生田緑地の生物多様性保全活動

中大型哺乳類調査の定点カメラ設置(2台)
上の田圃地区のアメリカザリガニ駆除

日時 2020/8/4(火) 10:30〜13:30 
場所 生田緑地 萌芽更新地区〜ハンノキ林地区〜芝生広場〜城山下谷戸〜上の田圃地区〜ハンノキ林地区
参加者 岩田臣生、岩田芳美


里モニ 中大型哺乳類調査の定点カメラは、7/27 に回収して、データを取り出し、カメラ・ボックスを乾かしていました。
1 週間経ちましたので、設置することにしました。
2008年からの調査の過程で、生田緑地の哺乳類は、かなりの頻度で、園路を利用していることが分かっていますが、園路を撮影する位置にカメラを設置することは避けたいと思います。
来園者を撮影してしまうことは、無益な問題を引き起こしかねませんし、雑木林の中でさえ、電池とフィルムを盗まれたことがあります。
木道近くの水辺を利用していることが分かって、設置することもありましたが、アズマネザサなどで目隠しをつくる手間が大変です。
木道近くの、その場所は、毎日の管理のために人が入っても問題無いと思われたので、今は専らアライグマを捕獲するための箱ワナを置く場所として使っています。
できれば、今までに設置したことの無い場所に設置したいと思い、谷戸に降りて、萌芽更新地区〜ハンノキ林〜芝生広場〜城山下谷戸と歩きましたが、面白そうな獣道が見つかりませんでした。
萌芽更新地区は、樹液レストランを開いていない樹木なのに、カブトムシがいる樹木がありました。
私たちが行っている伐採更新における材や落葉の処理が、これらの生きものの棲息環境を保全しているのだろうと想像しました。

風の抜ける尾根道では、正面から飛んでくるヤマトタマムシと、今夏初の出会いを得て、暫し、その緑色の金属光沢を目で追ってしまいました。
谷戸の水辺に近い所のマユミの葉上には、ダンディな出たちのキバラヘリカメムシに出会いました。
よく見ると、葉裏に脱皮殻がついていました。

新たな伐採更新を進めている雑木林も歩いてみましたが、カシノナガキクイムシの穿孔が一段と目立つようになっていました。
哺乳類調査を始めた頃によく設置していた場所に行ってみようかと思いましたが、この日の暑さの中、既に体が思うように動かなくなっていたので、 鬱蒼たるアズマネザサのヤブ漕ぎをする気になりませんでした。
城山下谷戸の中央の湿地の水が気になっていましたので、水辺の一部の泥上げを行って、鳥獣昆虫などのために、少しでも水辺を保全しておきたいと思い、谷底の湿地に行きました。
案の定、水面が消えかけていましたが、水はありましたので、小さな開放水面をつくりました。
哺乳類調査は 10年超になり、市街地に囲まれた生田緑地では、新たな哺乳類が見つかる可能性は低いと思われますので、1 台は、長期間、同じ場所に設置することを許していただいて、 この水辺を利用する生きものを調査させていただくことにしました。
既に 2 時間ほどが経過してしまいましたが、1 台は設置が済んだということにしました。
樹林を出てから、ベンチに座って、少し休憩しました。
谷戸の奥から涼しい風が流れてきました。

次はどうしようかと考えましたが、暑さが酷く、獣道踏査を行う気力が湧きません。
最近の調査では、疥癬に罹患した酷い姿のタヌキが多く、過去には頻繁に利用されていた獣道でも撮影される個体数が少なくなったということが多いので、 次は、園路から離れた、平坦な場所で、確実に撮影されるだろうと思われる場所で、アクセスも容易な場所に設置させてもらおうと決心して、谷戸の田圃経由で設置場所に向かいました。
夏の日差しが照り付けるようになって、ノカンゾウの花の色が濃くなったように感じました。
着いてみると、アズマネザサの新しい稈が 1 mほどに伸びていましたので、これを刈りました。
前回、カメラ設置に使ったアズマネザサは、設置した時の状態で残っていましたので、そこにカメラを設置しました。
2 台目のカメラ設置が終わったので、カキノキの木陰で合流して、この日の活動は終了することにしました。


田圃のアメリカザリガニ駆除は、600 匹だったようです。
上の段、堰下の水路部などに、アメリカザリガニに混ざって、ホトケドジョウが多数いました。
園路では、ニジゴミムシダマシに出会いました。
8/2(日) の里山の自然学校<案山子づくりと生物調査>の時に、危険なサイズの多数のアメリカザリガニが観察されましたので、まだまだアメリカザリガニ駆除は必要だと思いました。



帰り道、園路上に、紫色の金属光沢が美しいセンチコガネがいました。


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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
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