生田緑地の生物多様性保全活動

ハンノキ林西の池の泥上げ、湿地地区の水漏れ補修、アズマネザサ刈りなど
日時:2021/3/23(火) 10:00〜13:00 
場所 生田緑地 ハンノキ林西の池(A07)、湿地地区(B05)
参加者 岩田臣生、岩田芳美

ハンノキ林を通る度に、西の池の水面が小さくなっていると感じていたので、水漏れの有無を調べて、泥上げを行うことにしました。
現地に入って調べると、予想していた、池の土嚢堰からの水漏れは無く、普通に堰をオーバーフローしていました。
最近の降雨のお蔭で、染み出す湧水の量が多くなっていたようです。
しかし、堆積土砂の量が多くて、水深は浅くなっていました。
ウエイダーを履かずに降りたので、長靴では外周に立つのがやっとの状態でしたので、 生物調査は省略して、水面の消えている場所の泥だけを、ジョレンを使って、静かに引き出して、岸辺に上げました。
また、奥のアオキの茂みの下、地面下を湧水が流れているだろうと思われる湿った場所の泥上げを行って、水面をつくりました。
この池への流れ込みは左右 2 箇所あり、泥上げをすると直ぐに水溜まりができるだけの流量がありました。
アオキの茂みの下の浅い水辺では、小型の野鳥の水浴びが観察されたりしていましたので、その環境は残しながら、落枝などを片づけました。
左側の斜面裾にあった水流は、少し入った所で、完全に水面を失っていましたが、この水流の再生・保全の活動は今回は行いませんでした。
この日は、水漏れが無いことを確認し、岸辺の水域をつくって、水位を少し上げて、水面を広げたことで、活動を終えることにしました。
次回、サポートしてくれる人がいる時に、ウエイダーを履いて、生物調査も行って、中央部の泥上げを行うことにしようと思います。





湿地地区上の木道の上側(ハンノキ林側)のアズマネザサ刈りも少し行いました。
木道に面した場所は、アズマネザサのヤブではなく、季節を感じられる草地にしたいためです。
ハンノキ林の中も、かつては、一面のアズマネザサのヤブが広がっていて、女性の一人歩きは躊躇われる状態でした。
時間はかかりますが、少しずつ、楽しく歩ける園路に変えていく努力も必要だと思います。


ハンノキ林西の池の状態は把握できたので、湿地地区の水の状態を調べることにしました。
生きものの活動が始まっているのか、ハンノキ林から流れて来る水を受ける水路には、5〜6箇所、大きな穴が開いていましたが、流量が多いため、3段目の末端まで涸れている所はありませんでした。
湿地地区のカナムグラ抜き、アズマネザサ刈りなども行いました。
フキノトウが草の間から顔を出していました。
湿地地区のハンノキは展葉を始めていました。
チョウはキタテハ、テングチョウ、時折、モンシロチョウ、ルリタテハが見られました。







上の田圃が湛水していて、オタマジャクシが洪水で流されずに残っていることを確認しました。
何があったのか、隣接する民有地の大木が伐採され、玉切りされた材が斜面に置かれ、モウソウチクが伐採されて、帯状に伐開されている場所がありました。
ヨシ原地区まで歩いて、先日の雨の降水量が多かったことを実感しました。
時折、シュレーゲルアオガエルやウグイスの声が聞かれました。
もう、ヨシを刈らせてもらっても良さそうだと思いました。

帰り道、萌芽更新地区のイヌシデ、アカシデが雄花序をぶら提げているのを観察しました。


また、斜面中央部に残したヤマザクラの大木が開花しているのも観察しました。

萌芽株の見られる斜面に、タチツボスミレが広がって咲いていました。

ピクニック広場下地区には、ナガバノスミレサイシン、タチツボスミレなどが咲いていました。


ピクニック広場では、もう開花しているヤマブキがありました。
また、見上げれば、中央園路沿いのオオシマザクラなどが咲いているのが眺められました。

広場斜面のキブシの根元には、タチツボスミレが咲いていました。


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