生田緑地の生物多様性保全活動

スミレの保護など
日時 2020/3/12(木) 10:00〜12:30 晴
場所 野鳥の森、東口上雑木林
参加者 岩田臣生、岩田芳美、鈴木潤三

絶滅危惧種の播種
倉庫前で、生田緑地から消えかけているカヤツリグサ科植物をプランターに播種しました。
これは、神奈川県絶滅危惧IA類の植物です。
2005〜2016 年は、毎年開花、結実を確認していますが、2017 年からは花穂をみることができていません。
2017 年以降、展葉してくれているものの、このまま消えてしまうのではないかと心配しています。
一度、増やしたいと思って、播種を試したものの失敗に終わったことがあって、その時の種子が少し残っていましたので、もう一度、試してみることにしました。

スミレの保護活動
この日の保全活動は、神奈川県内では生田緑地のみ、それも緑地内の 2ヶ所にのみ、僅かに生育しているスミレの保護管理を行うことにしました。
最近の微気象は変わってきていて、昨年は、出会えるはずの季節に出会えない生きものが多々ありました。
生田緑地の生きものは個体数が少なくて、いつ消えてもおかしくない脆弱な状態ですので、少しでも生息し易い環境にしておくことが必要だと考えています。
植物の世界は強いものが勝つ社会なので、これだけ個体数が少なくなったら、その周囲の植物を排除することも止むを得ないと思います。
しかも、昨秋からの気温の変化は激しくて、発芽・成長が順調に行われないことも多く見られ心配されますが、天候は動かせません。
生田緑地における当該スミレの生育地を見ると、土壌がサラサラと崩れ落ちて、流出し易い土地に辛うじて生育しているので、降雨強度が高いと、種子のみならず株ごと流されてしまう可能性が高いため、 少なくとも年 1 回の保護管理は欠かせません。
この日の状態を見ると、小さい方の群落は壊滅的で、葉が数枚見られただけでしたし、大きい方の群落は、2 度に渡って大きな伐採材(大径木)を置かれたことで、その辺りは殆んどが消えてしまい、 最近数年間は縮小し続けています。
保護策としては、年 1 回のアズマネザサやシダ類など、他の植物の刈り取りだけでは不十分で、ジックリと対策を考えないと、生田緑地から消えてしまうことになるでしょう。











桝形山に寄って帰ることにしました。
小学校休校のためでしょうか、晴れて、暖かかったためでしょうか、子連れの来園者が多く見られました。
桝形山広場の壊れかけていた柵はロープ柵に替わっていて、林地側もアズマネザサ刈りが行われていました。
柵の内外を見通せるので、ロープ柵は良い選択だったと思います。
ただ、これも最近の気象のせいでしょうか、私たちが保護していたフデリンドウは全く見られませんでした。


広場のサクラの蕾が膨らんで開花が近いと思われました。

すっかり開花したヤマザクラが 1 本ありました。

ツバキが深紅の花を咲かせていました。

キランソウが咲いていました。


   かわさき自然調査団の活動
特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for nature Research and Conservation