタル・ランタンは、12本でしたので、3人なら、2本ずつ持って運ぶとしても、一人2回で完了します。 廃棄場所は竹林下としました。 積んであれば、様々な生きものが利用してくれるでしょう。 ●9:40〜 田村は、芝生広場のフデリンドウ保護のためのアズマネザサ刈りを行いたいというので任せることにしました。 ●9:40〜10:00 上の田圃地区 チダケサシがピンク色の花を咲かせ始めていました。 田圃への導水路のパイプの口が土砂に埋まって、水は木道下を広がって流れていました。 この土砂をすくい出して、パイプ経由で流れるように、手を入れました。 田圃には十分な水が広がり、苗も育っていると思われます。 オオシオカラトンボ(オス)が縄張りを張っていました。 畦には、キツネノボタンやカントウヨメナが咲いていました。 稲目谷戸右岸の水流は、城山下谷戸合流部まで、良い状態で流れており、所々からの草地への流れ出しも、目論見通りでした。 ●城山下谷戸合流部 城山下谷戸合流部には、昔の様にミョウガが広がっていました。 再生しようとしている湿地の水辺には、大雨の効果でしょうか、水面が広がっています。 ●芝生広場 田村が、フデリンドウ保護のためのアズマネザサ刈りを進めていました。 ●芝生広場上雑木林 これからの夏季の里山倶楽部を考えるために、芝生広場上雑木林の状態観察を行うことにしました。 芝生広場上雑木林の林内は、実生の木々も枝葉を繁らせていて、何処を歩けば問題無いのか、考えてしまう状態でした。 1m程に育っているコナラ実生などを踏み倒さないように注意して、歩いて行くと、葉裏に、ホリカワクシヒゲガガンボがいました。 掴もうと、手を伸ばした樹木には、ノコギリカミキリがいました。 枯らすだけで終わるのではないかと思って、伐採は1本だけで留めたヤマザクラは、萌芽を伸ばしていました。 ゴンズイやコマユミが若い実をつけていました。 林床のアズマネザサは、まだ大きくはなく、柔らかいので、樹陰での活動は可能と判断しました。 この雑木林は多様な樹木が生えているので、樹木を見分けられなければ、アズマネザサだけを刈るアズマネザサ刈りになります。 飯室山南地区に向かって、吊り尾根の園路を歩きました。 園路脇の伐り株にキノコが生えて、そこに、ルリオオキノコ?が集まっていました。 日の当たる林縁のあちこちで、キマダラセセリに出会いました。 ●飯室山南地区皆伐更新地区 皆伐後14年目の雑木林は、狭いながら、魅力的な雑木林になっていました。 皆伐更新地区から東に伸びる尾根は、アズマネザサ刈りを行なえば、既に発芽している実生が育って、容易に雑木林に育ちそうです。 ただ、暑い季節は大変ですので、活動時間を短くするとか、大勢で刈るとか、様々な工夫が必要だと思います。 また、皆伐更新地区北側の谷のモウソウチクとアズマネザサの除伐は、皆伐更新地区へのアクセス路を広げていく進め方が良いのではないかと思いました。 ●谷戸の田圃地区 夏期の里山倶楽部のための下調べを終えたので、上の田圃地区に戻りました。 鈴木、田村が、田圃下草地のカナムグラ抜きをしていました。 梅ノ木広場近くのベンチで一休みしてから、チダケサシの群落の中に生えていたアズマネザサを刈り、この辺りで大きくなっていたヤマグワ、ヒメコウゾなどを除伐しました。 その繁みの中には、ハゴロモの仲間の幼虫でしょうか、綿のようなフワフワした感じで、枝を移動する生きものが多数いました。 草地には、洒落た色合いのハエがいました。 どうやら、マルボシヒラタヤドリバエのようです。 マルボシヒラタヤドリバエは、最近、チャバネアオカメムシによる農業被害がニュースになっていますが、このチャバネアオカメムシの天敵です。 生田緑地では、チャバネアオカメムシだけが大量発生するというようなことが起こらないのは、このような天敵に当たるような生物も存在しているからだと思います。 今回、ヤマグワ、ヒメコウゾなどは除伐しましたが、丈の高い植物はまだまだありました。 チダケサシに、スジグロシロチョウが吸蜜に来ていました。 |
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