生田緑地の生物多様性保全活動


真夏の谷戸の水辺保全  
日時:2023/8/29(火) 9:00〜10:30 晴
場所 生田緑地 湿地地区(B05)、上の田圃地区(B06)、下の田圃地区(B07)、ヨシ原地区(B08)
参加者 岩田臣生、伊澤高行

夏は谷戸の水辺が水涸れを起こしていないか、点検して、水漏れ穴があれば補修するという活動が不可欠です。
活動するには暑すぎるので休みたいのですが、つくってきた水辺を放り出すこともできず、朝のうちの1時間でできる範囲の活動を行うことにしました。

 △8:52 生田緑地整備事務所裏 WBGT28.2(要厳重警戒)、気温30.5℃、湿度77.9%
 

谷戸に降りて、ピクニック広場のトモエソウがヤマノイモ、カラスウリ、ツルマメなどに被われていたので、これらの蔓性植物を刈っておくことにしました。
トモエソウの実は黄色になっていました。


(湿地地区)
ハンノキ林からの水路は、流れてはいましたが、スコップで溜まった泥を掘り上げて、小さな水溜まりが続く状態にしました。
泥の中からは、多数のサワガニが現れました。
腹部に子ガニを抱えたサワガニもいました。
1段目の水路は涸れていませんでした。

竹林下水流が2段目に入った所に水漏れ穴が開いていましたので、これは補修しました。
2段目の水面は残っていて、5〜6匹のオオシオカラトンボが群れていました。

3段目は水涸れを起こしていましたが、1〜2段目からの水が来ないと、手の入れ方が分からないので、そこまでにして上の田圃に移動しました。


上の田圃地区を観る前に、柿の木の下のベンチで休憩しました。

 △9;34 梅の木広場の柿の木の下ベンチ WBGT29.1(要厳重警戒)、気温32.5℃、湿度67.7%
 

(上の田圃地区)
上の田圃への導水路の水は、また少なくなっていました。
それでも、上の段は湛水していました。
しかし、下の段の水は少なくなっていました。
土嚢堰の下に水が染み出しているのかと思ったら、そうではありませんでした。
畦に開いた水漏れ穴があるのかと思って探して、気がついた穴は埋めましたが、水漏れではないかも知れません。
水面があるので、シオカラトンボが群れていて、メスを奪い合っていました。

水が引いた泥面には、アライグマの足跡がありました。
アメリカザリガニを捕食してくれたのなら良いのですが。

明確な対策を掴めないまま、水漏れ箇所を探して、できるだけのことを行いました。



(下の田圃地区)
下の田圃地区は、水涸れの心配は不要でした。
この田圃は長靴では潜ってしまうので、田圃に降りる活動は、気軽にはできません。
この日は、木道からの観察までとしました。
シオカラトンボが3〜4匹群れていました。



(ヨシ原地区)
谷戸の末端部では、谷戸中央の水路の水が少なくなっていました。
岸辺の草が無い辺りでは、エナガが集まって、水浴びをしていました。




今夏のような蒸し暑い時に、やっておかなければならないことはやったと思いました。
木道沿いのオオミゾソバは、元気に繁茂しています。
あと一月もすれば開花して、楽しませてくれるでしょう。


梅ノ木広場の柿の木陰で、ゆっくり休憩してから帰りました。

 △10:03 梅ノ木広場の柿の木の下ベンチ WBGT28.1(要厳重警戒)、気温30.9℃、湿度74.2%
 

帰りのピクニック広場東階段の手摺の上に、アオマツムシ(終齢幼虫?)がいました。
アオマツムシは中国原産の外来種(渡来情報は定かではない)で、1970年代には急増して、市街地の街路樹などでも、良く通る声で鳴いているため、川崎では代表的な秋の虫になっていると思います。


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