生田緑地の谷戸の自然保全活動


田圃再生 6
日時 2004年4月28日(水) 12:00〜16:00 雷雨後晴
場所 生田緑地
参加者 岩田臣生

 昨日の嵐のためか、木道の上には小枝などが散乱していた。
 雨上がりの田圃予定地には、シュレーゲルアオガエルが5匹3組出ていた。小さなオスを背中に乗せて、大股に歩くメスは何とも頼もしげである。シオヤトンボは6〜7匹が水面を群れているが、メスは1匹しかいない。このメスが水面に近づいたところで、突然オスがやってきて合体するという様なことを繰り返している。
 今日は、南側の畦道に沿って、40〜50cm の幅で水路を開くことにした。
 ミカドガガンボの幼虫が水面を泳ぎだす。こいつらは水の中では生活できない。尻部にある気門で呼吸しているようである。水浸しの泥の中に潜っている時は、時々穴から尻部を外に出して、掌を開く様な感じに突起を伸ばして呼吸をしている。 南側の中央付近には、やはり集中的に棲息していた。作業完了までに23匹を採集し、更めて、ヨシの中に泥山をつくって、全て放した。
 ヘビトンボの幼虫が1匹。これは今日開削した水路に放した。
 ヘビトンボを採集したところで、土壌生物の採集で馴染みのある形だが、10〜15mm と大きくて、水の中にいる生物を2匹採集した。 後で、水生昆虫班の亀岡さんに見てもらったところ、ミズムシという生物であることが分かった。
 また、この時、泥水の表面でもがいている翅のある虫を見つけたので、バケツの水で洗って、バケツの縁にとまらせておいた。 暫くして見ると、すっかり乾いて、飛べそうである。全身真っ黒で、体長が(計測していませんが)15mm 程度、触角が長い。顔はやや横に広めである。 つまり、ヘビトンボに似た形で、小さくて、真っ黒なのである。これが神奈川県で唯一、生田緑地の谷間の探勝路で確認されているクロセンブリだろうか。 ホタルの里にも棲息していたということになる。 
 クモは2〜3匹を採集した。
 南側の畦道に沿って水路を開いたところで、今日の作業を終了することにした。
 帰りの谷間の探勝路の木道の手摺りは、虫の幼稚園のようである。ナナフシやイモムシが這いずり回っていた。


   かわさき自然調査団の活動
特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation