生田緑地の生物多様性保全活動


谷戸の水辺保全など  
日時:2023/7/25(火) 9:00〜12:00 晴
場所 生田緑地中央地区北側の谷戸の水辺
参加者 岩田臣生

久し振りに、生きものとの出会いを楽しみに、スコップとイネワラ2束を持って、谷戸に降りましたが、前回は湿潤だった環境が、1ヶ月経った結果、カラカラの乾燥した環境に変わっていました。
水辺から離れているピクニック広場のテーブルベンチを過ぎた辺りに、オオシオカラトンボ(メス)がいました。


(ハンノキ林地区)
ハンノキ林上の池は黄土色に濁っていました。
今年はウグイスが元気です。この日も、いい声で鳴いていました。
ウグイスの声の合間に、オオタカ幼鳥の声が聞かれました。
高気温の晴天続きで、湧水量が極めて少なくなっていて、ハンノキ林の水流は殆ど涸れかけていました。

(湿地地区)
ハンノキ林からの水路は底土の表面を舐めるように水があり、カワニナが多数見られましたが、湿地3段目は完全に水が涸れていました。
そこで、水路の半分の幅の泥を上げて、細い水流を確保してみました。

竹林下水流からの水は、小橋を抜けた所で、水漏れ穴に消えていましたので、これを補修しました。

保護していた植物は、既に開花を始めていて、種子をつけていました。
湿地地区の草は、1.5mほどの高さに繁茂していましたが、気になった所だけは刈ったものの、谷戸の水辺の状態を点検することを優先することにして、上の田圃に移動しました。


(上の田圃地区)
上の田圃の上の段は、木道から見る限り、水面が広がっていましたが、下の段は、ほぼ完全に水涸れしていました。

入ってくる水が少ないのは兎も角として、下の段の土嚢堰の所までは、舐めるように水が届いていて、堰下に染み出してもいたので、 土嚢の下、水が染み出していると思われる所に、イネワラを押し込んで、染み出しを止めました。

水が溜まるかどうか、少し様子を見ることにして、上の段の状態観察を行いました。
上の段の稲は田植えの失敗で、大部分の稲が消えていましたが、水は溜まっていました。
湧水の流量が少なくても、溜まる状態になっていれば、水面が広がることが分かります。
浅い水底に、アメリカザリガニが見えましたので、捕まえて、駆除しました。


田圃は、上の段も、下の段も、多数のシオカラトンボが群れていました。
オニヤンマは、シオカラトンボとは関わりたくないようで、離れた上空を飛んでいました。

田圃下草地のノカンゾウが咲いていましたが、開花している株は少ないように思いました。


(下の田圃)
下の田圃は、周囲のミゾソバが勢いよく繁茂して、田圃を覆い尽くす勢いに感じられました。


(ヨシ原地区)
谷戸中央の水路の水が少なくなっていて、ヨシ原地区の池への分水はできなくなっていました。
ヨシ原の池は完全に水涸れしていましたので、慌てて、中途半端な策を講じるのは止めた方が良いと判断して引き上げました。

帰り道の木道上から上の田圃の水の状態を見たら、水面が少しながら広がり始めていました。

クサギが開花し始めていました。

導水路部分の水は涸れてはいませんでしたが、竹の樋を通るように水路に手を入れました。

木道脇に、ヤブミョウガ咲いていました。

この日は、ニイニイゼミ、ミンミンゼミの声が聞こえていましたが、園路脇の草に、アブラゼミの羽化殻がありました。

ハンノキ林は、環境省の特定植物群落「生田のハンノキ林」に指定されていますが、20年前は、樹冠にのみ枝葉を張っていたのに、ナラ枯れが始まって、明るくなったためか、 幹の途中に枝葉を繁らせるようになりました。
草本層も賑やかになりました。

ミズタマソウが咲き始めていました。

園路脇に、ヤマトフキバッタがいました。

谷戸の谷頭凹地、ピクニック広場に、オオシオカラトンボ(オス未熟)がいました。



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