生田緑地の生物多様性保全活動

モニ1000 哺乳類調査定点カメラ回収、状態観察など
日時:2021/11/2(火) 10:00〜13:30 曇後晴
場所 生田緑地 定点C、A、S、田圃地区、湿地地区、ハンノキ林、ピクニック広場など
参加者 岩田臣生   

モニ1000哺乳類調査の調査期間が 5〜10月なので、設置していた定点カメラを回収することにしました。
まず、中央広場南側の雑木林に設置していた定点Cのカメラを回収しました。

次は、生田緑地整備事務所裏の尾根路を降りて、定点Aのカメラを回収しました。
尾根路には、コウヤボウキが咲いていました。


定点Aから尾根を降りて、生物保護区の湿地の状態を観察しました。
湿地の水辺には黒い藻が発生していましたので、取り除いて、少し深く、泥上げをしておく必要がありと思いました。(課題)
ヤブランの実が黒く熟していました。

分岐路道標のある城山下谷戸の辺りは、実生アブラチャンの保護のために、下刈りをする時期になったようです。(課題)
この辺りのクヌギ、コナラの大径木も、ナラ枯れしていました。(課題)
苗木畑のクヌギ、コナラは元気なようですが、ここの手入れもしなければなりません。(課題)
戸隠不動尊跡地から緑地入口まで出て、谷戸に降りました。
サネカズラの紅い実が輝いていました。

下の田圃は、水漏れを起こしているようでした。この改修は、近々の課題とします。(課題)
田圃の奥のヨシの茂みには、小さな野鳥が入っていて、双眼鏡で観察している来園者がいましたので、尋ねたら、ホオジロだと教えてくれましたが、私には、黒い塊りにしか見えませんでした。

上の田圃は、田植えを終えた田圃のように、ひこばえが育っています。これを、昔は「ヒツジ」と詠んでいたそうです。
下の段の土嚢堰の両側から水が流れ出していましたので、田圃に入れてあったイネワラを使って補修しました。

陽射しが無かったので、諦めかけていましたが、1個体ながら、マユタテアカネが挨拶に来てくれました。
しかし、落ち着きがなく、直ぐに、姿を消してしまいました。
クサギの実も、華やかさを失っていました。
田圃や水路の水面には、シマアメンボが戯れていました。
周辺のミゾソバは花期を終えて、草地の黄葉が広がっていました。




梅の木広場には、イヌタデが花盛りでしたが、キンミスヒキ、コブナグサ、チカラシバなどは、実りの季節を迎えていました。

田圃地区から梅の木広場にかけては、あちこちに、カナムグラのマントが広がって、雌花が結実している様子でした。
夏から秋にかけて、私とは別行動で、カナムグラ刈りを続けてくれていたメンバーが、今年は、休場していることの影響は顕著でした。

ハンノキ林に入る所で、湿地地区への水路を見たら、途中で、水が消えていました。
この水漏れは、穴も大きかったのですが、何も用意していなかったので、長靴で踏み潰して、水が流れる状態にはしました。(課題)

湿地地区の水涸れの状態だけでも観察しておこうと、更に歩を進めたら、オオアオイトトンボがいました。 田圃では出会えなかったので心配していましたので、ホッとしました。

その近くに、ムネアカハラビロカマキリがいましたので、直ぐに捕獲して、種を確認してから駆除しました。今年、5匹目の駆除でした。

アザミの仲間が咲いていました。

ジョロウグモが草地上空に網を張っていました。

竹林下からの水流が水路を外れて、沢に流れ出していました。
これは、転がっていた竹の枝葉を使って、補修し、後日の課題としました。(課題)
やはり、水辺保全はジョレン程度は無いと難しいので、地区から出ました。
シロヨメナが花盛りでしたが、元々の中心部には少なくなっている感じでした。

湿地地区の課題を確認できましたので、定点Sに向かい、残りのカメラを回収しました。
周辺の落枝の片付けや、アズマネザサ刈りは、今冬の課題でしょうか。(課題)

ハンノキ林西の池の状態も観察しました。
10/26(火) の活動では、大量の土砂を上げたつもりでしたが、水が澄んだ池の底には、カワニナが這った痕が見えて、水深が浅く見えました。


帰り道、ピクニック広場に寄って、トモエソウの種子を採集しました。これは、来年、播種します。
種子から発芽した新しい株の方が元気が良いので、種子による更新が必要な植物のように感じています。
ピクニック広場東階段上に保護しているハンショウズルの実が冠毛を広げていました。


かわさき自然調査団の活動

特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation