生田緑地の谷戸の自然保全活動
田起こし

日時 2009/4/18(土) 10:00〜13:00 曇
場所 生田緑地田圃
参加者 岩田芳美、尾形達也、神山歩未、毛部川弘行、佐藤利奈、田中 渉、雛倉正人、岩田臣生

生田緑地は、桜から新緑に景色が替わっています。
ハンノキ林上の池のアメリカザリガニ・トラップには4〜8cm大のアメリカザリガニが3匹入っていました。
この日の活動は、参加者が多かったので手分けして行いました。佐藤、田中、雛倉は、上の一番新しい田圃の4回目の田起こしを行いました。
田圃の周辺にはケキツネノポタン、タガラシ、レンゲ、ノミノフスマ、カラスノエンドウ、オオイヌノフグリなどが咲いています。
今年は何故か、タチイヌノフグリが見られるようになりました。ヨーロッパ原産の帰化植物で、明治時代初期に渡来し、乾燥した荒地に生育する植物らしいのですが、 田圃周りの湿潤な場所に生え出しています。小さいので、これだけを抜き取るのは骨が折れます。
12日の生田緑地観察会の時に見られ出したクロセンブリが、今日も田圃周辺で見られました。
シュレーゲルアオガエルの声は一段と大きくなっています。

下の田圃の田起こしの前にヨシ原の池のアメリカザリガニ・トラップを調べました。 3〜8cm大のアメリカザリガニが9匹入っていました。
ツボスミレが咲き、ヨシやキショウブが伸び始めています。
カサスゲは花盛りになりました。

下の田圃は深い湿田で、皆が入るのをためらいます。今日は尾形、毛部川が率先して始めてくれました。 でも、始めて直ぐに全身泥だらけになってしまいました。
岩田は周辺を調べたり、奥の水路を浚渫したり、隣接地の横山さん(元の地主さん)とお喋りをしたりしていました。
横山さんは随分、元気な様子で、筍を掘ってくれたり、ノラボウを取ってきてくれました。
2004年に1枚目の田圃の再生に取りかかってから、「肥料をやらなきゃ米はできない」、「草を刈らなきゃ米はできない」等々と言われながら、 生き物優先だからと随分逆らってきたのに、こんな付き合い方ができる様になっています。
下の田圃の周辺にもクロセンブリがいました。

神山は4年間、里山の自然学校に参加していました。5年目の参加申込はお断りし、かわさき自然調査団水田ビオトープ班に入団してもらい、 里山の自然学校チームで参加者の世話をしてもらうことにしました。
特別なケースですが、かわさき自然調査団では最年少、中学3年生の団員です。
今日は入団の手続きに来たのですが、田起こしが終わるまで待ってもらうことにして、 岩田芳美と田圃周辺に生えだしたヤマグワを刈ってもらいました。

半日の活動を終えて、お茶とお菓子で休憩しました。 このぐらいの人数がいると、活動は一段と楽しくなります。

田圃の周辺にはテントウムシ、クロセンブリ、ツマキチョウ、キアゲハ、ベニシジミ、スジグロシロチョウ、シュレーゲルアオガエルなどが見られました。
ツマキチョウは春に羽化し、アブラナ科の植物に産卵して幼虫となり、夏〜冬を蛹で過ごします。1年に1回、世代交代をするチョウです。
生田緑地の谷戸で見られるアブラナ科は、タネツケバナ、ナズナ、イヌガラシ、そしてショカッサイなどがあります。 私たちの秋の草刈りがツマキチョウの蛹にダメージを与えているのではないかという話があって、発生を心配していましたが、大きな問題は無かったようです。 ここ数日は、谷戸を上から下に、下から上に、ヒラヒラと飛翔する姿を嬉しく眺めています。
ナナホシテントウ幼虫 クロセンブリ クロセンブリ ヒメジョウカイ ツマキチョウ

   かわさき自然調査団の活動
特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation