生田緑地の生物多様性保全活動

哺乳類調査定点カメラ回収
谷戸の水辺の保全管理、カナムグラ刈りなど

日時:2021/7/27(火) 9:20〜13:20
場所 生田緑地 中央広場南側雑木林(定点C)、ハンノキ林地区(定点B)、城山下谷戸地区(定点A)、湿地地区〜城山下谷戸生物保護区
参加者 岩田臣生、田村成美

水環境調査を担当していた班員から、7/24(土) の湿地の水の状態が良くなかったという連絡がありましたので、状態を確認し、必要な手入れを行うことにしましたが、 併せて、6/15(火)に設置したモニ1000哺乳類調査の定点カメラを回収することにしました。

9:10〜9:40 (岩田臣生) 定点カメラC回収
中央広場南側の雑木林の中の定点カメラを回収することから活動開始しました。
生田緑地に着いた所で、雨は止みましたが、何もかもが濡れていました。
雑木林に入ることには、少し躊躇しましたが、滑りそうになりながらも、1台目を回収しました。


10:00〜12:00 (田村成美) 下の田圃の土嚢堰補修、上の田圃下草地のカナムグラ刈り
下の田圃が一部で底土を晒しているということで、堰の土嚢を追加しようと、メールで相談済でしたので、これは任せました。

その後は、ノカンゾウが咲いている田圃下草地のカナムグラ刈りを行いました。
ヤブミョウガは花から実に移りつつありますが、ノカンゾウが、ミゾソバなどの草むらから花茎を立てて、鮮やかな橙色の花を咲かせました。
もっと、花を増やしたいのですが、花茎を伸ばす直前のカナムガラ刈りが不十分なのかも知れません。





10:00〜10:15 (岩田臣生) 定点カメラB回収
10:15〜11:40 (岩田臣生) 湿地地区の水辺保全など
湿地地区に入って、今年、何度も補修してきた所から水漏れしていることを確認しました。
イネワラは 5束、持ってきたので、直ぐに、補修できましたが、同じことの繰り返しです。
今までは、水路の山側の畔にはヒメシロネ、谷側の畔にはチダケサシが生育していたので、狭い幅でしか対策を講じられませんでしたが、 最近は、ヒメシロネが下流側、湿地地区1段目の中央部にまで広がっていますので、今後は、水路を少し山側に移すことを考えてみようと思います。
山側には、オニシモツケもありますが、これは中部以北が自然分布域なので、かつて見られたミズバショウなどと同じように、持ち込まれた植物と思われますので、 ダメージを与えることになっても、大きな問題ではないと考えます。

雨後だからでしょうか、マユミの枝にミスジマイマイがいました。

ヒメシロネが開花し始めていました。

トウゴクヘラオモダカは既に開花していたようで、種子をつけている株もありました。

2段目のミゾソバが一段と繁茂して、トウゴクヘラオモダカの花茎が見えなくなっていましたので、2段目に降りて、ミゾソバを刈ってみたら、株自体が無くなっていました。
今年、真っ先に発芽して、大株となって、花茎を伸ばしていたので、久し振りに、今夏は、花を見に来ようと思っていたのに残念です。
城山町のトウゴクヘラオモダカが土砂崩れによって消えたことから、県内では生田緑地のみの植物となりました。
私は、2004年から、トウゴクヘラオモダカの復活を目的に、この場所を湿地にする努力を続けて、復活した対象を保護しています。
ここの株が消えたのは、植物採集を調査と称して活動する人の仕業だと思います。
私が保護していた、神奈川県絶滅危惧IA類の2種が、採集調査目的で盗られました。
幸い、今年は、他にも株がありますので、これが原因で消えることはないと思いますが、毎年、「消えないでくれ」と祈る思いで、水辺を保全している者がいることを理解してほしいと願います。
次の下の写真は、今年 6/15 に花茎を伸ばしていた大株ですが、上の写真のように無くなっていました。


今年、急遽つくった苗木畑に植えたサクラや、クヌギの苗は、順調に、育っていました。

オレンジ色の鮮やかな翅が飛んだと思ったら、ハグルマトモエが草陰に潜りました。

水漏れを止めたものの、流量は少なくて、途中途中で、水面が途切れていましたので、水路を歩いて、水底を踏み固めてみました。

カナムグラは、気が着いた時に引き抜くようにしています。
大きな塊を引き抜いたら、ヨツスジトラカミキリが現れました。
本当に、ハチが出てきたかと思ってしまいました。


11:40〜11:50 (岩田臣生) 上の田圃下草地、下の田圃地区の活動観察
11:50〜12:30 (岩田臣生) 定点カメラA回収
12:30〜13:20 (岩田臣生) 城山下谷戸生物保護区の湿地の状態確認
湿地には、水溜まりもありました。

帰りは、芝生広場から尾根路を上りました。
昨夏は、園路沿いのコナラからカシナガのフラシが垂れていましたが、フラシが消えて、キノコ類が繁茂しているコナラが目立ちました。
枯れて、腐朽が進んだだけのことだと思いますが、カシナガが棲めない環境になったということは、この木での繁殖は停止したことだと思います。


整備事務所近くの広場のヒヨドリバナの花がアズマネザサの茂みから覗いていたので、花が見えるように、アズマネザサを少し刈りました。

かわさき自然調査団の活動

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