生田緑地の生物多様性保全活動


トモエソウ保護の草刈り、田圃地区の木道近くのヨシ刈り、カナムグラ刈りなど  
日時:2023/6/1(木) 9:00〜12:00 曇
場所 生田緑地 ピクニック広場(A05)、上の田圃地区(B06)、下の田圃地区(B07)
参加者 岩田臣生、井口 実、上路ナオ子、鈴木潤三、田村成美

生田緑地整備事務所裏を出発したところで、ノコギリクワガタが落ちていました。
車も通る場所だったので、落葉の地面に移しておきました。


(ピクニック広場)
ピクニック広場で保護しているトモエソウに絡みついていた草を刈りました。


ハンノキ林上の池の水面に浮いているものがあったので、掬いあげてみたら、ナガゴマフカミキリでした。
ノコギリクワガタといい、ナガゴマフカミキリといい、風雨に叩き落とされたのでしょうか。


ホタルの国の特別開国も近いので、歩き易いように、湿地地区に面する木道の山側から延びていたアズマネザサやシダなどを刈り、低木の枝なども落としました。


(上の田圃地区)
上の田圃の上の草地に生えたヨシ、ヤマグワ、ヒメコウゾ、ススキなど、高さのある植物を刈りました。





上の田圃下草地のカナムグラ刈りも行いました。


際限なく繁茂し続ける外来種セリバヒエンソウの駆除も行いました。

(下の田圃地区)
下の田圃地区の木道沿いのヨシ、ノイバラ、ヤマグワなどを刈り、セイタカアワダチソウを除草しました。
ヨシを繁茂させて壁をつくっていた時期もありましたが、今は、ホタルの季節の前に、木道沿いの高茎植物は刈るようにしています。
活動によって踏み潰してしまったオオミゾソバは、これから開花期までの間に、ある程度回復してくれると思います。




梅ノ木広場に生えてきて育ってしまったヤマグワが沢山の実をつけていました。


活動中に、ヒゲナガハナノミ(オス)、ベニカミキリ、キマワリ、オオツノカメムシ(オス)?などに出会えました。



オオツノカメムシは、5月の活動時に、いつの間にか手に止まっていたのを見ていたので、また会えるかも知れないと期待していたカメムシです。
補色関係にある赤と緑の鮮やかな色彩が目に残っていました。
両肩の立派な角に加えて、尾端の赤いハサミも印象的で、オスのようです。
神奈川県昆虫誌2004には、川崎の記録は無く、都会の市街地の中の都市公園に棲息しているような昆虫ではなさそうですが、ケンポナシは1〜2ヶ所にあります。
ケンポナシは県内では、丘陵地の斜面や沢沿いに見られ、箱根や西丹沢には見られないようです。


帰り道のハンノキ林では、アカサシガメ、キバラガガンボなどに出会えました。
アカサシガメは、神奈川県昆虫誌2004に載っている川崎の記録は麻生区黒川の記録だけでした。
低山地の低木層や草本層の生物で、小昆虫を捕食して、成虫越冬とありました。

神奈川県昆虫誌2004のキバラガガンボの川崎の記録は、麻生区黒川の記録だけでした。

花盛りのドクダミの上空でホバリングしている小さな虫に出会いました。
頭部全体が眼のような形状で紅く、尾に金色の帯が鮮やかで、心を魅かれて、思わず観察してしまいました。
生田緑地での昆虫との出会いに夢中になっている上路さんが調べてくれて、コシボソハナアブの仲間らしいと教えてくれました。
コシボソハナアブについては、生田緑地では、やはり(故)脇一郎さんの採集調査によって、ツマグロコシボソハナアブとマダラコシボソハナアブが2002年、2003年に記録されており、 県内の記録もこの2種のようでした。
いろいろ調べて、今回夢中になって観察した個体は、ツマグロコシボソハナアブ(オス)だろうと思うようになりましたが、私たちにとっては、コシボソハナアブの仲間で充分だと思います。

ムラサキシキブの仲間は、生田緑地の雑木林の低木として普通です。
そのため、イチモンジカメノコハムシが普通に棲息しています。

中央園路に近づいた所で、キマダラカミキリ、ホソオビヒゲナガに出会えました。



この日の活動も、昆虫観察を楽しんでしまいました。


かわさき自然調査団の活動

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Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation