上の田圃の代掻き 日時:2023/4/27(木) 10:00〜12:00 晴 場所 生田緑地 上の田圃地区(B06) 参加者 岩田臣生、上路ナオ子、鈴木潤三、田村成美 この日の課題は、上の田圃の代掻きです。 上の田圃は、上の段が2005年に、下の段が2006年に、水田ビオトープ班が再生したものです。 下の段は、なかなか田圃の土にならず、水が涸れて乾燥した部分が固くなってしまうため、普通の乾田と同じような田起こしが必要な状態が長く続きました。 しかし、冬期湛水を続けたことで、最近は、田圃の土になってきて、田起こしを行わなくても、代掻きが可能になってきたと思います。 今春は、4/13(木)に、下の田圃と上の田圃を手分けして、代掻きを行っています。 下の田圃というのは、2004年に再生した田圃で、この活動のために、調査団では自然に手をつける活動を行う班として水田ビオトープ班を新設しました。 また、田圃は米の生産工場だから自然破壊だという意見もありましたが、昔から田圃があった谷戸なので、田圃状の水域をつくることは、生物多様性保全の観点からも必要なことだと考えて、 田圃状の水辺に生き残った生物のための環境を保全する活動として進めてきました。 今回は、9時から、今年のホタルの国についての話し合いがあって、それが長引いてしまったため、活動に参加するのが遅れました。 私が田圃に到着した時には、3人は、上の田圃の下の段のオタマジャクシを掬ったり、備中鍬で耕したりしていました。 この田圃は水が涸れていると、土が固まって、硬くなってしまうので、仕方なく、田起こしを行っているのだと思い、そのまま、任せることにしました。 私は、初めから、上の田圃の上の段の代掻きを行うつもりでいました。 この田圃の土は柔らかくて、長靴が沈むこともあったので、ウェイダーを履いて、一気に、代掻きを済ませてしまうつもりで、ジョレン、イネワラなどを背負い籠に入れて、谷戸に降りました。 代掻きとしては、沢水が運んできた土砂の堆積がある田圃なので、泥の深さを均すこと、畦の弱っている所には泥上げを行うこと、湛水が可能かを調べることなどを課題と考えていました。 現地を観察すると、表面に枯葉や枯草が見える島状に水面から出ている所がありましたので、 現状の土嚢堰では湛水できないと判断して、田圃の土を土嚢堰近くに寄せて、土嚢堰を少し高くした時の状態にしてみました。 すると、僅かずつですが、水面が広がって、ザリガニなどが開けた大きな穴は無さそうでした。 田植えまでの課題は、土嚢堰の改修、堰と畦が接している場所の補強、畦の草刈り代りの泥上げなどがあると判断できました。 水面をつくりながらの代掻きであれば、オタマジャクシを避難させておかなくても、大きな問題は無いと思いました。 代掻きの途中で姿を現したアメリカザリガニは、その場で駆除しました。 田圃の上には、シュレーゲルアオガエルの卵が転がっていましたが、これはカルガモの仕業だろうと思います。 畦の側壁に凹みをつくって保護するようにしました。 また、シュレーゲルアオガエルの成体も、所々に、隠れていました。 畦に生えた様々な草に、クロセンブリを観察できました。 時々、スズメバチが吸水に飛来しました。 クロハネシロヒゲナガのオスが、木道上で、目の前を飛んでくれました。 上の田圃の次回の活動は、下の段の代掻き、土嚢堰の改修などが必要だろうと思いながら帰ろうとしているところに、 生田緑地整備事務所の北澤さん、小林さん、共同事業体の木さん、三門さんがやってきて、数本のナラ枯れコナラ伐採について、意見を求められました。 帰り道、一緒に観察して、ホタルの国の開催のために伐採すべきかを判断したいという趣旨のようでした。 ナラ枯れで危険なコナラがあるために通行禁止にした範囲外というのは、公園管理者として、危険性が無いという判断をしたのだと思うので、 この規制を前提に、ホタルの国の開催の可能性について考えています。 前提を覆されたのでは、私たちは困るしかありません。 今月始めた閉鎖措置は、何を根拠に、何のために、設定したものなのか、疑問が湧いてきます。 更には、昨年度末に実施されたナラ枯れコナラ伐採工事は、今年行われるであろう生田緑地内の多様な活動を前提に計画されたものではなかったということでしょうか。 問題は、ホタルの国のことではなくて、公園利用の閉鎖範囲が適切だったのかということになってしまいます。 閉鎖区域の設定は生田緑地整備事務所が行ったもので、自然環境保全管理会議に対しては、昨年度末に、その内容が報告されたに過ぎません。 袋小路状に通行可能範囲が設けられても、生田緑地中央地区の地理を把握していない多くの来園者にとっては、不合理な、不親切な措置に思えてしまうのは当然で、 クレームも寄せられたのではないかと思います。 危険な樹木が見つかったというのであれば、どのように排除するかを考えれば良いことです。 ただ、その時に、ハンノキ林で実施された枯損木伐採工事のような、木道は大事に扱うけれども、ゲンジボタルが棲息する自然のエリアについては何の配慮もせず、乱暴な工事を行っても良いという ような条件は、絶対、認められません。 4月になって、様々な植物が発芽し、成長し、開花し始めています。 今頃になって、しかも、田圃活動で疲れている老人に、立話で相談することが信じられませんでした。 NHKの大河ドラマではないけど、どうする生田緑地整備事務所ですね。 |
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