生田緑地の生物多様性保全活動

ヨシ原地区〜下の田圃地区の木道沿いの草刈り
日時:2021/2/25(木) 10:00〜13:30 
場所 生田緑地 ヨシ原地区(B08)、下の田圃地区(B07)
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三、田村成美

西口のトイレに、アトジロエダシャクという大きさ 2cm 程の蛾がいました。
生田緑地では、3〜4月に観察されています。
この蛾を横から見ると後翅に垂直尾翼のような突起部があります。不思議な形態ですね。



ピクニック広場東階段の改修工事が完了検査を終えていなかったので、谷戸へは芝生広場経由で降りました。
梅畑の梅が咲いていました。谷戸の梅畑としては早い開花だと思います。


上の田圃地区まで来て驚いたのは、田圃も、田圃に通じる水路も、水が涸れていたのです。
慌てて、3 人がかりで、片っ端から怪しい所に手を入れて、何とか、木道下のパイプに通水できましたが、流量は多くありません。
湛水するまでには時間がかかりそうです。
帰りにも様子をみましたが、湛水には程遠い状態でした。
そろそろ、周辺のアズマヒキガエルが繁殖のために集まって来る時期ですから、できるだけ早く湛水させておきたいと思います。


この日の活動目的は、ヨシ原地区から下の田圃地区にかけての草刈りです。
ヨシ原地区にはカサスゲが群生していますが、カサスゲの葉の繊維は枯れても強いため、枯れて寝ている状態の葉を突き抜けて、新芽が伸びて、花を咲かせるのは、なかなか難しいと思われます。
スゲ植物の花は、美しいという花ではありませんが、雄花序に黄色い花粉が輝く姿は、大型のスゲ植物であるカサスゲを楽しめるタイミングだと思います。
開花は 4 月ですので、2 月中に刈ることで、綺麗に咲けるようにしています。
本来なら、夏期に刈り取って、陰干しにして、利用した方が良いとは思うのですが、干場が無いこともあり、その一歩が踏み出せません。












昨秋からは、ムネアカハラビロカマキリの卵鞘との出会いが多くなってしまいましたが、枯れたハンノキの幹に、コカマキリの卵鞘がありました。

カサスゲの下に、マンリョウが赤い実をつけていました。
サネカズラの実は見つかりませんでしたが、枝葉は繁っていました。


下の田圃の排水を流す小さな水流の両側の枯草刈りも行いました。
春を前に、地面に陽光が当たるようにして、様々な草の発芽を促したいと思います。
活動を始めた頃には見られたものの消えていった植物があります。
もしかしたら、そのような植物が復活してくれるかも知れないという気持ちが、このような活動の原動力になります。
流れにいるカワニナは、谷戸の上流域に移しておきたいと思います。


ピクニック広場東階段の改修工事の完了検査が終わっていました。
これで、危険なスロープ階段が解消されました。
しかし、この階段の前後の老朽化が目立ちます。
谷戸の木道も、各所で浮き板が目立つようになっています。

かわさき自然調査団の活動

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