生田緑地の生物多様性保全活動


ナラ枯れ木の伐採についての現地協議
日時:2023/5/9(火) 8:50〜9:30 晴
場所 生田緑地 谷戸の芝生広場分岐付近
参加者 岩田臣生、共同事業体(三門、木)、伐採業者

生田緑地整備事務所は、中央地区北側の谷戸について、下図赤線で囲った範囲の園路を通行禁止にしました。
そこで、その部分を外して、今年のホタルの国の観察会を下図黄色線で示した木道の範囲で計画したのですが、 その範囲にナラ枯れ枯損木(下図の
対象枯損木)があるので、 その枯木を伐採するか、その場所に監視員を配置しなければ、ホタル観察会を開催してはならないという意向でした。
そこで、この時期に、当該枯損木伐採が可能かどうか、伐採業者にも参加してもらって、現地会議を行いました。
4〜6月は、生田緑地の谷戸の水辺の甲虫の代表であるゲンジボタルが蛹になっている時です。
伐採した材を水辺に近い所に落とさずに、伐採できるかが論点で、当該樹木の形状、この辺りの地形などを前提に協議しました。
その結果、材を下の地面に落とさずに伐採することは不可能という結論に至りました。
地面を振動させるようなことは、可能な限り避けたいと思いますので、伐採しない方法での開催を考えてもらうことにしました。
心配している危険は根返りによる倒木なので、安全のために、当該枯損木をワイヤーで山側に牽引しておくこと、観察会時には監視員を配置することを合議しました。
この現地会議に本来出席しているべき生田緑地整備事務所の職員が一人もいませんでしたので、この結果を伝えて、今年のホタルの国についての最終的な決断を求めることにしました。


谷戸の水辺保全など  
日時:2023/5/9(火) 9:30〜12:30 晴
場所 生田緑地 湿地地区(B05)、上の田圃地区(B06)、下の田圃地区(B07)、ヨシ原地区(B08)
参加者 岩田臣生

(湿地地区 B05)
ホタルの国の観察会開催の支障となっているナラ枯れコナラの伐採についての現地協議を終えてから、谷戸の水辺の状態観察と水辺の攪乱を少しでも行いたいと思い、先ずは湿地地区に入りました。
サワガニが活動を始めて、雨が降ったので、湿地地区に入っているハンノキ林からの水路に水漏れ穴が開いていました。
それは予想していたことなので、イネワラで補修しました。
湿地地区2段目の水辺には、ミヤマシラスゲ、オニスゲ、ヨシなどが根を広げているため、ウェイダーとスコップを持って来なかったのが失敗で、長靴とジョレンでは、 小さな水路を増やすのがやっとでした。


水辺には、オニスゲが開花し始めていました。

草むらから、ヤマサナエが飛び立ちました。


ヒメウラナミジャノメが翅を乾かしていました。


3段目に掘った水辺には、水面が広がっていました。

数匹のヤマサナエに出会えて、状態確認もできたので、他の水辺を見に行くことにしました。

(上の田圃)
上の田圃は、降雨によるものか、カルガモによるものか、分かりませんが、水面の上に頭を出している土の部分が広がったように思いました。
再度、水漏れ穴を調べる必要がありそうですが、今回は、取り敢えず、普段は溝にしている畦沿いを土で埋める、つまり畦に土を寄せておくことにしました。

アゲハチョウがハルジオンで吸蜜していました。
ハルジオンは外来種ながら、古くからあった種であり、吸蜜源としては役立っているので、特別な駆除活動は行っていません。

木道の手摺に、オオイシアブでしょうか、ムシヒキアブの仲間がいました。

木陰の草地に、アオジョウカイがいました。


(下の田圃)
下の田圃は、澄んだ水が広がって、いつでも田植えが可能な状態でした。

シオヤトンボ(オス)が縄張りを見張っていました。


(ヨシ原の池)
水が涸れかけていたヨシ原の池の状態を観察に行きました。
降雨があったので、ホタルの里整備事業によってつくられた水路が増水して、池の方にも、水が供給されていました。
池には水が溜まっていました。



(湿地地区)
湿地地区に戻って、水辺の活動を続けました。


マミジロハエトリ?が顔を見せました。


水辺の攪乱・保全は思うようには進みませんでした。
帰り道、オカタツナミソウがあちこちに咲いていました。


かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation