生田緑地の生物多様性保全活動

水辺保全など
日時:2020/10/13(火) 10:00〜14:00 
場所 生田緑地 ハンノキ林地区、湿地地区、上の田圃地区など
参加者 岩田臣生

谷戸に降りる前に、10/4(日) の脱穀時に倉庫内に積んだままになっていたイネワラを乾しておくことにしました。


この日は、10/6(火) の活動時にハンノキ林内の水溜まりが涸れていたので、その辺りに水を流す活動をしようと考えて、谷戸に降りましたが、先週末の台風接近に伴う降雨のお蔭で、 湧水量が増えたようで、ハンノキ林上の池からの水が流れていて、水溜まりもできていました。

ハンノキ林西の池からの水流も流れていましたが、池の水は相変わらず少なくなっていましたので、土嚢堰の積み直しを行って、水漏れを減らしました。
ここは、活動の帰りには、写真のように、水面が広がっていました。


ハンノキ林の林床にはノダケが開花していて、オオスズメが吸蜜していました。
オオスズメの訪花がなかなか見られなかったので、オオスズメが健在なのかと心配していましたので、安心し、暫らく、眺めていました。




湿地地区は、ハンノキ林側から水路内を歩いて入り、入って直ぐのチダケサシの群落のある辺りから、音を立てて流れ出している水漏れを止めました。
流量が多くなっていたので、直ぐに水路の流れが復活し、次々に水漏れが見つかって、2〜3ヶ所の補修を済ませました。

湿地地区の水域は短時間で広がりましたが、2 段目末端部の土嚢堰の上の水漏れは複数あって、沢側にも漏出していましたので、数ヶ所の水溜まり補修を行って、 土嚢の上から越流する状態にまで修復しました。
周辺では、時折コジュケイの声が聞こえ、ツクツクボウシが鳴き続けていました。

ツリフネソウは花から実に移りつつあり、身体がぶつかると、音を立てて種子が弾けました。
まだ、ホウジャクの仲間は忙しく飛び回っていましたが、この日はマルハナバチの仲間も見られました。
ミゾソバは今を盛りと咲き誇っていて、ヒメジャノメが数匹見られました。


上の田圃地区に移動して、柿の木の下で一休みしました。

上の田圃への導水路の辺りには、谷戸でも洪水があったことを物語るような痕跡、泥溜まりや、そこに転がる多数のカヤの実などが見られました。
導水路部に溜まった土砂は、泥上げを行いました。


田圃周辺のツリフネソウも種子への移行が始まっていましたが、ミゾソバは勢いを増していました。
10/6(火) に土嚢堰を積み直しましたし、水流の流量は多くなっていますので、田圃は湛水していました。
ただ、アカトンボは全く見られませんでした。



小さなニホンカナヘビが、洪水に追われたのか、木道の手摺部で休んでいました。
近づいても、直ぐには逃げようとしませんでしたが、今夏孵化したばかりの幼体で、越冬のための穴が水没したのかも知れません。

手摺上に見られたウラギンシジミは、このまま成虫越冬する個体だと思います。

ムネアカハラビロカマキリが手摺の上にいました。

 確実に、ムネアカハラビロカマキリであることを確認してから駆除しようと思い、採集して自宅に持ち帰ったところ、翌日には、観察容器の中で産卵していました。
 田圃付近に出てきたのは、産卵のためだったようです。

10/6(火) にも、手摺の上で見つけて駆除しました。
この日は、オオカマキリも、コカマキリも見てはいますが、ハラビロカマキリを見ていないような気がします。

ホオズキカメムシも、木道の支柱に避難?していました。
右側の前翅が無い個体もいました。

田圃の周囲には多数のクロコノマチョウが見られましたが、黒っぽいクロコノマチョウに混ざって、薄茶色のクロコノマチョウが数匹見られました。
秋型は黒味が薄くなるとは聞きましたが、ここまで明るい色の個体は珍しいと思います。

濡れた体を乾すように、キタテハが案内看板に止まっていました。
翅は全く傷んでいる様子が無いので、このまま越冬する個体かも知れません。

シロダモの実が赤く熟し始めていました。


下の田圃地区も観察しましたが、ツリフネソウが疎らになってくると賑わいが醒めて、ミゾソバとツリフネソウが競うことで魅力的な景観になっていたのだと感じました。


夏に確認していたアオツヅラフジの実は熟して、一見、ブドウの様になっていましたが、有毒で食べられません。

ピクニック広場周辺では、消えたかと思っていたコメナモミが咲いていました。

  かわさき自然調査団の活動
特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for nature Research and Conservation