谷戸の水辺再生・保全など 日時:2024/5/21(火) 9:00〜12:00 曇 場所 生田緑地 湿地地区、上の田圃地区、下の田圃、ヨシ原、城山下谷戸合流部、生物保護区 参加者 岩田臣生 田植えの準備は、先週で終えました。 昨日は、調査団の今年度の通常総会を開始しましたので、3月から続いていた、神経を使う事務作業を終えることができました。 勿論、NPO所管庁への諸書類の提出などは残っていますが、調査団内部の大きな調整は済みました。 後は、今後に向かっての新たな活動の計画について考えるという楽しい課題だけだと思える状態になりました。 谷戸の水辺の観察と保全を行って、気分転換することにしました。 (ハンノキ林) イボタノキが開花していて、ダイミョウセセリ(蝶)、キスジホソマダラ(蛾)、ヒメトラハナムグリ(甲虫)などの昆虫が吸蜜に訪れていました。 (湿地地区) 湿地地区に入って水漏れ補修を行いました。 オニスゲが開花し始めていました。 ウツギの花が開いてきました。 訪花昆虫を期待したのですが、時間的な問題なのか、アブの仲間が飛び回っている程度でした。 ミズヒキの葉上に、タデマルカメムシという、3〜4mmの小さな黒い昆虫がいました。 コジャノメがいました。 (上の田圃地区) 一昨日の生田緑地観察会の時、ヨシ原地区の水路の水が涸れていましたので、これを補修しなければならないと思って、ヨシ原地区に向かいましたが、上の田圃地区で、 折れた竹が木道上にかかっていましたので、これを除伐しておくことにしました。 木道から降りて、良く見たら、生田緑地側に6〜7本のモウソウチクが侵入していて、そのうちの1本が折れて、木道に倒れかかっていました。 そこで、これらを全て除伐しました。 (ヨシ原地区) 降雨のお蔭でしょうか、心配していた水路には、少ないながら、水流が見られました。 これは少量あれば良いのですが、木道下には泥が溜まっていましたので、ここの泥上げを行って、小さな水溜まりをつくりました。 そこには、ヤゴがいました。 それから、ヨシ原の池の状態を観察することにしました。 カサスゲの群落の中から、何本ものヨシが3m程に育っていました。 このヨシを刈って、道をつくって、池に辿り着きました。 池の水は少な目でしたが、涸れてはいませんでした。 今月中に一度、泥上げをしておいた方がいいかも知れません。 水涸れしていないことを確認しました。 (下の田圃) 下の田圃には、カルガモがいました。 田圃裏の水流までのヨシ刈りを行って、水流の状態を観察しました。 シオヤトンボ(オス)が縄張りの番をしていました。 木道近くのヨシにヒラタアブの幼虫がいました。 また、ヒゲナガカメムシ?もいました。 ムシヒキアブの仲間が、木道の手摺に出て来ました。 (城山下谷戸合流部) 水流を堰き止める土嚢は、今回は残って、水を溜めていました。 城山下谷戸側から流れ出る水を明示的に止めたいと思っていますが、かなりの勢いで漏れ出していました。 この水の流路を調べて、止めることを試みて、漏れ出す水の勢いを抑えました。 直ぐに、また漏れ出すとは思いますが、この日は、何となく、地下の流路が見えたような気はしました。 この合流部をゲンジボタル成虫が日中過ごせる場所にしようと考えて、先ずは、水溜まりをつくってきました。 まだ、コケはありませんが、水は溜まっていました。 しかし、生えている植物は、ミョウガ、ドクダミなどです。 ここは、スゲ植物も、コケも無いのですが、スジグロボタル7匹を観察しました。 ここで、スジグロボタルを観察したのは初めてです。 昔、大場信義博士から、スゲ植物から3m以内で生活している甲虫だと聞いた記憶があります。 ゲンジボタルのために水辺を再生しようとしている場所で、スジグロボタルを複数、しかも交尾中のものまで、観察できたことに驚きました。 今後は、卵、幼虫などについて、注意して、観察しなければならないと、責任も感じました。 (城山下谷戸苗木畑) スゲ植物の無い場所でスジグロボタルを観察したので、生物保護区の湿地も調べることにしました。 今年、城山下谷戸合流部と城山下谷戸分岐点を結ぶ道をつくっていましたので、この道を使うことにしました。 飯室山皆伐更新を始める時に、コナラ、クヌギの苗をつくっておこうと考えて、ドングリから育てていた苗木畑がナラ枯れ倒木の直撃を受けていました。 倒木の下敷きになった枝を抜き出して、立たせようとしましたが、大きく曲がって、お辞儀した状態は直せませんでした。 ここは、時期をみて、萌芽更新目的の伐採を考えた方が良さそうです。 (城山下谷戸生物保護区) 生物保護区周辺でも、倒木がありました。 湿地には、シラコスゲが繁茂していましたが、全域を歩いて調べたものの、スジグロボタルは見つかりませんでした。 ただ、縁辺部を歩くために、繁っていたフジを伐ったところ、その下に、1頭見つけることができました。 調べた時間が合わなかっただけだろうと思うことにしました。 帰り道には、ニガナが咲いていました。 |
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