里山の自然学校2025
第 4 回《ホタル観察》

【2025/6/15 更新】


日時 2025年 6月 15日(日) 16:00〜21:00 晴
場所 生田緑地市民活動室&ホタルの国
参加(里山の自然学校 2年生)杉山智基、関山敢太、山崎晃汰、峰和菜子
  (里山の自然学校 1年生)福井絢音、前場理宏、三重野寛太、村田乙峰、山室幹太
              竹内 羊(途中からの参加)      10 名(欠席 2)
卒業生サポーター    安達湊都、原田天雅
講師サポーター     伊澤高行、廣瀬朗子
講師・事務局      岩田臣生               合計 15 名

第4回の里山の自然学校は、ホタル観察です。
フィールドは、ホタルの国です。

川崎市北部公園事務所では、2000年から2004年3月までの4年間をかけて、生田緑地中央地区の北側の谷戸の土地を購入して、 木道などを整備するホタルの里整備事業を実施しました。
北部公園事務所では、この事業によって、市民が安全に、安心して、ホタルを観賞できるようにしたいと考えていました。
ホタルの里整備事業完工の広報によって、ホタルの季節になったら、大勢の市民が押しかけましたが、 中には、捕虫網を持って、採集目的で来園する人もいたことなどから、このまま放置したら、 市民のホタル観賞のために整備したのに、ホタルが消えてしまうかも知れないと考えるに至りました。
2004年は、NPO法人化した調査団が、水田ビオトープ班を新設し、ホタルの里に生きもののための田圃をつくり、谷戸の水辺の再生・保全活動を始めました。
そこで、川崎市は、2005年に調査団と協議して、ホタル観賞マナーについてのリーフレットを作成し、 ホタルの成虫が出現する時期に、ホタル観賞マナーを観賞者に守ってもらうためのホタル・パトロールとホタル観察会という協働を始めることになりました。
この活動は2年ほどで、効果が出てきて、観賞マナーが良くなってきました。
そこで、ホタル・パトロールから、観賞者のケアに重点をおいたホタルの国という活動に更新し、 調査団としては、ホタル観察会とホタル・ガイド・ボランティアのコーディネートを行うようになりました。
ホタルの国は、期間、時間、場所を決めて、そこに、ホタルを第一優先とする仮想の国をつくるものです。
過去には、一晩に、3000人超の入場者を経験しましたが、現在は人数制限を行うことで、静かなホタル観賞ができるようにしています。
この谷戸のホタルの出現数は漸減していますが、調査団水田ビオトープ班としては、絶滅することの無いように、水辺保全に取り組んでいます。
生田緑地ホタルの国を企画し、ホタル・ガイド・ボランティアを育成して、ホタルの国を運営してきた調査団(水田ビオトープ班)が、 特別開国の日程を提案させていただいています。
調査団水田ビオトープ班は、ホタルの国のホタル観察会と里山の自然学校を同時開催するパワーがありませんので、 里山の自然学校のホタル観察の日は、里山の自然学校の占用とさせていただいています。

里山の自然学校の遅刻、欠席などの当日の連絡は、携帯電話に限定しています。
メールによる緊急連絡には対応しません。
今回、参加者2名が電話連絡なしに欠席したことを知らずに待っていたことで、無駄な時間を消費してしまいました。
今後、同様のことがあった場合は、その時点で、里山の自然学校から除籍します。

市民活動室に集合して、前回、稲田公園児童プールで採集したヤゴの羽化観察についての報告をしてもらいました。
ギンヤンマの羽化報告が何人もの方からありましたが、児童プールのような滞留水で生活し、1年もかからずに成虫になって羽化できるヤンマ型は、ギンヤンマです。
オニヤンマは、流水で生活し、成虫になるまでに、5年かかります。
 ・・・
続けて、ホタルについての話を行いました。
ホタルの国で観賞できるホタルは、ゲンジボタルという水生ボタルです。
生田緑地では、ヘイケボタルという水生ボタルも記録されていますが、田圃などの棲息環境が無くなったことで消えました。
  ・・・




ホタルの国にはトイレが無いので、トイレを済ませてもらってから、ホタルの国に入りました。
ピクニック広場辺りには、ツリフネソウが育っていました。
トモエソウは、まだ開花していません。
強い雨が降ったようで、昆虫は飛んでいません。
ムシヒキアブの仲間が、ツリフネソウの葉上に、ジッと止まっていました。
ヤブムラサキなどの葉に、しっかりしがみついたイチモンジカメノコハムシ幼虫が観察できました。






雨で濡れた大木の幹肌には、キセルガイの仲間、ヤマナメクジがいました。


ツリバナは実をつけていました。

手摺の上に、クロコウガイビルがいました。


園内の生きもの看板を使って、室内で行ったトンボの話の続きも行いました。

雨で濡れた手摺の上に、ニッポンマイマイがいました。
生田緑地の自然度が高いことを示している生物だという話をしました。

ハゴロモの仲間の幼虫が沢山いました。

暗くなってから、ホタル観察に来るので、ハンノキ林の景観をよく観察してもらいました。

ゲンジボタルの一生を図化した看板を参照しました。

コマユミが若い実をつけていました。

竹林下デッキでは、湿地地区の景観をよく観察してもらいました。
ここも、ゲンジボタルの飛翔発光を観察できる場所です。
残念ながら、ミドリシジミは観察できませんでした。

手摺上には、ミスジマイマイが2匹いました。

ナメクジもいました。

ホウチャクソウは実をつけていました。

梅ノ木広場で、明るいうちに、お弁当にしました。

6時半では、空は明るく、黄昏時の昆虫が飛んでいません。

ナナフシモドキは、だいぶ大きくなりました。

勿論、田圃の苗の状態も観察しました。


お弁当を終えたので、皆で、西口駐車場のトイレに行きました。
カナヘビが何かを狙っていました。

盗掘によって消えたと思われたイチヤクソウが1本、咲いていました。

戻ってから、記念の集合写真を撮りました。


谷戸の末端まで降りてから、ハンノキ林に向かって、ホタル観察を始めました。
木道左側の樹林の中で発光するホタルが観察できました。
そこから、上の田圃下草地までの範囲は、出現数 7でした。
上の田圃周辺は、出現数 6でした。
畑〜湿地とこれに面した竹林は、出現数 18でした。
ハンノキ林は、出現数 20でした。
ホタルの国の出現数合計は 51でした。

ホタルの国を出て、参加者全員が無事だったことを確認してから、東口に向かいました。


今回は、東口解散としましたので、東口で全員が保護者の迎えを待ちました。
しかし、雨が降りそうな気配となったので、残りの参加者は伊澤に任せて、先に、事務所裏に戻らせてもらいました。
するとクスノキの辻では、激しい雨が降ってきました。
その激しい雨の中、ホタルを見に行きたいという人に声をかけられました。
子どもたちと一緒に東口に向かっている時に、すれ違っていた人だったので、現在は、事前予約で抽選になっていることを説明しました。
帰り道、平2丁目交差点からは降っていませんでした。
皆は、雨に降られずに帰っただろうかと考えながらも、そのまま帰らせてもらいました。
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特定非営利活動法人かわさき自然調査団
Kawasaki Organization for Nature Research and Conservation