里山の自然学校2024
第02回《田植え》

【2024/5/26 更新】

日時 2024年 5月 26日(日) 10:00〜15:00 晴
場所 生田緑地&市民活動室
参加(里山の自然学校 1年生)杉山智基、関山敢太、富岡橙生、西村悠豊、福井宙、増田健、
              山崎晃汰、峰和菜子
                         8名(2人欠席)
卒業生サポーター 安達湊都
応援サポーター  伊澤高行、加登勇司、佐藤優子、廣瀬朗子
講師・事務局  岩田臣生
      合計 14 名


図)活動場所(田圃)図

(活動準備)
今日は、2004年に生田緑地ホタルの里に再生した田圃の21回目になる田植え、里山の自然学校として行なう20回目の田植えの日です。
今年の稲は、通販で購入した種籾「にじのきらめき」を、4/5(金)に浸種し(種籾を水につけて発根を促すこと)、 4/15(月)に育苗箱10枚に播種(土はクリーン培土)し、4/23(火)に発芽させ、育苗して、5/25(土)の夜中に、車に積み込んでおいて、 今日、5/26(日)8:30 生田緑地に向かって出発しました。
9:10 生田緑地整備事務所裏に到着し、育苗箱を降ろして、潅水しました。
9:20 伊澤さんが来たので、谷戸に降りて、上の田圃の下の段の堰の土嚢を外して、排水を開始してもらいました。
9:30 加登さんも来たので、一緒に、育苗箱から苗を外して、運びやすいように雑のう袋に入れました。

10:00(市民活動室)
子どもたちが市民活動室に集合しました。
挨拶、苗の植え方について説明しました。
育苗は、マンション7階のバルコニーで行っていますが、今年は、強風が吹き荒れた日があって、ビニールトンネルが飛ばされて、苗は1日、 風に弄ばれて、多くの葉が枯れました。
育苗箱の苗は、枯れた茎葉が大量に混ざった状態なので、単純に4〜5本を採って植えたのでは、枯れ茎葉だけを植えかねません。
1回に植える苗の中に、緑色の元気な茎葉の苗を4〜5本は入れて、植えるように指導しました。
室内での説明はそこまでにして、トイレを済ませてから、整備事務所裏に集合して、苗は勿論、バケツ、洗面器などを、手分けして持って、谷戸の田圃に向かいました。
バケツは水路の水を汲んで、足を洗うのに使います。
洗面器は、小分けした苗を入れて、水も少し入れて、田植え時に、足元に置いておき、そこから適量を採って、植えていきます。
洗面器は、田植え時の自分の足跡を消して、植える場所を平らにするためにも使えます。
整備事務所裏から、参加者全員で、苗とバケツ、洗面器などを田圃まで運ぶ行列は、里山の自然学校の田植えの恒例行事です。



上の田圃に着いたら、リュックなどは、木陰に敷いたシートの上にまとめて置きます。
田植えを行なえる状態になってから、1回に植える苗の取り出し方などを、実際の苗を使って教えました。
苗を植える位置の目印を示す目印テープを、田圃の両端で引っ張っておいて、その前に、子どもたちを並ばせて、ある程度、等間隔になるように、友だちとの間を調整しました。
そして、各自の前の目印、5〜6ヶ所?を見て、各自、自分が植える範囲を確認しました。
それから、一つ一つ植えていきました。
初めのうちは、ゆっくり確認しながら進めますので、時間がかかります。
綺麗に植えられる子もいれば、根が土に埋まっておらず、浮いて寝ている苗も見られました。
大事なのは、根が土の中にあることなのですが。










田圃の中央部には、浅いながら水溜まりが広がっていて、シュレーゲルアオガエルのオタマジャクシが泳いでいました。
小さなアメリカザリガニも見つかりましたが、これは駆除するものと、全員が認識している様子でした。

また、泥の上に這いつくばっている子が現れました。
田圃では泳ぐなと注意した時には、全身泥まみれでした。


今年の田圃は、何故か、中央部に低い所ができていました。
植える場所に土が無いと叫ぶ子が現われ出したので、急遽、ジョレンを使っての土の移動も行いました。








田植えの済んだ面が広がったら、5〜6羽のツバメが飛来して、田圃の上空を飛び回り始めました。
羽化した虫を、空中で捕食しているようです。
皆、この様子を目前で観察しました。
それまで、縄張りを張るのに夢中だったシオカラトンボは慌てて逃げ回っていました。
田植えの途中で、このようなドラマチックな光景を目にすることができるとは、素晴らしいと思いました。



下の段の田植えは、もう少しで終わります。
上の段の排水堰の土嚢を外しましたので、植える場所が無くなった子は、上の段の様子を見ていました。




上の田圃の下の段の田植えを終えたのは、12時を過ぎていましたが、続けて、上の段の田植えに取り掛かりました。
今年の子どもたちは「腹減った。」と叫ぶ子はいませんでした。
「上の段を終えてから、お弁当!」と伝えただけで済みました。
田圃の水に触れて、「こっちは(水が)暖かい。」と言う子がいました。
下の段の田植えを裸足でしていたので、体が冷えていたようです。
上の段は、少し深く、トロトロの田圃の土です。
田圃の幅が狭くなったので、並んだ子どもたちの間隔は狭くなりました。







途中、コオニヤンマが飛んで来て、何を思ったのか、女の子の帽子に止まりました。
他の子は、これを見て、驚いていましたが、コオニヤンマは逃げようとしませんでした。
羽化して間もない個体のようです。
このような経験も、この谷戸ならではのものだと思います。



そのまま、田植えを続けました。
子どもたちがいなくなった下の段を覗いたら、クロスジギンヤンマ、シオカラトンボなどが水面近くを飛んでいました。
田圃が少し深くなって、子どもたちは田圃の中を移動することに、少しの困難を感じるようになっていました。
その状況の中、卒業生サポーターの安達くんは、苗の補給に忙しく活動してくれました。
立場が代わっただけだと思うのですが、頼もしい存在になっていました。








ここでは、数人がトイレに行きましたので、応援サポーターの佐藤さんが付き添って、トイレまで2回も往復してくれました。

上の段の田植えを終えたところで、記念の集合写真を撮りました。
もう、13:30でした。


やっと、お昼休みです。
田植えに応援参加してくれた加登さんは、ここで帰りました。
残りの参加者は、梅ノ木広場のテーブルベンチなどで、お弁当を食べました。
テーブルの上に座って、食べている子がいたので、とんでもないと思ったのですが、ベンチ部分が壊れて、ベンチ使用は禁止になっていたためと分かりました。
子供なりに、気は遣っていたようです。





お弁当を済ませてから、見たら、良い状態の苗が沢山残っていることが分かりましたので、 もう少し頑張って、この苗を下の田圃に植えることにしました。
但し、14時を過ぎていましたので、目印テープ無し、1回に植える苗の本数を多くして、土の広がっている所に植えてしまうことにしました。
短時間でと言っても、この田圃は太ももまで潜る湿田です。
しかし、これも良い経験で、仲間意識が強くなったと思います。












14:40
体にこびりついた大量の泥は、水路で洗い落としました。


15:00
市民活動室に戻りました。
数人はシャワーを浴びることができましたが、待ちくたびれて諦めた子もいました。


15:20 予定時間をすっかり過ぎて、解散しました。


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