日時 2005年7月17日
場所 生田緑地 谷戸の田圃と湿地 参加者 岩田芳美、岩田臣生 生田緑地《昆虫》観察会の終了後、久しぶりにホタルの里の様子を見に行きました。 風が無く、むし暑い、動くのが嫌になる日でした。今後の管理作業を計画するための調査です。 谷間の探勝路に降りる道で日光浴をしていたヒガシニホントカゲに出会いました。近づくと、迷惑そうにドクダミの繁みに隠れました。 【湿地再生地】 湿地再生地は茫々たる草むらと化していました。ススキが茂り、ヤブガラシがマントの如く何もかもを覆い尽くしています。 そんな繁みの中にも、可憐な花が咲き、小さな生き物が生活しています。 水の流れは途中で絶えていますが、水溜まりと化したところにクロスジギンヤンマのヤゴが既に2cm程に成長していました。 ↑イオウイロハシリグモ (クモ班の土屋さんから) 漢字で書けば「硫黄色走蜘蛛」です。このクモは色々な色(模様)の変化があります。 普通に見られるクモで、徘徊性なので円網などの網を張りません。 少し似た「カバキコマチグモ」(樺黄小町蜘蛛)に噛まれると、2〜3日痛いとの事ですが、イオウイロハシリグモは無毒です。 ↑翅がなく、独特の形状の後脚と非常に長い触角が特徴。コロギスの仲間だと思います。 ↑ホソハリカメムシがエノコログサの花穂に群がっていました。 ←ナミヒカゲ 【上の田圃】 上の田圃は干上がっていました。沢が増水した時に、導水路の入口のところに枯葉と泥溜まり、水を止めていたのです。道具を持ってきていませんでしたので、素手で溝を掘り直してやると流れだしました。 水の流れにのって、ホトケドジョウやオタマジャクシが泳ぎ出しました。 今頃まだオタマジャクシでいるのは別種のカエルでしょうか。 【下の田圃】 下の田圃に降りると横山さんが野良仕事に出ていました。垣根の辺りのチゴザサが伸びているのが気になるようです。クワイ畑にも水がいっていません。 下の田圃は案の定、また水漏れを起していました。田圃に入るべき水が直ぐに流れ出してしまっています。これも素手で応急修理を施しました。 下の田圃の稲の成長が少し遅れている様に思われました。 ←トンボはオオシオカラトンボ♂3、シオカラトンボ♂1がいました。 トンボが棒の先に止まっています。観察していると、こうして止まっているのは雄ばかりです。 どうも休んでいるのではなくて、自分の縄張りに他のトンボが入って来ないように見張っているようです。 雄が入ってくれば追い払い、雌が入ってくると交尾しようとします。 この日見た雌は上の田圃で1頭、湿地で1頭でしたが、この雌は同じ個体であるかも知れません。いずれも産卵していました。 また、上の田圃では、オオシオカラトンボ♂5、シオカラトンボ♂1、アカトンボ1が飛んでいました。 アカトンボは全体にオレンジ色で、シオカラトンボより僅かに小さい程度でした。採集確認はしていません。 ←ササキリ幼虫が見られる季節になりました。 【帰り道】 帰り道で大きな蛾に出会いました。マイマイガの仲間の様です。 《生田緑地の蛾》便り第05-04号(6/12配信)にマイマイガについての記述があります。 筆者の野澤さんから指摘され、見直しましたが、野外で実際に見かける姿と展翅標本の姿の違いは大きいですね。 ←マイマイガ♀ 梅雨の間、生田緑地でも数種類の陸貝を見てきました。綺麗に撮れたものだけでも別のページに整理したいと思っています。 このカタツムリはφ10mm程度で、左巻きです。ヒダリマキマイマイの子どもとしていいのでしょうか。 |