生田緑地の生物多様性保全活動


モウソウチク除伐など  
日時:2024/5/14(火) 9:00〜12:00 曇後晴
場所 生田緑地 飯室山南地区
参加者 岩田臣生

先日、5/11(土)の里山倶楽部の時に、参加者から、「飯室山南地区に大きくなったタケノコが沢山生えていた。」という報告があったので、 タケノコのうちにモウソウチクを除伐しておきたいと思い、飯室山南地区のモウソウチク(大きくなったタケノコ)除伐を行うことにしました。


途中の桝形山には、ハコネウツギが咲いていました。


飯室山南地区では、皆伐更新地区の東側の拡張区域に1本、大きくなって、髭状に枝を伸ばし始めたモウソウチクがありましたが、これは後回しにして、 東方向に伸びる尾根上の6〜7mに育ったタケノコ?を除伐することから始めました。
この尾根にはアズマネザサが繁茂していますので、これを刈って、道をつくりながら、北側の住宅地に面した急斜面のタケノコ?を伐り倒していきました。
この斜面には、まだ、モウソウチクの竹林が残っていますので、住宅地に材を落とす心配は余りありませんでした。
皆伐更新拡張区域に近い辺りでは、アズマネザサの茂みの中に、多様な実生木が育っていました。
アズマネザサ刈りを頑張れれば、それだけで、コナラ林を育てられそうです。


尾根北側の大きなタケノコは、尾根の先端に近づくにつれて、数が多くなりました。
尾根の北側は、狭いなりに境界フェンスまでの距離がありましたが、先端部では、距離も無く、フェンスも低く、境界から外は、切り取られて、かなり高さのある擁壁になって、 その崖下は舗装されて、駐車場などに使われていて、しかも崖に近い場所は見えません。
尾根の先端部に竹が残っている場所は、この竹で止められるので、除伐できましたが、そこを外れると、除伐した材が崖下に落ちることは避けられないと思われたので、 安全第一を考えて、除伐を諦めました。
この辺りには、多数の大きなタケノコがあり、街路も良く見えましたので、土曜日の報告は、ここに並んだタケノコを街路から見てのことだったかと理解しました。
まとめて残してしまうことになりますが、10数本は除伐したので、安全第一を考えて、残りの先端部の除伐は諦めることにしました。

戻るにも、アズマネザサを刈らなければなりませんでしたが、そこに、マルバウツギが咲いていました。



尾根路を戻って、後回しにした皆伐更新拡張区域の大きなタケノコを除伐したところで、目的の活動は果たしたと思い、一休みしました。

少し時間があったので、拡張区域を観察しました。
一面に多様な稚樹が育っていて、今、活動していた竹林状態の場所とは全く異なる環境でした。
命の勢いを感じさせてくれる緑葉の波がうねっていました。
その波がコナラ以外の稚樹ばかりのように思われ、高木にコナラが残ってくれるのだろうかと不安を感じるほどでした。
丈高20cm程のコナラ実生は各所にあったし、中には、既に、1m程に育ったコナラもありましたから、数本は育つだろうと思います。
一際大きく育ったハリギリなどは、除伐しました。
コナラに絡みついていたアケビなども、除伐しました。

陽光が暑くなってきましたが、コミスジは樹林の中の小さな草地的環境が好きなのか、緑葉の波の上を楽しそうに舞っていました。
少し離れた場所のムラサキシキブの葉上に紅いものが見えたのですが、ベニカミキリのようです。
雑木林に育つには、まだ5年はかかると思いますが、この狭い範囲なら、数本のコナラが育ってくれれば充分だと思います。





目的の活動は終えたので、皆伐更新地区を改めて、観察しました。
今年から来年にかけて、萌芽更新目的の伐採を実験しても良さそうだと思いました。
埋土種子を発芽させて育てた雑木林を萌芽更新目的で伐採するのは、初めてなので、どのように進めるかは、ゆっくり考えて、楽しみたいと思います。





帰り道の園路上に、誰かに踏まれたのか、甲虫が死んでいました。


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