生田緑地の生物多様性保全活動

谷戸の水辺保全など
日時:2022/3/29(火) 10:00〜14:00 曇
場所 生田緑地 湿地地区(B05)、上の田圃地区(B06)、竹林下地区(A08)
参加者 岩田臣生

曇り空、気温が下がって、冬に戻ったような日でしたが、サクラは満開となり、辺りはすっかり春になっていました。
この日は水辺の点検保全をするつもりで、谷戸に降りました。
アオイスミレの花は終わったようで、タチツボスミレの花が増えて、斜面に広がりだしていました。
萌芽更新地区でも、ハンノキ林下でも、モミジイチゴの花が満開でした。


湿地地区に入ると、ハンノキ林からの水流が水漏れ穴に消えていて、湿地地区 3段目までの水路は干上がっていました。
これは想定内で、ジョレン、イネワラ、雑のう袋を用意していましたので、イネワラで穴を塞いで、水を流しました。

流れ出した水を追って、水路の各所に溜まっていた落葉を取り除き、泥上げをしました。
流量は多くはないので、水路を水が満たすのには時間がかかりそうですので、湿地地区末端部の点検を先に行い、使わずに置いておいた土嚢を使って、手を加えました。

それから、あちこちで1mほどに伸びた、様々な実生や枯草を刈りましたが、もうカナムグラが発芽して、本葉を見せていました。
また、カキドオシが咲き始めていました。">



湿地地区の活動は中断して、上の田圃地区に移動し、水の状態を点検しました。
まず、導水路の途中に大きな穴が開いていて、水漏れを起こしていましたので、イネワラで塞ぎました。
田圃の中では、殆んど全てのアズマヒキガエルの卵が孵化していました。
木道から覗いている来園者がいましたが、水面が光を反射して見難い状態でした。
畔には、沢山のタネツケバナの花が咲いていました。
空高くを2羽のトビが飛んでいました。


芝生広場下の崖面の樹林ですが、コナラのナラ枯れが始まりました。
田圃下から見える範囲では、コナラは1〜2本だけのようです。
この崖面の植生管理計画は、どのような原理で考えれば良いのだろうかと考えながら、田圃下の活動を続けました。

上の田圃下の池は、また水が抜けていましたので、穴と思われる所にイネワラを詰めて、土も積みましたが、水漏れは止まりませんでした。
その池端に大きな蛾の蛹が転がっていましたが、小さな穴が開いていましたので、死骸と判断しました。(桑切鎌の刃長は 9cmです。)


3/10(木)に行った田圃下草地の水辺保全では、水路末端の水溜まりはつくれなかったようです。
水溜まりはつくるなら、ノカンゾウの芽が沢山出ている所を避ける方が良いでしょう。
じっくり考えてからにします。
上の田圃地区の水辺の状態は良かったので、竹林下地区に移動しました。

竹林下につくってきた水流の池は堤体が崩れて、水が溜まっていませんでした。
そこで、堤体補修を試みました。

竹林下地区は、丁度、ハンノキ林西地区の尾根を越えた西側の谷戸で、私たちはゲンジボタルの棲息できる水流をつくろうとして活動しています。
中には園路が無いので、この谷戸では大木を育てても問題ないだろうと思います。
源頭部が専修大学なので無理かも知れませんが、ゲンジボタルと大型の鳥類の棲息環境を目指すのも面白そうです。

湿地地区と竹林の間の道の手摺が壊れていました。
2019年12月21日の里山倶楽部では、伐採したモウソウチクを用いて、手摺を支えたのですが、これが壊れていました。 補修を行わないと危険だと思いましたが、この日は手入れを行う余裕はありませんでした。

ハンノキが芽吹き始めた湿地地区に、水も広がり始めていましたので、帰ることにしました。

帰り道の萌芽更新地区周辺では、タチツボスミレが花盛りとなり、マルバスミレやナガバノスミレサイシンも咲き始めていました。






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