生田緑地の谷戸の自然保全

水の管理など
日時 2010/7/21(水)13:30〜16:00 晴
場所 生田緑地の谷戸
参加者 岩田臣生

生田緑地七草峠のヤマユリが咲いていました。 香りが辺りに漂っています。 この崖面の植生管理ではスミレ類が咲く斜面を目標に植生管理を行っていますが、季節の変化に応じて、ヤマユリ、オトギリソウ、ホトトギスなどが咲いてくれるようになりました。

梅雨の間の雨量が少なく、梅雨明けとなりましたので、湿地再生地の水流の水が止まっているのではないかと気になり、猛暑の中を出かけました。 旧北部公園事務所の所で気温は34℃でした。 谷戸へ降りるとミドリシジミが出迎えてくれました。 ハンノキ林内の水流も頼り無げで、所々、水が消えています。
湿地再生地の中の水流は案の定消えていました。所々に水溜まりの状態で残っているだけでした。
ハンノキ林の縁から、水流沿いに生い茂った草を刈っておいて、それから水流に溜まった泥をジョレンで掬いだして行きました。
湿地再生地に引いていた水流は一昨年あたりから涸れなくなっていて、ホトケドジョウなども棲み始めていました。
水流の泥を掬いだしているとホトケドジョウが慌てて逃げ出しました。 小さな流れであるにも関わらず多数のオニヤンマのヤゴが出てきました。

水の干上がった泥の上にはイタチの足跡がありました。


水辺には、ヒメシロネが広がっていました。 ミヤマシラスゲツリフネソウミゾソバ、ヨシ、そしてカラスウリやミツバアケビなどに負けていないように思われます。
草を刈るのは躊躇われましたが、草刈りは水辺の僅かな部分だけのことです。優先すべき生物のために水を流すことが必要です。

湿地のスゲの葉の上にアカスジキンカメムシがいました。

ノアザミが咲いていました。

湿地の出口付近で小さな赤トンボを見つけました。 樹の上の方に止まって降りてくれません。何トンボだったのか、気になっています。
余りの暑さに、一段目の池に水が入りだしたところで、この日の活動は終わりにしました。
木陰で休憩していると上空高くに、オニヤンマが飛んでいました。 近くのエゴノキの枯れ枝で、コゲラが夢中で餌を摂っていました。
帰り支度を始めてやっと、シャツは勿論のこと、ズボンも何もかも、汗でビッショリと濡れていることに気がつきました。

帰り道、ハンノキ林でクロアゲハに出会いました。翅の傷みの無い綺麗な個体でした。

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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation