生田緑地の生物多様性保全活動


湿地地区の水漏れ補修、生物保護区の水場保全
日時:2022/7/11(月) 9:30〜12:00 晴
場所 生田緑地 湿地地区、生物保護区
参加者 岩田臣生

7/9(土)の里山倶楽部の時に、竹林下地区から湿地地区に入る水が橋の下で止まっているという報告を受けていたのですが、里山倶楽部の終了後に、谷戸に降りて手入れをすることができませんでした。
しかし、暑い日が続いていますので、急いで、水漏れ補修だけは済ませておきたいと思い、月曜日でしたが、当該地区の保全目的である植物を枯らすわけにはいきませんので、水漏れ補修だけは済ませておくことにしました。

(湿地地区)
前々日に受けた報告の通り、竹林下地区からの水流は、橋の下で、大きな水漏れ穴に消えていました。
これは、土嚢をつくって、塞いでおいて、流路部の泥あげを行って、少し離れた場所を流れるようにしました。
それから、湿地地区内の水の状態を点検しました。
すると、湿地地区の殆んど全域の水が涸れていることが分りました。
ただ、水は涸れていましたが、保護している植物は、未だ枯れてはいませんでした。
間に合ったようです。

全域の水が涸れていたので、ハンノキ林からの水路も調べてみたら、こちらの水路にも水漏れ穴がありました。
この水漏れは、イネワラで補修しましたが、そこからは多数の小さなサワガニが出て来ました。
どうやら、サワガニの子どもたちが開けた多数の穴から水漏れしていたようです。
水は流れ始めましたが、流量が少ないため、全域に広がるまでには時間がかかりそうです。

流れ始めた水の先端を追っていたら、ヒメシロネの花が咲き始めていました。



水が広がるのをただ待っているだけでも、暑さが和らぐわけではありません。
生物保護区の湿地につくっていた野鳥のための水場が気になりましたので、状態を観に行って、少し泥上げをしておくことにしました。

ヤマユリの花が開いていました。


(生物保護区)
生物保護区の湿地には、オオシオカラトンボが多数飛んでいました。
その中に、オニヤンマも1匹、混ざっていました。
水は少ないながら、涸れてはいませんでした。

水場として掘っていた、湿地下端部の水溜まりの水深を少し深くしたいと思い、泥上げを行いました。
流れて来る水は非常に少ない状態でしたので、水溜まりが湛水するまでには、数日かかるかも知れませんが、予報が出されている明日からの雨を受け止めてもらいたいと思います。

湿地にはイネ科植物が繁茂していましたが、その中に、シラコスゲも残っていました。
湿地上端部まで、極めて浅い流れは残っていたので、所々に水溜まりができるように、凹みを掘りました。
作業中、幼鳥の声が聞こえていましたので、そこまでの作業をしておいて、急いで生物保護区から出ることにしました。



短時間ではありましたが、暑い中の泥上げはきつかったので、生物保護区から出たところのベンチで少し休憩しました。

木道上に伸びていたアブラチャンの枝を剪定しました。
アブラチャンの実生は、よく育ってくれて、高さ 2mを超えるようになりましたので、枝が通行の邪魔になるようになっていました。

近くに、オオバギボウシが咲いていました。


芝生広場に上がった所でも、ベンチで休憩しました。
ヒメウラナミジャノメがヒメジョオン?の花で吸蜜していました。



帰りの尾根路では、オオシロフクモバチ?が狩ったサツマノミダマシ(クモ)を運んでいる場面に出会いました。



今夏も、水漏れ補修のために、生田緑地に通うことになりそうです。


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