生田緑地の生物多様性保全活動


谷戸の観察と水辺保全  
日時:2024/4/30(火) 9:00〜12:00 霧雨
場所 生田緑地 ハンノキ林、竹林下谷戸、上の田圃地区、下の田圃地区、湿地地区
参加者 岩田臣生

微かな霧雨が降っていましたが、状態を観察するだけでもよいと思って、谷戸に降りました。

(ハンノキ林)
ハンノキ林東地区(A07-11)は、昨年11月からナラ枯れコナラの伐採を行い、ハンノキ林東地区(A07-12)と合わせて、ハンノキ林に隣接するコナラ林の伐採更新を進めています。
この辺りの春の状態を観察しておきたいと思いました。
園路を外れると、フタリシズカが咲いていました。

ここでは、伐採材は殆ど、伐採した場所に置いていましたが、その材の隙間から、カシワバハグマが顔を出していました。

ヤマユリ、キンラン、ナルコユリなども、生えていました。


ナラ枯れコナラの伐採時に、ダメージを与えないように注意していたハンノキが葉を繁らせて、林床のミヤマシラスゲが勢いを増していました。
斜面裾に積んだ伐採材やアズマネザサは枯れた色ですが、谷底部は命を復活したように緑色に輝いていました。


ナラ枯れコナラの伐採を行なう時に、仕方なく、谷底部のウワミズザクラ?を伐採しましたが、その伐り株から沢山の萌芽が出ているのが確認できました。


園路に戻ると、オカタツナミソウ?が開花しかけていました。


ハンノキ林東地区(A07-12)のアズマネザサを刈り、ナラ枯れコナラや常緑樹を伐採したことで尾根路からはハンノキ林を見下ろせるようになりました。
ハンノキ林の保全活動を行っている者にとっては、ハンノキ林の状態を観察する上で役に立ちます。
今回は、斜面裾に生えて、白い花を咲かせている細い樹木が見つかりました。
カマツカ?のようです。



(竹林下谷戸)
ハンノキ林の次は竹林下谷戸を観察しました。
竹林にも、竹林下谷戸にも、4〜5mに育ったタケノコが立っていました。
竹林下谷戸の水流の池からは、水が漏れ出していましたので、ジョレンを用いて、これを補修しました。
また、この谷戸に侵出していたタケノコは、除伐しました。
アズマネザサ刈りは、半分ほどを行いました。
降っている雨は、殆んど感じない程度の微かな雨でしたが、濡れているヤブに入ると、全身に雨水を感じることになります。



(上の田圃地区)
竹林下デッキのベンチで一休みしてから、上の田圃に向かいました。
上の田圃の上の段は、先日の代掻き時と同様に湛水していました。

しかし、下の段は、水が涸れていました。

下の段にも、細い水の流れがありましたが、土嚢堰の下から、その水が全て漏れ出していました。
僅かな水も溜まることなく、染み出していました。
そこで、土嚢を積み直しました。

作業している所に、ダイミョウセセリが飛んで来て、離れようとしませんでした。

それにしても、雨が降っているというのに、下の段に入る水が少な過ぎます。
畦の内側に開いている穴を埋めておいてから、導水路を調べることにしました。
導水路を調べたら、途中に、大きな水漏れ穴が開いていて、そこから音を立てて、水漏れしていましたので、これを補修しました。


木道脇に、尾を失ったニホンカナヘビがいました。

近くには、ミスジマイマイもいました。


(湿地地区)
そろそろ活動を止める時間だと思いましたが、時計を見たら、10分程は使えそうでしたので、湿地地区3段目に寄って、刈り残していた部分を刈ることにしました。
湿地3段目には、下の畑との緩衝帯として、ヒメコウゾ、アズマネザサ、オギなどの茂みをつくっています。
この茂みは、4月には刈ることにしていて、4/16(火)に行いましたが、 一人でしたので、刈り残しが気になっていました。


(ハンノキ林)
帰りのハンノキ林では、デッキの手摺上に、クロセンブリがいました。


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