生田緑地の自然保全活動

上の田圃の稲の手入れ、オオブタクサやカナムグラの駆除
日時 2009/9/5(土) 13:30〜16:00 晴
場所 生田緑地
参加 岩田臣生、岩田芳美、佐藤利奈

午前中の市民部会を終えて、午後は水田ビオトープ班としての谷戸の活動を行いました。 上の田圃の稲が先日の台風で倒れたため、これの手入れが必要でした。
雨の後はいつものことですが、導水部分につまった落葉などを取り除くことから作業開始です。
倒れた稲を立たせて、3〜4株をまとめて縛ります。これで自立することになります。
田圃は、どうやら穂も垂れ始めて、田圃らしい景観になってきました。 しかし、この狭い谷戸の田圃は午後になると日陰の部分が急に拡大し、日照時間の少ないことを痛感します。 稲刈りは予定通りにできるでしょうか。 田圃の中に入って作業していると、稲に様々な生物が来ていることが分かります。イナゴ、イチモンジセセリ、ナガコガネグモなどは常連さんです。 サビキコリの仲間でしょうか。この日は、こんなものもいました。 稲の根元の水の中にはアメリカザリガニがいました。 平行して田圃のアメリカザリガニの駆除も行いました。この日は2〜6cm×90を採集しました。 増えてしまったジュズダマには沢山のクロコノマの幼虫が見られます。 何故か、オアドウガネもいました。 稲の手入れを終えてから、オオブタクサやカナムグラの駆除を行いました。 カナムグラは、随分むしり取ったつもりでしたが、以前より成長し、雄花は花粉をまき散らし始めました。 オオブタクサは今年も林をつくっていました。 昨年よりは少なくなっていますが、まだまだ元気なものは茎の直径が4cmほどにも成長しています。 先日草刈りをした水辺にはアキノタムラソウが咲いていました。 まだ、30mほど奥の方にオオブタクサが見えましたが、カナムグラの海を越えていく元気がなく、この日の活動は終わりにし、 木道の上で休憩してから谷戸の自然の状態を観察して回りました。
この谷戸の活動を始めてから6年が経ち、いたるところ湿地に変わり、植生も変化しました。 環境を変えることで、その環境に適した植生に変化していくことを体験的に知ることができました。 現在、神奈川県RDBの絶滅危惧TA類で、川崎にある植物は4種類ですが、そのうちの2種は、この活動を通して埋土種子から復活させたものです。 かつての里山は炭や薪を取ることで維持されていましたが、平成の里山は消えてしまった植物を復活させたり、辛うじて生き残っている生物を守るために 行われる環境づくりの活動によって維持されるものであってもいいと思っています。 ツリフネソウの花の数も増え出しました。 オオシロガネグモもよく見られます。 ハンノキ林の入口にあったカラムシをフクラスズメの幼虫が食べていました。


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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation