生田緑地の生物多様性保全活動


ハンノキ林の観察調査  
日時:2024/3/30(土) 9:00〜11:30 晴
場所 生田緑地 ハンノキ林
参加者 岩田臣生、佐藤登喜子(種子植物班班長)、藤間X子(水辺調査班班長)

調査団の年度末の事務作業が進んでいます。
このため、佐藤・種子植物班班長と藤間・水辺調査班班長が、令和5年度の両班の領収書を持って、生田緑地に来てくれました。
天気は晴、3月にしては暑いぐらいの陽気でした。
ハンノキ林は、隣接するコナラ林の伐採更新に着手し、ナラ枯れ大径木を伐採し、アズマネザサのヤブを刈り払ったことで、林床が一段と明るくなり、 急激に植生遷移が進んでいると思っています。
今回は、特別に、植生の専門家である2人にハンノキ林林床に入って、植生を観察してもらうことにしました。
通年、基本的に、ハンノキ林は立入禁止にしていますので、林床に入って観察することは、今まで殆ど無かっただろうと思います。
観察調査の結果は整理して、植生の状態について、報告してくれると思います。

ハンノキ林の植生管理については、2006年10月24日に、北部公園事務所と、現地協議を行い、12月から樹木調査を始め、 2007年には、林床のアオキやアズマネザサを刈る活動を始めました。
しかし、ハンノキの成長には、十分な日照が必要です。
アカメガシワ、ヤマグワ、ヒメコウゾなどを除伐したぐらいでは、ハンノキ林が変化することはありませんでした。
それが、周囲のコナラ林のナラ枯れが始まって、コナラの大木が枯れ始めたら、ハンノキ林は急激に明るくなって、林床の植物の生存競争は激しくなり、 ハンノキは、幹の下の方からも、枝葉を広げるようになりました。
隣接するコナラ林の再生を目指して伐採更新を始めて、高木や丈の高いアズマネザサの林を刈ったことで、縁辺部の林床は、更に明るさを増して、 種子から発芽した実生が見られるようになりました。
今、大きく変化しつつあるハンノキ林を調査して、植生の専門家としての意見を聞かせてほしいと思いました。


(A07-01〜04)
長期間の閉鎖が解けて、好天に恵まれたことから、周辺には来園者が大勢いましたので、ハンノキ林に立ち入ることには、少し躊躇を感じましたが、 もし、咎めるような来園者がいたら、喜んで対応することにして、林床に降りました。
前日の降雨もあって、ハンノキ林の林床は、水浸しに近い状態で、多様な植物が新緑を見せてくれ、冬期の作業時の印象を払拭してくれて嬉しく、楽しい気分になりました。

ミヤマカンスゲが繁茂し過ぎているので、虐めるようにしていますが、1978年の調査時には無かったそうです。
だとすれば、ミヤマカンスゲについては、もっと除草しても良さそうだと思いました。


斜面裾部の陽当たりの良い浅い水流には、ホトケドジョウが数尾戯れ、カワニナの移動痕が残されていました。
ホトケドジョウは、日本固有種で、環境省絶滅危惧IB類の淡水魚です。
目の前の水流に、3〜5cmのホトケドジョウが泳いでいるのが、丸見え状態でしたので、二人は楽しんでくれたようです。
二人が調査されている別の緑地では、このような形で、ホトケドジョウを観察することはできなかったという呟きがありました。
現地の状況は、刻一刻変化するので、このような状態で観察させてくれたことに感謝していました。
この辺りには、また、種子から発芽したハンノキ実生が数本育ち始めていましたので、観察してもらいました。

一面に広がったミヤマシラスゲの枯葉の上空では、この日も数頭のキタテハが蝶柱をつくっていました。
数ヶ所に、ウバユリが芽を出していました。
秋冬に採集した種子を、まだ浸種していなかったことを後ろめたく思いながら、独特の色艶の新葉を観察しました。
ハンノキ林に復活したアケボノソウは、何年も続いた盗掘のために消えてしまいました。
今度は、ウバユリが、林床に広がってほしいと考えています。




見上げたら、ヤマザクラが咲いていました。


所々に、ウグイスカグラが咲いていました。

水辺は、保全活動時に思い描いた目標イメージの状態が現出しつつあるように感じさせてくれる状態でした。


林床のスミレは、殆んど、タチツボスミレでしたが、ナガノスミレサイシンが広がっている場所もありました。
ジロボウエンゴサクが葉を広げていました。



(A07-07)
東支谷戸も調査しました。


ヤマルリソウが開花していました。

東支谷戸のアズマネザサ刈りは済んでいましたので、源頭部のコケの状態も観察しました。
この支谷戸の流量は、非常に少ないのですが、ハンノキ林のゲンジボタルの棲息環境としては重要な環境要素だと考えています。


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